洞窟住居が映画のロケ地にも!チュニジア「マトマタ」の見どころ

洞窟住居が映画のロケ地にも!チュニジア「マトマタ」の見どころ

更新日:2021/02/16 09:30

大竹 進のプロフィール写真 大竹 進 元旅行会社勤務、元旅行専門学校講師
チュニジア南部のマトマタには北アフリカの先住民であるベルベル人の洞窟住居が点在していますが、これらは彼らがアラブ勢力に追われてこの地に辿り着き、敵の目をごまかす為に造ったのが始まりで、現在も約90戸が居住中です。
また、映画スター・ウォーズの主人公であるルーク・スカイウォーカーの故郷としても使われました。これらの洞窟住居や映画のロケ地、そして洞窟風ホテルなど、マトマタの見どころをご紹介します。

洞窟住居とは

洞窟住居とは

写真:大竹 進

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写真は、現在もベルベル人が生活をしている洞窟住居です。この住居の構造は、まず地面に巨大な穴を掘り、その側面にいくつもの穴が掘られています。

中央の穴は広場や中庭として使用され、側面の穴は寝室やリビング、キッチン、倉庫など、穴ごとにそれぞれの目的に合わせて使用。そのため周囲からはここに家がある事は判らず、敵の目をごまかし、身を隠す事が出来たのです。

洞窟住居とは

写真:大竹 進

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住居への出入りとして丘陵地の側面に穴を掘り、そのトンネルが中庭や他の部屋へと繋がっています。家の前には井戸もあります。

洞窟住居とは

写真:大竹 進

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洞窟住居の中には羊を飼っている家もあります。洞窟に隣接した場所に羊小屋を設け、外で草を食べ終えて来た羊が賑やかにメーメーと鳴き声を上げているのも、のどかさを感じさせる風景といえるでしょう。

洞窟住居の部屋と暮らし

洞窟住居の部屋と暮らし

写真:大竹 進

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洞窟住居の中の寝室です。枕の近くはちょっと狭いので、立ち上がる時は気を付けないと頭をぶつけてしまいそうですね。ベッドの上には魔除けの手が描かれています。

この洞窟住居は一見住みにくそうですが、この地方は年間降雨量が300mmという乾燥地帯。急激な気候変化や強い日差しがあるものの、地下の穴はそれらを避けるには都合が良く、夏はひんやりと涼しく、冬も保温性に優れていて温度が下がらず温かです。

洞窟住居の部屋と暮らし

写真:大竹 進

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写真は、キッチンに使われている洞窟。棚の上にはスパイスやジャムなどを詰めた瓶が並んでいます。

洞窟住居の部屋と暮らし

写真:大竹 進

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博物館で見掛ける様な石臼も、ここでは現役です。石臼の真ん中から小麦を入れ、それを上の石を回して擂り潰しますが、石臼を動かすには力が必要。この作業を続けるのはかなりの重労働です。

スター・ウォーズのロケ地「シディ・イドリス・ホテル」

スター・ウォーズのロケ地「シディ・イドリス・ホテル」

写真:大竹 進

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この洞窟住居を利用し、ジョージ・ルーカス監督によって制作されたのが映画「スター・ウォーズ」。最初の作品「スター・ウォーズ、エピソード4」を始め、後の「スター・ウォーズ、エピソード2」でもロケに使われ、現在は観光名所になっています。

ホテル入口には大きくスター・ウォーズの文字が描かれ、ポスターも貼ってあり、映画ファンには堪らない場所ですね。ロケに使われたホテル・シディ・イドリスは元々バックパッカー用のホテルで、現在でも宿泊可能です。

スター・ウォーズのロケ地「シディ・イドリス・ホテル」

写真:大竹 進

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ホテルのフロントも洞窟内の一角にあり、カウンターの背後には部屋のキーが並んでいますが、流石にオートロックではありません。

スター・ウォーズのロケ地「シディ・イドリス・ホテル」

写真:大竹 進

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横穴状に掘り込んだ客室には1ベッド〜4ベッドまで幾つかタイプがありますが、いずれもベッドのみの極めてシンプルな造りになっています。

スター・ウォーズのロケの名残を楽しむ

スター・ウォーズのロケの名残を楽しむ

写真:大竹 進

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このホテルは主人公であるルーク・スカイウォーカーの故郷タトゥイーン星にある彼の家として撮影に使われ、食事シーンで用いられた食堂や異星人の集まるバーなど、ホテル内には各所にロケで使われた場所が見られます。

映画に使われたシーンの写真なども展示されていますが、通路の壁面にもR2-D2、ストームトルーパー、ダース・ベイダーなどの人気キャラクターが描かれています。

スター・ウォーズのロケの名残を楽しむ

写真:大竹 進

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中庭には撮影当時使われたセットがそのまま残され、その時のシーンを思い浮かべると、より一層感激も深まる事でしょう。映画で印象に残った場所を探して、記念写真を撮るのも良いですね。

スター・ウォーズのロケの名残を楽しむ

写真:大竹 進

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写真は中庭を外側から見たところ。このホテルは同じ様な中庭を持つ洞窟住居を全部で4つ繋いで作られています。穴の縁は必ずしもしっかりとした柵が巡らされていませんので、注意して歩いて下さい。

<ホテル・シディ・イドリスの基本情報>
住所:Matmatat-Al-Qadimal
電話番号:+216-75-240-005

洞窟風ホテル「ディアル・エル・ベルベル」

洞窟風ホテル「ディアル・エル・ベルベル」

写真:大竹 進

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マトマタにはホテル・シディ・イドリスの様なバックパッカー向けの安宿もありますが、一般の観光客にお薦めなのが洞窟風ホテル・ディアル・エル・ベルベルです。北アフリカの伝統的村落クサールを思わせる外観で、プールもある大型ホテルです。

洞窟風ホテル「ディアル・エル・ベルベル」

写真:大竹 進

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このホテルは洞窟住居と同じ様に地面を掘り込んで造られていて、その中庭の周りを洞窟風の客室が取り囲んでいます。

夜になると、地底にある中庭からは額縁の様に切り取られた夜空が綺麗に見えますが、このホテルは周囲に家が無いので余分な灯りがなく、ホテルの外に出ると素晴らしい星空を見る事が出来ます。日本とは違った星空を眺めてロマンに浸るのも良いですね。

洞窟風ホテル「ディアル・エル・ベルベル」

写真:大竹 進

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客室内部はマトマタで見られる洞窟住居と同じ造りで、客室の入口にはベルベル人の住居と同じ様におまじないの目や手が描かれています。エキゾチックな雰囲気のベッドで、素敵な旅の夢が見られそうですね。

<ホテル・ディアル・エル・ベルベルの基本情報>
住所:Route de Benyahya, km 2,, C104, Matmatat-Al-Qadimal 6070
電話番号:+216-75-240-074

スター・ウォーズ映画ファンなら是非とも訪れてみたいロケ地であり、映画ファンでなくても興味の尽きない洞窟住居が点在するマトマタ。洞窟住居での宿泊体験は格別です。
他のエリアでは味わえない楽しみを、あなたも味わってみませんか。

マトマタの基本情報

アクセス:
チュニスからガベスへ
・航空機:所要約1時間、週1〜2便
・鉄道:所要約5〜6時間、1日4便
・バス:所要約6時間、1日14便
ガベスからバスまたはルアージュ(乗合タクシー)で約1時間

2021年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2020/03/03 訪問

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