写真:沢原 馨
地図を見る知林ヶ島は鹿児島県指宿市の東部、田良岬の沖、800mほどのところに浮かんでいます。周囲約3km、面積は52haほどの無人島です。この知林ヶ島は古くから指宿を代表する観光名所のひとつとして知られています。なぜなら、この知林ヶ島、潮が引くと陸と繋がるから!
知林ヶ島のある場所はちょうど錦江湾の入口に当たり、潮の満ち引きの際に錦江湾を出入りする潮の流れの影響で砂が堆積し、陸繋砂州が出現するのです。陸繋砂州が現れるのは3月頃から10月頃にかけての大潮、中潮の干潮時。潮が引くに連れて海から砂の道が現れる様子は少し神秘的で、自然の驚異を感じずにはいられません。鹿児島旅行で必ず訪ねておきたい場所のひとつです。
写真:沢原 馨
地図を見る干潮時のみ現れる陸繋砂州によって島と陸とが繋がる現象は“トンボロ”とも呼ばれ、全国各地にあり、それぞれ観光名所として知られています。その中でも、この知林ヶ島は800mという砂州の規模が素晴らしく、壮観ささえ感じる景観です。
知林ヶ島の陸繋砂州には「ちりりんロード」という愛称が付けられています。台風などの影響で出現しなくなることがあっても、しばらくすると再び砂が堆積して現れるようになります。消えてしまっても再び現れて島と陸とを結ぶことから、“必ず繋がる”縁結びのパワースポットとしても人気です。
写真:沢原 馨
地図を見る特に5月から8月にかけての頃の大潮の干潮時、「ちりりんロード」は5時間以上も現れ続けることがあります。砂州の幅は広いところでは数十メートルにもなることがあり、満潮時に波間に消えるのが信じられないほど。前述しましたが「ちりりんロード」は長さ約800m。ただ歩くだけなら20分ほどですが、浜辺の風情を楽しみながらゆっくりと楽しみたいものです。
写真:沢原 馨
地図を見る「ちりりんロード」の魅力は陸繋砂州というものの珍しさだけではありません。周囲に広がるのは錦江湾の雄大な景色。砂州の上から見る知林ヶ島や田良岬の景観も美しく、曲がりながら延びる砂州そのものの景観も興趣に富んでいます。砂州の上から北を眺めれば、遠く桜島の姿も見えますよ。
この辺りは霧島屋久国立公園に属し、知林ヶ島には自然の海岸が昔のままに残されています。そしてまた知林ヶ島は環境省による「かおり100選」のひとつにも選定されています。潮の匂いや木々の香りを感じながら、自然溢れる景色の中で海岸散歩を満喫しましょう。
写真:沢原 馨
地図を見る知林ヶ島には展望台が設けられています。南展望台からは眼下に「ちりりんロード」を見下ろし、その向こうに薩摩半島側の景色が広がっています。美しい景観ですよ。ぜひ見ておきましょう。
写真:沢原 馨
地図を見る南展望台には「Chirin’s Bell (チリンズベル)」と名付けられたベル(鐘)が提げられています。“鳴らすと幸せが訪れる”とのことで、ぜひ鳴らしておきたいですね。
写真:沢原 馨
地図を見る知林ヶ島の浜辺では「渡島証明書」を販売しています。通し番号付きの“証明書”に指宿市の日付印を押してくれます。記念に購入しておきたいですね。
写真:沢原 馨
地図を見る「ちりりんロード」にはたくさんの貝殻が落ちているのですが、その中の「目八葵貝(モクハチアオイガイ)」という貝の貝殻は二つ合わせるとハート形になるんです。縁結びのパワースポットに相応しい貝殻ですね。きれいなハート形ができたら写真に撮っておきましょう(貝殻は持ち帰ってはいけません、写真を撮ったらまた浜辺に戻してあげましょう)。
写真:沢原 馨
地図を見る田良岬側の海岸の一角には「Chirin’s Heart (チリンズハート)」と名付けられたオブジェが建っています。ハートを縦に半分にした左右の形のオブジェが少し離れて建っています。ある一点から見ると二つのオブジェが重なって、きれいなハートを形作るというわけです。記念写真を撮るには絶好のポイントですね。
写真:沢原 馨
地図を見る改めて説明するまでもないことですが、「ちりりんロード」を歩いて知林ヶ島に渡るためには、潮が引いて砂州が現れている時間帯に訪れるのが必須。指宿市から「砂州出現予測時刻」が発表されていますので、これを参考に旅行の予定を立てるといいでしょう(「砂州出現予測時刻」はあくまで予想ですので、実際とは異なる場合もあります)。
「ちりりんロード」は潮が満ちればまた波間に消えてしまいます。それまでには必ず島から戻っておかなくてはいけません。現地には「本日は○時○分には島からお帰りください」との掲示が設けられています。時間は絶対厳守!
また付近の海は潮の流れが速く、砂州の両側は深くなっています。砂州が繋がっていないときは絶対に渡ろうとしてはいけません。泳ぐのもとても危険です。注意事項を守って安全に楽しみましょう。
写真:沢原 馨
地図を見る「ちりりんロード」を歩いて知林ヶ島に渡るのは楽しい体験ですが、砂州が出現する様子や消えてゆく様子を見るのもお勧めです。まさに自然の驚異、不思議な感覚を味わえますよ。田良岬西側の魚見岳展望台から見下ろすのもお勧め。車で訪れた方は、ぜひ魚見岳展望台にも足を延ばしてみましょう。
住所:鹿児島県指宿市東方
電話番号:0993-22-3252(公益社団法人指宿市観光協会)
アクセス:JR指宿枕崎線指宿駅からバス、「エコキャンプ場」下車すぐ/鹿児島市中心部から約45km、エコキャンプ場駐車場が利用可
2021年4月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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この記事を書いたナビゲーター
沢原 馨
旅行好きと言うより、散歩好き。旅先の町でもカメラ片手に散歩を楽しんでいます。特にマニアックにこだわっているものがあるわけではありません。さまざまなものに興味を持って目を向けつつ、気の向くままに足を運ん…
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