写真:Naoyuki 金井
地図を見る創業118年(明治30年創業)の老舗和菓子屋「和菓子 埼玉屋小梅」。
屋号は初代の故郷が埼玉県で、当時、この辺を小梅町と呼んだ事に由来し、初代からの伝統を継承して和菓子一筋に励む三代目の老舗です。
ご紹介するのは、人気ナンバーワンの「小梅団子」で、これぞ団子というお馴染みの形の串団子です。
うすい求肥にたっぷりの餡が包まれた「こし餡のゴマと青海苔」の間に「梅肉入り白餡のキナコ」が挟まれ、カラフルでキュートなルックスです。
京都丹波の大納言にこだわった「あずき」の餡はふくよかな甘さの美味しい餡ですが、それ以上に特徴的なのは、ゴマと梅、そして青海苔の香りです。
ゴマの香ばしさ、梅の爽やかさ、そして青海苔の瑞々しさの醸し出すハーモニーが絶妙で、団子であることを忘れそうです。
風流な「小梅団子」で、三位一体の甘味をご堪能ください。
写真:Naoyuki 金井
地図を見る隣が料亭というほど、向島の料亭街界隈にあるのが「菓匠 青柳正家」。
元々は「青柳」という屋号でしたが、1949(昭和24)年の全国銘菓奉献結成式典で味に満足した公爵・一条実孝公より「正家」の称と看板を賜った由緒を誇り、60年以上の歴史を持つ名店です。
こちらのお勧めは「菊最中」で、高々と盛られた餡のユニークな最中は、初代が開業時に考案し、1950(昭和25)年から天皇家の紋である十六菊花御紋章の使用が認められた逸品です。
薄い色の餡はクリーミーでかなり甘いのですが、意外にサッパリした後味に驚かされます。素材を吟味し、一品一品手作りの丁寧な造りが活かされ、近隣の料亭のお土産にも重宝されているお墨付きであるのも頷けます。
特にパリパリの最中種との食感は、一般的な最中では味わえません。
雅な「菊最中」で、江戸情緒の粋な風情をお楽しみください。
写真:Naoyuki 金井
地図を見る江戸時代中期の1717(享保2)年創業の老舗が「向島 長命寺桜もち」。
長命寺の門番だった初代の山本新六が、門前に落ちていた桜の葉を見て、桜の名所の桜を一年中楽しめる方法はないかと考え出したのが桜もちです。
桜の葉のしょうゆ漬けから紆余曲折の後、塩漬けを生み出し江戸で大人気となって以来、300年近い歴史を持つ関東の桜もちの元祖が、この「長命寺桜もち」です。
こちらの商品はその「長命寺桜もち」一品だけですが、そのこだわりは流石に老舗です。
餅は薄く延ばした生地を焼いたもので、クレープのような状態で餡がまかれています。現在でも1枚1枚職人が手焼しており、くるまれた餡は北海道産の小豆で、くせのない素朴な甘味です。
特にこだわっているのが「桜の葉」で、伊豆半島の松崎町産のオオシマザクラの葉を塩漬けにし、1ヶを3枚で包んでいますが、あえて3枚の桜の葉をはずして食べるのがおすすめです。
素朴で飽きの来ない餡を薄皮でくるんだ餅に、上品な桜の香りただよう風味が溢れます。
伝統の「長命寺桜もち」で、いにしえの江戸に思いを馳せてください。
写真:Naoyuki 金井
地図を見る創業年は不確かですが、江戸時代末期に創業された老舗が「言問団子」。
「言問」とは、在原業平の和歌に因んで命名した屋号で、後に、この屋号に由来して地名がつけられたのですから、江戸時代以降、いかに知られた店であったか想像がつくでしょう。
ここでは何をおいても「三色団子」をいただきます。
見た目よりも大きく一口で食べるには若干の無理がある大きさですが、優雅に2つに割って食べるのが粋です。くれぐれもかぶりついて食べるのはよしましょう。
特徴は一般的な皮で餡が包まれている団子とは反対で、米粉を餅状にした団子を餡で包んでいるのです。
白色は甘さ控えめの上品な「白餡」で、茶色はしっかりとした甘さの「小豆餡」。そして黄色は逆に甘辛い「味噌餡」です。
どれがお好みかは貴方次第ですが、カラフルな色と味を堪能できるでしょう。
象徴的な「三色団子」で、言問の歴史を垣間見てください。
写真:Naoyuki 金井
地図を見る最後は、明治2年創業の「志"満ん草餅」。
店名は「志」に「"」をつけて「じ」と読む「じまんくさもち」です。自慢できる美味しさを江戸っ子らしく粋に当て字としたところは、まさに下町の心意気です。
隅田川土手のヨモギでつくった草もちを、渡し船を待つ人に供したのが始まりで、現在は春摘み新芽のヨモギを中心に各地のヨモギを使っていますが、添加物を使用しない「生」のヨモギは創業から変らない伝統です。
ご紹介するのは「草餅」ですが、2種類の草餅があります。
一つは一般的な「あんいり」で、もう一つは「あんなし」です。「あんなし」は、お好みで白みつをかけ、きな粉をまぶすので、中心にくぼみが作られている珍しい一品です。
どちらもヨモギの香りが強く、まさに「ザ・草餅」と言える味ですが、「あんなし」のヨモギはあえて香りのより強い夏摘みを使用したこだわりです。
おすすめの食べ方は、夏と冬、あるいは春と秋の正反対の季節に食べることで、ヨモギの味の違いがわかる通のいただき方です。
春の香りの「草餅」で、季節の移ろいを感じてください。
いかがですか、江戸情緒を残す向島の老舗和菓子は!?
各店舗にはイートインスペースもありますので、スカイツリー見学後の一服にも良いですし、お土産として購入するのも良いでしょう。
また、近隣には有名な神社仏閣、風流な料亭街など見所も沢山あるので、「和スイーツ街道」散策も充分楽しめます。
四季折々に江戸情緒の残る向島で、小粋に老舗和菓子をご堪能下さい。
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(2024/10/11更新)
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