写真:島塚 渓
地図を見るこの一帯は島根県有数の古墳密集地域であり、国庁や国分寺が置かれていたことから、古代出雲の政治・経済・文化の中心地だったと考えられています。奈良時代に編纂された『出雲国風土記(いずものくにふどき)』には、意宇郡(おうぐん)として登場し、律令制のなかで重要な場所として捉えられていたことが分かっています。
写真:島塚 渓
地図を見る八雲立つ風土記の丘の拠点となる展示学習館では、『出雲国風土記』の写本や敷地内で出土した遺物を見学することができます。古代出雲の神話や地名の由来、さらには動植物の分布などが記載された『出雲国風土記』は、現存する風土記のなかで唯一ほぼ完本の状態で残されている貴重な史料です。
また、重要文化財に指定されている見返りの鹿埴輪も展示学習館で見学できるので、八雲立つ風土記の丘に訪れた際は、まずここに足を運んでみるのが良いかもしれません。
写真:島塚 渓
地図を見る敷地内には岡田山古墳群と呼ばれる大小7基の古墳があり、なかでも1号墳は内部から装身具や武具などの貴重な副葬品が見つかっています。この古墳は6世紀に築造されたと考えられる前方後方墳で、2つの形の異なる四角形がつなぎ合わさった形をしています。全長は約24メートル、3つの段が積み重なったような形状をしており、後方部の四角形のほうが若干大きくなっているのが特徴です。
内部から見つかった副葬品は展示学習館に保存されており、刀身部分に「額田部臣(ぬかたべのおみ)」の銘文が刻まれた太刀は、日本最古の姓が記載された大変貴重な遺物です。
写真:島塚 渓
地図を見る1号墳から南に30メートルの位置にある岡田山2号墳は、直径約43メートル、高さ約6.5メートルの丸い形状をした円墳です。島根県内で3番目の大きさの古墳で有力な豪族の墓と推測されていますが、現在でも未発掘のため詳しいことは分かっていません。1号墳とともに2号墳も国の史跡に登録されているので、ぜひ合わせてチェックしてみてください。
写真:島塚 渓
地図を見るフィールド・ミュージアムとして整備された敷地内には、5世紀に使用されていたと考えられる竪穴住居(たてあなじゅうきょ)と8世紀の掘立柱建物(ほったてばしらたてもの)が再現されています。
縄文時代からしばらくの期間、古代の人々の多くは地面を少し掘り下げ屋根をつけた竪穴住居と呼ばれる家に住んでいました。この家は半地下式のため保温性が高く、内部には炉が設けられ、外気温の影響も受けにくい構造になっています。
写真:島塚 渓
地図を見るもう一方の掘立柱建物は、地面に穴を掘りそのまま柱を立てて造った建物になります。古代の集落は当初ほとんどが竪穴住居でしたが、しだいに掘立柱建物が普及していきます。これは大陸の文化を摂取していく過程で起こった変化で近畿地方から各地に広がり、出雲では8世紀ごろに掘立柱建物の受容が進んだと考えられています。
写真:島塚 渓
地図を見る敷地の南西には植物園も整備され、『出雲国風土記』に記載されている約80種の植物が栽培されています。全国唯一の風土記に由来する植物園として、四季を通して様々な草花を楽しむことができるようになっています。
住所:島根県松江市大庭町456
営業時間:午前9時から午後5時(ただし入館は午後4時30分まで)
定休日:毎週火曜日、年末年始
利用料金:一般200円、大学生100円、小中高生無料
2021年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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この記事を書いたナビゲーター
島塚 渓
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