写真:鮎川 キオラ
地図を見るこちらは「チングルマ」と呼ばれる高山植物。夏には直径2,3cmほどの白い花をつけ、室堂から弥陀ヶ原までの谷間一面に咲き誇ります。この花の群生を見るために最盛期の7月、8月には多くの観光客が訪れます。
こちらは、秋のチングルマの姿です。花弁が散った後は、花の中心より白いふわふわした綿毛が伸びてきて開きます。この綿毛には種がついていて、秋風に吹かれ谷から谷へ運ばれて、群生地を増やしていきます。
綿毛が風になびく姿は、日本人の美意識を刺激する「侘(わび)・寂(さび)の世界」
写真:鮎川 キオラ
地図を見る地を這うように群生する葉っぱの部分は、夏の間は深い緑色の絨毯ですが、秋になると真っ赤な絨毯に衣替えします。上から見てみると、規則正しく同じ方向に渦をまいた綿毛は、まるで風ぐるまのようです。
名前の由来を調べてみたら、「稚児(ちご)が持っている風ぐるま」より「チングルマ」と名付けられたとの説があるそうです。
夏の可憐な姿も魅力的ですが、植物のDNAに記憶された子孫を残すための生命力と言える知恵に感心してしまいます。これぞ自然が作りあげるアート!!
室堂付近は、風に吹かれて、どこかの谷へ旅にでてしまった綿毛のないチングルマが多いので、室堂から天狗平へ向けて10分ほど谷へ行ってみて下さい。まだまだふわふわの綿毛を見ることができます。これからのシーズンは霜が降りた後や霧の水滴を綿毛につけた姿も幻想的な美しさになりそうです。
写真:鮎川 キオラ
地図を見るこちらは、バラ科の多年草「ワレモコウ」と呼ばれる山野草。俳句の世界では秋の季語となるそうです。ここアルペンルートでは夏の終わりとともに最盛期を迎えるので、夏の終わりを告げる花とされています。赤い実のように見える部分に花が集中して咲いています。
こちらの名前の由来は、諸説があるようですが「我もこうありたい」より名づけられたそうです。美しい山野に咲く姿に、昔の人はそう思ったのでしょう。花の最盛期を終えて、少し色あせた紅色が秋風にゆらゆらそよぐ姿に哀愁が漂います。
写真:鮎川 キオラ
地図を見るみくりが池のほとりに多く見られる自己主張たっぷりの立ち枯れの植物。「とんがってます私!!」とのアピールについシャッターを押しました。
後で調べたら、セリ科の「ミヤマセンキョウ」と呼ばれる高山植物です。こんなにトゲトゲしていますが、夏にはこのトゲトゲの先に2mmほどの小さな白い花を咲かせる可憐な花なのです。後方に臨む立山の雄々しい山並みとこのトゲトゲ。花の盛りを過ぎてもピーンと背筋を伸ばして自分の世界観を主張している姿に勇気づけられます。
秋のアルペンルートは、雄大な山の紅葉に魅了されて、ついつい遠くの山並みばかりみてしまいがちですが、足元にひっそり佇む高山植物にも目をむけてみると、また違った秋の美しさを感じることができます。ぜひ足元の秋色アートを探してみてください。
※夏の高山植物の様子は、下記リンク先よりご参照下さい。
写真:鮎川 キオラ
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(2024/4/20更新)
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