写真:菊池 模糊
地図を見る石垣空港に着陸する少し前、空から石垣島が見えてきます。驚くのは島全体が珊瑚礁の浅瀬=ラグーンに取り囲まれていること。よく観察するとラグーン内部の模様が細かく見え、珊瑚礁の全体構造が分かります。「やってきたぞ石垣島!」と気分が高揚する瞬間です。
写真:菊池 模糊
地図を見る石垣島に到着すると陸からの珊瑚礁が見えます。珊瑚礁のリーフから空へと連なる幾重にも重なる青。これぞ八重山の海と空の見事な表現です。
こうした天然の珊瑚礁を実際に覗き込んで見学したいという気持ちがつのります。その願いを叶えてくれるのが、川平湾のグラスボート体験なのです。
写真:菊池 模糊
地図を見る川平湾は、1997年に国指定の名勝に指定され、さらに2009年に有名な「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で最高評価「三つ星」に格付けされました。日本では「富士山」や「京都」などに匹敵する評価を受けているのです。
展望台などの高台から眺めると、様々な色に変化する美しいカビラブルーにグラスボートの姿が映え、どこをとっても絵になる景観です。さっそくこのグラスボートに乗って珊瑚礁の世界を探勝してみましょう!
写真:菊池 模糊
地図を見る川平湾のグラスボートは船長さんが珊瑚ポイントに案内し生き物などの説明をしてくれるので、安心して乗船できます。「まりんはうすぐるくん」「川平マリンサービス」「海邦マリン」の三社があり、基本は30分で1000円強の値段で手軽に体験できます。
あらかじめ予約すると割引がありますが、当日の天候などに左右されるので、現地で申し込むほうがおすすめ。ほぼ15分に一回の運行なので、混む時期でも少し待てば乗船できます。
写真:菊池 模糊
地図を見るグラスボートは、底面に透明なガラスが張られ海の中を覗く形になります。潜水用具やライフジャケットも不要で海に潜らなくてよいので、老若男女どなたでも気軽に体験できます。
満潮時は海が透明なので綺麗ですが、干潮時のほうが珊瑚に接近できるので近くに見え、一長一短。それより強風時は船が大きく揺れ酔う可能性が高いので避けるのが無難です。
写真:菊池 模糊
地図を見る乗船して出発するとしばらくは、砂浜の上の海を走ります。この時にも魚などが見えて面白いもの。写真は、貴重なエラブウミヘビ。コブラに近い猛毒の蛇ですが、沖縄では昔から高級琉球料理の貴重な食材として珍重されてきました。
写真:菊池 模糊
地図を見るいよいよ珊瑚が見えてきました。色とりどりの魚たちも群れています。とても綺麗です。
透明で綺麗な海は貧栄養で生命が少ない世界なのですが、珊瑚礁だけは例外で、綺麗な海なのに生物が豊富という奇跡を実現しているのです!
二酸化炭素を吸収し酸素を発生し、綺麗で豊かな環境を形成。酸素が多いので生き物が豊富、立体的な構造で小生物たちに棲家を提供。つまり、珊瑚礁は地球を浄化し生物多様性を支える存在なのです。また、その清澄な美しさと生命溢れる世界は、人間に癒しを与え、そこに魅了される人は数知れません。
写真:菊池 模糊
地図を見る特に注目してほしいのは先っぽが光るように見える尖った珊瑚のスギノキミドリイシ(写真左)とハナガササンゴ(写真右)。川平湾を代表する珊瑚です。
写真:菊池 模糊
地図を見るよく観察するといろいろな形の珊瑚があるのが分かります。ミドリイシをはじめとする尖ったもの、ヤエヤマカワラサンゴなどのテーブル状、ハマサンゴなど丸い形、さらにソフトなものもあります。
サンゴとは、サンゴ虫という刺胞動物の群体を基本として形成され、体内に光合成を行う褐虫藻を共生させ、酸素を発生するとともにその栄養分をもらいます。さらに、海水中の二酸化炭素やカルシウムを吸収した骨格で石灰岩の層を形成し、サンゴ自身はさらに上へ、沖へと成長します。
写真:菊池 模糊
地図を見る珊瑚だけでなく、そこに住む生き物たちも観察しましょう。写真左側の口を開けた大きな貝がシャコガイ、真ん中に愛称ニモと呼ばれ人気のカクレクマノミ、右端に青いルリスズメダイが見えます。
写真:菊池 模糊
地図を見るグラスボートでは、真上から見るため、珊瑚そのものは綺麗に見えますが、魚類は横から見れないため分かりにくいです。それでも美しい種類は目立ちます。写真中央は青くて綺麗なオトメベラです。
写真:菊池 模糊
地図を見る奇妙な形態の生き物もたくさん観察できます。写真中央に白くて丸く見えるのは、獲物を待ち伏せしているタコです。
写真:菊池 模糊
地図を見る川平湾はグラスボートだけでなく美しい景勝地なので、付近をゆっくり散策するのがベター。軽食レストランやカフェ、お土産物店もありますので、一日滞在も楽しいもの。ただし、路線バス利用の場合は本数が少ないので、注意してください。
まずは湾の浜辺を歩いてみましょう。乗船する浜付近は細かい砂でとても綺麗。奥に行けば珊瑚のかけらも見つけることができます。なお、川平湾は潮流が激しく遊泳禁止になっていますので海の中には入らないでください。
写真:菊池 模糊
地図を見る川平湾の浜辺では冬でも蝶が舞い、センダングサの花で吸蜜しています。写真は一番多くみられるリュウキュウアサギマダラ。他にもたくさんの蝶がいますので写真を撮ってみましょう。
写真:菊池 模糊
地図を見る南国的な花もたくさん咲いています。写真は人気のハイビスカス。フヨウに近い植物で、沖縄方言ではアカバナ、和名はブッソウゲ。八重山では一年中公園などに咲いており、南国のイメージを象徴している花です。他にも各種の花がありますので探してみてください。
住所:沖縄県石垣市川平911
電話番号:0980-82-2809(石垣市観光交流協会)
アクセス:
(車)石垣空港または石垣市内中心部からタクシーまたはレンタカーで約40分、有料駐車場あり
(バス)石垣空港または石垣市バスターミナルから約50分で川平公園前下車すぐ。なお、空港や石垣市内中心部からバスで往復する場合は1日フリーパス(1,000円)を購入した方がお得
2021年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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この記事を書いたナビゲーター
菊池 模糊
歴史と自然の研究をしています。旅はその源泉です。自称ネイチャートラベルフォトライターです。これまで訪れた国は世界約60ヶ国で、旅写真が得意です。そんな私の経験が少しでも皆様のお役に立てればと思い、旅行…
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