自然と人が織りなす登山初心者向けの鳥取・大山の魅力

自然と人が織りなす登山初心者向けの鳥取・大山の魅力

更新日:2021/05/17 14:55

アシュ 飯田のプロフィール写真 アシュ 飯田 SFC修行僧、陸マイラー
中国地方の最高峰で、その山容から伯耆富士や出雲富士と呼ばれる大山(だいせん)。周りに高い山がない独立峰のため、約20km離れた米子市内からも美しい姿を望むことができます。

古くは8世紀に記された出雲国風土記の国引き神話に登場し、大山信仰の中心として親しまれてきました。現在では登山者も多く初心者でも気軽に登れる山として人気です。
本記事では、自然と人が造り上げた大山の魅力についてご紹介します。

頂上からの絶景に惚れ惚れ!大山を登ろう

頂上からの絶景に惚れ惚れ!大山を登ろう

写真:アシュ 飯田

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大山の登山コースは一般的に「夏登山コース」と「ユートピアコース」の2つが紹介されています。登山初心者におすすめなのは「夏登山コース」。標高700m付近より出発して1709mの頂上まで登るコースになります。

麓から見ると斜度が急でとても登るのが難しそうに見えますが、「夏登山コース」は頂上までほぼ全ての登山道が階段上に整備されており、時間をかければ初心者でも登れるルートになっています。

また大山一体は大山隠岐国立公園に指定されていて、西日本最大のブナ林が広がり景色が良く、そこに生息する野鳥も豊富で登山中も自然に癒される体験ができます。

頂上からの絶景に惚れ惚れ!大山を登ろう

写真:アシュ 飯田

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登山の終盤である8合目付近では、特別天然記念物に指定されている純林のダイセンキャラボクが見られます。

キャラボクは高山の多雪地帯に多く見られる木で、新緑の春の季節には青々とした葉っぱが特徴。大山では保護のために遊歩道が設けられていて、キャラボクの群生地の中を歩くことができます。標高の高い周りの景色と相まって、まるで空中散歩をしているよう。とても美しい景色に癒されますよ。

頂上からの絶景に惚れ惚れ!大山を登ろう

写真:アシュ 飯田

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大山の最高峰は剣ヶ峰の1729mになりますが、現在は山肌の崩落のため剣ヶ峰に至る縦走路は通行禁止になっており、第二峰である弥山を頂上としています。その弥山からの景色は絶景の一言。剣ヶ峰のある東側以外の全てを見渡せて、とても素晴らしい眺望に感動が止まらなくなるはず!

特に美しい弧を描く弓ヶ浜半島の絶景は大山登山の醍醐味になっています。驚くことにこの弓ヶ浜半島は砂でできている日本最大の砂州。砂州では天橋立が有名ですが、弓ヶ浜半島は長さ約17km、幅は約4kmとスケールが桁違いですね。
弓ヶ浜半島やダイセンキャラボクといった絶景を見るために今も登山客が絶えず、大山の人気を支えています。

現在も見られる大山信仰の神社・お寺

現在も見られる大山信仰の神社・お寺

写真:アシュ 飯田

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現在も信仰を集めている大山には、「夏登山コース」の始まりの1合目に大神山神社、大山寺といった神社・お寺があります。1合目ということで、登山をしない一般の参拝客も訪れることができます。

中でも大神山神社・奥宮の威容には感動すること間違いなし。国指定重要文化財で、幅50mほどの日本最大級の権現造となっています。本殿内部の柱は金箔の上から漆を塗る白檀塗によって美しい金色を放っており、壮麗さにため息が漏れてしまうほど。側壁には天女、天井には花鳥風月が描かれていて、まさに極楽浄土を現したような空間となっています。
奥社は天然石が敷き詰められた参道を本社から700mほど登った場所にあります。緩い傾斜になっているので体力が必要ですが、ぜひ訪れていただきたい場所です。

現在も見られる大山信仰の神社・お寺

写真:アシュ 飯田

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大山には大神山神社の他に天台宗のお寺である大山寺が建っており、こちらにも毎年多くの方が参拝に訪れます。「大山寺縁起」という書物にその起源が記されており、718年に開かれたとても由緒あるお寺です。

大山寺で特に足を運んでいただきたいのは、重要文化財に指定されている阿弥陀堂。現在のお堂は16世紀に再建されたものですが、元々は慈覚大師の創建と伝えられる室町期の建築でした。お堂の中には木造阿弥陀如来が安置されており、こちらも重要文化財に指定されている大変貴重なものです。

神社とお寺が共存している大山。今も山陰地方の地元の方々の崇敬を集めており、山全体が霊場として大切にされていることが分かりますね。

登山後に楽しめる大山麓の観光ポイント

登山後に楽しめる大山麓の観光ポイント

写真:アシュ 飯田

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大山登山にかかる一般的な時間は、往復で約6時間くらいになります。体力の消耗も激しく下山後のヘトヘトな気持ちを上げてくれるのが、大山寺参道周辺にあるお土産やさんやカフェ・レストラン。

特に下山後のオアシスになって癒してくれるのが、お土産やさんの「モンベルフレンドマーケット大山寺参道市場」。鳥取の名物である二十世紀なしや、大山地方の名物である大山地鶏、牛のミルクを加工したお土産が数多く取り揃えてあります。どれを買って帰ろうか迷ってしまうくらい種類が多く良い品が豊富ですよ。パン屋さんやカフェも併設されているので、ちょっとゆっくりするスポットとしてもおすすめです!

<基本情報>
住所:鳥取県西伯郡大山町大山23-1
電話番号:0859-52-6020

登山後に楽しめる大山麓の観光ポイント

写真:アシュ 飯田

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そして大山に訪れた際に必ず立ち寄っていただきたいのが、博労座駐車場のすぐ近くにある鳥取県立大山自然歴史館。大山の自然や歴史や文化について学べる大変重要な博物館になっています。

館内は5つのコーナーに分かれていて、特に「大山の自然」コーナーは必見。大山に生息する昆虫や動物、野鳥の剥製が説明パネルと共に展示されており、大山の自然をリアルに感じられるコーナーになっています。

鳥取県立大山自然歴史館は入館料が無料ながら、展示されている模型や剥製などの資料、写真や図書が充実しており、自然好きの方はとても満足できるスポットになっています。ぜひ足を運んでみてください!

<基本情報>
住所:鳥取県西伯郡大山町大山43
電話番号:0859-52-2327
入館料:無料
開館時間:9:00〜17:00(7/21-8/20 9:00〜18:30)

大山の基本情報

住所:鳥取県西伯郡大山町大山
アクセス:JR米子駅やJR大山口駅から大山寺行きのバスで約50分ほど

2021年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2021/04/20 訪問

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