写真:麻田 ユウミ
地図を見る北海道の余市駅からバスで10分、そこから徒歩で10分の場所にある「旧下ヨイチ運上家」は江戸時代、管轄していた松前藩とアイヌとの交易の場であった場所。通常藩士たちは領地をもらい米を収穫するのですが、当時の北海道では稲が育たず、石高はゼロであった松前藩。ここでは商いの場をもらい、主にアイヌとの交易で収入を得ていました。
写真:麻田 ユウミ
地図を見る元々はアイヌとの交易の場としての運上屋ですが、その他にも漁場の経営をしたり、後に松前藩や奉行所の出張機関としての役割も持つようになりました。この旧下ヨイチ運上家の正面には2つの入口があります。右側の入口が武士の出入口、左側が商人の出入口として分かれており、身分によって滞在する部屋も違っていました。
写真:麻田 ユウミ
地図を見る建物も歴史的な価値があり、特に屋根は必見です。屋根は檜皮と呼ばれるヒノキの皮を使い、余市川の石を使って屋根を押さえています。なんと釘が一切使われていないということにびっくりです!
写真:麻田 ユウミ
地図を見る運上家の中に入ると土間と板の間が広がっています。この板の間に段差があるのがわかりますでしょうか?土間は漁師や使用人が過ごし、一段高い板の間には親方が過ごす場所として、身分によって過ごす場所も違っていました。
写真:麻田 ユウミ
地図を見る武士はさらに二段高い場所に畳の部屋が用意されました。この畳の間は外観からも板の間からも想像できないような豪華な造りになっています。江戸時代の厳しい身分制度がよくわかる建物でもあります。
写真:麻田 ユウミ
地図を見る板の間と畳の間の間の天井には大きな神棚が祀られています。小さな賽銭箱も置かれており、まるで建物の中に神社があるようです。ここには五柱の神が祀られており、この場所に設置されたのはどのような身分の人でも祈念することができるように、との配慮からです。
写真:麻田 ユウミ
地図を見る旧下ヨイチ運上家では様々な部屋を見ることができます。こちらはアイヌとの交易の他、漁業の業務を含む様々な事務処理を行っていた帳場です。この帳場の左側には何かがあった時に逃げるための隠し部屋があります。
写真:麻田 ユウミ
地図を見るまた武士が利用した部屋は床の間や棚があり、畳にも縁が使われ、他の部屋に比べて豪華な造りになっています。このお部屋は「遠山の金さん」で有名な遠山景元の父、遠山景晋が幕府の目付として視察で訪れた時を再現したもの。ここに13日間滞在して山道切開きの策定と北方警備の調査を行いました。
写真:麻田 ユウミ
地図を見る2階には板の間が広がり、ここは漁師や旅人が泊ったとされています。冬が厳しい土地で板張りの間はとても寒いのでは、と思ってしまいますが、この2階は囲炉裏の熱が上がってくるので意外と温かく過ごせていました。
写真:麻田 ユウミ
地図を見るこの下ヨイチ運上家では当時の生活も見ることができます。ここにはお酒専用の部屋である酒部屋も用意されています。お酒はお祝いの時だけではなく、交易の場でも欠かせないもの。また漁業の網おろしや切上げ等の節目にもお酒が振舞われました。当時は船で灘や新潟から仕入れており、特別に部屋を設ける程貴重なものでした。
写真:麻田 ユウミ
地図を見るまたたくさんの食器も展示されています。並べられているお皿やお猪口等の食器は江戸時代からのものも多く残っています。シンプルなものから豪華な趣のある食器が多く残っており、食器類も身分によって使う食器が異なっていました。
写真:麻田 ユウミ
地図を見る土間には竈が残っており、江戸時代の台所を見ることができます。竈はご飯と汁物用の大きな釜があり、一度に多くの人の食事を作っていたことがわかります。また、流し台、臼や杵、壺や籠等も残っており、当時の生活も垣間見ることができます。
写真:麻田 ユウミ
地図を見る運上家の裏手には小さな神社があります。この神社は茂入(モイレ)神社といい、願いが叶う幸福運巡りの一つとして人気の場所になっています。是非運上家の観光の後に、よい願いが叶うようにお祈りしてくださいね。
住所:北海道余市郡余市町入舟町10
電話番号:0135-22-6187
営業時間:9:00〜16:30(休館日:月曜日、祝日の翌日、12月中旬〜4月上旬)
アクセス:JR余市駅から徒歩20分
2021年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2025/2/6更新)
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