マルタ共和国第2の島「ゴゾ島」長閑な風景の中で浸る歴史と町並み

マルタ共和国第2の島「ゴゾ島」長閑な風景の中で浸る歴史と町並み

更新日:2021/05/01 11:48

Hiroko Ojiのプロフィール写真 Hiroko Oji ヨーロッパ一人旅愛好家
伊・シチリア島の南に浮かぶ小さな島国マルタ共和国。五つの島から成り最大の島であるマルタ島には首都のヴァレッタがあります。このヴァレッタからも日帰り訪問可能な「ゴゾ島」は”喜び”を意味する第二の大きさの島で、本島とはまた違った魅力を秘めています。

都市開発が進む賑やかなマルタ島と比べ、豊かな緑に恵まれのんびりした田舎の風景が広がるゴゾ島。中央部のヴィクトリア周辺の観光スポットをご紹介します。

フェリーでマルタ島からゴゾ島へ

フェリーでマルタ島からゴゾ島へ

写真:Hiroko Oji

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マルタ共和国はマルタ島・ゴゾ島・コミノ島など五つの島から成る地中海に浮かぶ小さな島国。最大の島マルタ島東部には首都のヴァレッタがあり、ヴァレッタから西へ1時間ほどバスに乗って到着するチェルケウアの港からゴゾ島へ渡るフェリーが出ています。

フェリーでマルタ島からゴゾ島へ

写真:Hiroko Oji

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フェリーに乗ること30分ほどで到着するのがマルタ島から約5キロほど離れた場所に位置するゴゾ島。玄関口となるのがイムジャールで、丘の上には要塞や教会、大型ホテルなどが見え港にはたくさんのクルーザーや小さな漁船が停泊しています。

フェリーでマルタ島からゴゾ島へ

写真:Hiroko Oji

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港の建物前にはバス停があり、フェリーの到着に合わせて待機しているバスが、長閑な緑あふれる風景の中を島の中心地となるヴィクトリアへ運んでくれます。ヴィクトリアはゴゾ島の全てのバスが島内各地とつながり起点となるのです。以前は写真のようなレトロ感たっぷりのバスが中心だったのですが、だんだん新型のバス車両にとり替わってきています。

素晴らしいパノラマの大城塞「チタデル」

素晴らしいパノラマの大城塞「チタデル」

写真:Hiroko Oji

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ゴゾ島の首都となるのはヴィクトリア。島のほぼ中央に位置しており、青銅器時代からの歴史を誇っています。

ヴィクトリアの町には蜂蜜色のマルタストーンで造られた建物が両側に建ち並ぶ通りや段々の石畳が縦横に巡り、坂道を上った先にある小高い丘の上に城壁をめぐらした小さな町並みが広がっています。ここが「チタデル」と呼ばれる中世に造られた大城塞。ゴゾ島は美しい景観を誇る島ですが、地中海の中心という便利な場所に位置することから、17世紀の騎士団時代には幾度となくトルコ軍や海賊の標的となったためそれらの侵攻に備えてより強固に再建されました。

素晴らしいパノラマの大城塞「チタデル」

写真:Hiroko Oji

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城壁内はマルタストーンを積み上げた壁が迷路のように入り組み、通路からは1693年の地震で崩壊しその後再建された建物や崩壊したままの部分と共に雨季には一面に草花が生い茂り美しい緑色に輝く景色が見渡せます。

敷地内には、入り口近くにある大聖堂をはじめ旧刑務所や大聖堂博物館、ゴゾ島の発掘品を展示する考古学博物館などのミュージアムが点在しています。

素晴らしいパノラマの大城塞「チタデル」

写真:Hiroko Oji

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チタデルの高台からはヴィクトリアの町だけでなく、周辺を取り巻き海まで続く平野を一望することができ絶景スポットとなっています。

<チタデルの基本情報>
住所:Citadel,lt-Telgha tal-Belt,lr-Rabat Ghawdex,
開場時間:24時間開場

見事なバロック装飾の大聖堂

見事なバロック装飾の大聖堂

写真:Hiroko Oji

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チタデルの入り口に堂々と聳えるのがゴゾ大聖堂。1697年〜1711年にかけてロレンツォ・ガッファの設計で建立された大聖堂です。何段もの大階段の上にシンプルなバロック様式のファサードが堂々たる姿を見せています。当時の教会勢力の象徴として二つの古い大砲が階段下に設置されています。

内部は赤を基調とした金色装飾が華麗なバロック装飾で煌びやかな雰囲気が漂っています。

見事なバロック装飾の大聖堂

写真:Hiroko Oji

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大聖堂の見所といえばこの天井画!大聖堂の外観を見る限りドーム型に突き出した部分はないのですが、祭壇の天井部分がドーム状になっているように見えるのです。

これは、平面に描かれた「だまし絵」!建築当初はドームを設置する予定だったのですが資金不足のため取りやめとなってしまいました。その代わりにイタリア人画家アントニオ・マヌエルが遠近法を駆使しただまし絵によって、まるでそこにドームがあるかのように描いたのがこの天井画です。

<大聖堂の基本情報>
住所:lt-Telgha tal-Belt,lr-Rabat Ghawdex,
電話番号:+356-2155-4101

見事なバロック装飾の大聖堂

写真:Hiroko Oji

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聖堂わきの小路を少し上ったところにある大聖堂博物館にもぜひ足を運んでみてください。金や銀の宗教具や当時使用されていた馬車、コイン、絵画などを見ることができます。

<大聖堂博物館の基本情報>
住所:Triq il-Foss,le-Rabat Ghawdex,

巨人女性崇拝の発祥地「ジュガンティーヤ神殿」

巨人女性崇拝の発祥地「ジュガンティーヤ神殿」

写真:Hiroko Oji

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ヴィクトリアから出るバスで約10分ほどのロケーションにあるのが「ジュガンディーヤ神殿」。紀元前約3600年〜3200年の新石器時代に建てられた巨石神殿です。ジュガンティーヤという名はマルタ語で「巨人の塔」という意味を持ち、数トン級の巨岩が積み上げられた壁には圧倒されるばかり。世界最古の宗教的施設の1つとされているだけでなく、巨人女性サンスーナによって作り上げられたという伝説から女性崇拝の発祥地でもあります。

周辺の施設とともに「マルタの巨石神殿群」としてユネスコの世界遺産に認定されており、神殿で発掘された出土品は、ゴゾ島内にあるゴゾ考古学博物館にも展示されています。

巨人女性崇拝の発祥地「ジュガンティーヤ神殿」

写真:Hiroko Oji

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マルタ島の遺跡とは違う点が貝やサンゴを多く含む頑丈な石灰岩で覆われたゴツゴツ感のある石の壁。また、それらの石の大きさが不均等であるうえに大きさの違う石が絶妙なバランスで組まれていることも見所です。

巨人女性崇拝の発祥地「ジュガンティーヤ神殿」

写真:Hiroko Oji

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神殿の入り口近くには生贄を洗ったとされる窪みのある石が残されています。動物を生贄として乗せた石造りの台や、聖域を守るカーテンをかけた所の石壁に残る穴、蛇のレリーフなどの聖域の痕跡も見逃がせません。


<ジュガンティーヤ神殿の基本情報>
住所:Triq John Otto Bayer lx-Xaghra, Gozo
電話番号:+356-2155-3194
開館時間:9:00〜18:00(10〜5月は〜17:00)
休館日:1/1、聖金曜日、12/24・25・31

神殿の町「シャーラ」と「タコラ風車」

神殿の町「シャーラ」と「タコラ風車」

写真:Hiroko Oji

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世界遺産であるジュガンティーヤ神殿のあるのは「シャーラ」という町。ヴィクトリアの東に位置し、この地で採れる石灰岩マルタストーンでできた出窓が美しい家屋が通りの両側に建ち並びます。神殿を訪れる人が多いのですが、町中は物静かで落ち着いた空気が流れています。

神殿の町「シャーラ」と「タコラ風車」

写真:Hiroko Oji

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シャーラの町で見ておきたいのが「タコラの風車」。ゴゾの伝統的な風車で、きわめて保存状態の良いものですが、修復のため羽が取り外されていることもあります。チケットはそばの石造りのキオスクで購入できます。

神殿の町「シャーラ」と「タコラ風車」

写真:Hiroko Oji

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風車の内部は、かつての暮らしぶりが再現されています。羽がついた状態の風車の模型や風車を動かす機械や道具をはじめ、台所や寝室、風車内の螺旋階段などを見ることができます。

<タコラの風車の基本情報>
住所:ll Bambina,Xaghra XRA 2112
電話番号:+356-2156-1071

マルタ島からフェリーで30分のロケーション

マルタの国自体がマイナーな国であるうえに、ゴゾ島はマルタ島とコミノ島に比べるとさらにマイナーな島ですが、ここでご紹介した見所以外に魅力がいっぱいの島です。海辺のリゾートとして人気があるマルサルフォルンには陸に深く入り組んだ砂浜に続いてホテルやレストランが並びます。また、よく似た湾のあるシュレンディはのんびりした雰囲気のリゾート地で遊歩道に続く断崖上の洞窟があったりスキューバダイビングを楽しむ人々の姿も見られます。

都市開発が進むマルタ島からわずか30分ほどフェリー移動するだけで訪問できるゴゾ島には長閑で寛げる場があちらこちらに潜んでいます。日帰りではもったいないほどの魅力を楽しむためにも、ゆとりを持ったスケジュールで宿泊して滞在を楽しんでくださいね。

2021年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2010/01/04 訪問

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