青森県中西部に位置する「つがる市」はどんな町でしょうか?と言われても、いまいち思い浮かばない方も多いかと思います。
でも画像の土偶はご存じではないでしょうか?これは「遮光器土偶 (しゃこうきどぐう)」と呼ばれる、縄文時代に作られた土偶。イヌイットなどの北方民族が用いる遮光器、いわゆるスノーゴーグルのようなものを付けているように見えることからその名が付いたもの。
その遮光器土偶は明治19年に青森県つがる市にある亀ヶ岡遺跡から出土したもので、現在は東京の国立博物館に所蔵されている重要文化財。誰しもが社会や歴史の教科書でその姿を見た覚えがある、土偶の代名詞的存在といえるでしょう。
同じ青森県八戸市から出土した合掌土偶は国宝に指定されるなど、青森県には世界遺産登録を目指す縄文時代の重要な遺跡群が遺されているのです。
写真:bow
地図を見るさて、なぜそんな縄文遺跡や土偶の話をしたのかというと、青森県つがる市には土偶をモチーフにしたとんでもない駅があるからです。
その駅とはJR五能線の「木造(きづくり)駅」。令和元年度の1日平均乗車人数は198人という小さな駅。そんな駅にもかかわらず、強烈なインパクトを放つ駅舎を一目見ようと全国から足を運ぶ人が絶えないのです。
写真:bow
地図を見るその問題の木造駅は商店街を抜けた道の突き当りに位置しています。道の奥の方に、何やら見えていませんでしょうか?
写真:bow
地図を見るき、巨大な土偶キターーーーー!
巨大な遮光器土偶と一体化した建物、これこそがJR五能線の木造駅なのです。地元では遮光器土偶を「しゃこちゃん」との愛称で呼んでいるのですが、ちっともかわいくありません!まるでラスボスが降臨したかのような禍々しさすら放つこの姿、何故にこれほど巨大化させる必要があったのかと問い詰めたいレベルです。
写真:bow
地図を見るしかもこのしゃこちゃんには、とある仕掛けがあったのです。このしゃこちゃんの目の部分、よく見ていると・・・。
写真:bow
地図を見る光ることがあるのです・・・!
しかも実にカラフルに、様々な色を発しています!
動画:bow
地図を見るしゃこちゃんが目が不気味に光らせるのは列車の到着時。つまりお知らせ的な意味合いを持つ、通称「いらっしゃいビーム」と呼ばれるものだったのです。しゃこちゃんはただ壁に貼りついているだけでなく、お仕事までしていたのですね!
かつては目が赤色に光っていて、夜は不気味で子供が怖がるというような苦情もあったそうですが、さすがに見慣れてきたのか現在は特にそういった声はないそう。
2020年には塗装のお色直しと、目をLED化して七色に光るようにリニューアルが施されました。なおビームに関しては、列車到着時以外でも駅員さんに頼めば手動で発射してもらえます!コレを見に来たんだ、という方はぜひ気軽に頼んでみてください。
写真:bow
地図を見る日本全国には個性的な駅舎が多々ありますが、木造駅の圧倒的な存在感は一見の価値あり!しゃこちゃんに会いに木造駅を訪ねてみてはいかがでしょうか?
住所:青森県つがる市木造房松10
電話番号:0173-42-2110
アクセス:東北自動車道「浪岡」ICから約35分
2021年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
この記事を書いたナビゲーター
bow
京都生まれ、京都育ちの生粋の京都人です。仕事で全国を飛び回り、京都の良さを再認識したため、京都の観光に携わる仕事をしています。全国を旅した経験と、観光業界に生きる人間としての視点、更には京都人ならでは…
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(2025/1/25更新)
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