写真:Hiroko Oji
地図を見る地中海に浮かぶマルタ共和国は五つの島から成る小さな島国。小さいながら「地中海のへそ」や「地中海文明のゆりかご」とも呼ばれ、先史時代からの巨石神殿が点在する昔からの交通要衝地です。
この国のマルタ本島とゴゾ島では約30の巨石神殿が確認されており、その歴史はエジプトのピラミッドよりも古いのです。数あるマルタの巨石神殿のなかでも保存状態良好で、首都ヴァレッタからも近いタルシーン神殿をご紹介しましょう。
タルシーン神殿はヴァレッタから路線バスの81番・82番に乗ると30分もかからないパオラという町の真ん中にあり、周囲は閑静な住宅街になっています。近くには写真のパオラ教会があり目印となります。
写真:Hiroko Oji
地図を見るタルシーン神殿は住宅街の中にあって通り沿いにある「TARXIEN TEMPLES」という看板を目印にするとわかりやすいです。入り口は、これが世界遺産への入り口?と疑いたくなるほど飾りっ気のない小さな石造りの四角い建物。この中でチケットを購入します。
写真:Hiroko Oji
地図を見るマルタの巨石神殿群は、紀元前4500年〜2500年くらいにかけてつくられたとされていますが、タルシーン神殿は紀元前3000〜2500年頃のもので、火葬墓地として使われていたのではないかと考えられています。第1神殿から第3神殿まで当時の神殿建築の進化をよく表しており、建築と彫刻が見どころです。
写真:Hiroko Oji
地図を見るタルシーン神殿は1914年に農民によって偶然発見された後、1919年にかけて考古学者によって発掘が行われ、一般に公開されるようになりました。大きな石が門のように積み上げられた入り口を入ると、奥にクローバーの葉状に半円を重ねた3つの神殿が続きます。
写真:Hiroko Oji
地図を見る神殿内には各種の発掘品が残っていますが、いずれもレプリカ。文化財保護のためオリジナルは首都ヴァレッタの考古学博物館にありますので、そちらも見ておくとよいでしょう。
写真:Hiroko Oji
地図を見るタルシーン神殿の装飾でよく目に入ってくるのが、石に刻まれたうずまき模様のレリーフ。北大西洋からエーゲ海にいたるヨーロッパの多くの場所でみられる装飾で、時間と永遠の象徴と考えられています。
写真:Hiroko Oji
地図を見るタルシーン神殿で見逃せないのが、このスカートをはいた高さ2.5メートルのふくよかな女性の下半身像。「豊穣の女神」を表したものとされ、上半身が欠けた状態で発見されました。いちばん時代の新しい第3神殿に入ったところの右側に立っています。
写真:Hiroko Oji
地図を見るこちらは巨石をくりぬいてつくった火鉢!中央神殿(第2神殿)の最初の部屋、巨石をまっすぐに切り分けたような壁で造られた部屋にあり、写真だけではわかりづらいですが、直径が1.1メートルもある大きなものです。すぐ手前には巨大な水盤も置かれています。
写真:Hiroko Oji
地図を見るこちらは2頭の雄牛が向かい合うレリーフで、紀元前3100年から2500年頃のもの。マルタの巨石神殿からは、石に刻まれた動物の行進や羊飼いのレリーフの他に動物を模った像も多数出土しており、動物の骨も見つかっています。また、動物を生贄として洗ったり祀ったりしたと思われる台も残されており、豊穣を願う習慣から動物を生贄として捧げていたのではないかと考えられています。
この他、神殿周辺には古井戸や跡だけ残る神殿、水道橋などが見られますので、時間が許す限り古代にタイムスリップして散策を楽しんでくださいね。
住所:Triq Tempji Neolitici,Hal Tarxien TXN 1063
電話番号:+356-2169-5578
開館時間:10:00〜16:30
アクセス:首都ヴァレッタから81番・82番のバスで約30分。
2021年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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この記事を書いたナビゲーター
Hiroko Oji
旅の計画を練り、現地でその土地ならではの経験を楽しみ、帰ってきたら写真の整理をして旅行記や記事を書くと、一つの旅で3〜4回楽しんでいます。アメリカで大自然の偉大さに圧倒され、人生観が大きく変わりました…
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