岩手県遠野は、古くは源義経が奥州に滞在中、遠野馬を愛用していたと伝わる程、馬との関わりが深い地域。また交通の要所として栄えたこの地域では、農耕だけでなく材木・物資の運搬をする事で、馬が農民の暮らしを支えてきました。
ここ伝承園に移築再現された古民家は、その農民と馬の生活を垣間見ることが出来るテーマパークとも言えるスポット。
まず目に入る建物は、「乗込長屋」と呼ばれる作業小屋。土壁とわら屋根が、古き良き時代の故郷の雰囲気を醸し出しています。
写真:Ise Shinkurou
地図を見る生活の糧を生み出してくれる馬は、家族の一員として、同じ屋敷内に暮らすようになります。
その様子を体感できるのが、東北ならではの古民家「曲り家」です。ここ伝承園に移築されている国指定重要文化財「菊池屋曲り家」は、遠野でも古い時期1750年頃に建てられました。
曲り家とは、人の住む母屋と馬のいる馬屋が一体となったL字型の住居。建物内に足を踏み入れると、初めて訪れたのになぜか懐かしい空間が広がります。さらに古民家が持つ癒やしの香りも。見て触れて感じる素晴らしい古民家。ぜひ体感してみて下さいね。
写真:Ise Shinkurou
地図を見るまた伝承園の敷地内には「水車小屋」「板倉」「つるべ井戸」などが移築再現されています。日本の原風景とも言える景観が広がり、散策にもおすすめです。
写真:Ise Shinkurou
地図を見る曲り家の内部をさらに奥に進めば、お蚕神堂(オシラ堂)へと。ここは馬と若い娘の悲恋の物語が残る場所です。
農家の娘が飼い馬に恋をし、毎日のように馬屋へ。それに腹を立てた父親が、馬を殺してしまいます。すると娘も馬と一緒に天に昇り、オシラサマになったというとても悲しいお話です。
オシラサマは、馬の神だけではなく蚕の神、農耕の神とも言われ、「着布の願い」と呼ばれる伝統行事として、大切に守られてきました。これは、男女一対の木に、毎年新しい着物を着せて、家の守り神とするもの。馬と人との絆を大切にしてきたこのエリアならではの行事です。
堂内にはいろいろな願い事を書いたカラフルな布が壁いっぱい。どなたでも100円で体験できますので、ぜひ願い事を書いて遠野ならではの民話の世界を覗いて下さいね。
写真:Ise Shinkurou
地図を見るまた敷地内にある「工芸館」もおすすめです。館内に入ると、手作業中の地元のおばあちゃん達が、にこやかにお出迎え。地元の方との何気ない会話も、旅の楽しみですよね。
現役の機織り機の見学や、わら細工、繭玉の糸取り、絵馬などの体験も出来ます(要予約)。手作りの馬のストラップなども販売していますよ。
写真:Ise Shinkurou
地図を見る柳田國男の「遠野物語」の中に、馬とカッパが登場するお話が残っています。いたずら好きのカッパが、水を飲みに来た馬を小川に引き込むというお話。
歴史感じる古民家を見ながら園内を散策していると、民話の世界に入り込めること間違いなし。また、敷地内の散策でカッパの足跡を見つけたら、忘れず写真を撮って下さいね。
写真:Ise Shinkurou
地図を見る先ほど撮影のカッパの足跡を、入り口の売店で見せると、お子様限定で「カッパとお友達になった証明書」を貰えます。遠野ならではの面白い旅の思い出ですよね。
またカッパ釣りが体験できる「カッパ淵」へは、伝承園から徒歩で5分ほど。ぜひそちらへも足を運んで下さいね。さらに民話の世界を満喫できるおすすめのスポットです。カッパ淵で「カッパ釣り」をされる方は、伝承園の売店で「カッパつり許可証」を忘れずに購入して下さいね。
住所:岩手県遠野市土淵町土淵6地割5番地1
電話番号:0198-62-8655
アクセス:東北横断自動車道遠野ICより約10分
開園時間:午前9時〜午後4時(入園受付は午後3時30分)
入園料:大人330円小・中・高校生220円
休園日:年中無休
2021年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
この記事の関連MEMO
この記事を書いたナビゲーター
Ise Shinkurou
はじめまして。旅連れの小太郎と日本中に足跡を付けたく始めた旅も2周目に入りました。「やっぱり日本は広くて深い」ペットと愉しむ旅を・・そして有名観光地に加え「えっ?」って思っていただけるような穴場スポッ…
トラベルjpで250社の旅行をまとめて比較!
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索