「祥寿山 曹源寺(そうげんじ)」は、日本三さざえ堂の1つを本堂とする曹洞宗のお寺です。初夏になると境内のあじさいが一斉に咲き、「群馬のあじさい寺」とも呼ばれる美しい景観が広がります。
あじさいの例年の見頃は6月中旬〜下旬頃です。2021年は例年より早くなることが予想されます。開花状況については公式Twitterなどでご確認ください(写真は2020年のものです)。
写真:やた 香歩里
地図を見る境内を彩るあじさいは約350株。青や紫、淡いピンクなどの色彩豊かなあじさいが重厚なお寺の建物と調和して、この季節だけの見ごたえある眺めをつくりだしています。
曹源寺は御朱印の人気も高いお寺で、テレビや書籍などにも取り上げられています。そしてあじさいの季節には特別な限定御朱印も頒布されます。
写真:やた 香歩里
地図を見る最近は御朱印をいただくのが参拝の目的の1つになっている方も多いと思いますが、曹源寺でも、定番のものから月ごとの限定御朱印まで多彩な御朱印を頒布しており、人気を集めています。
芸術的な書体が美しい「百観音」「魚藍観音」の御朱印やさざえ堂の木版印が押された「さざえ堂御姿」は定番の御朱印です。その他に、毎月図柄が変わる季節の御朱印などの限定御朱印があります。6月の季節の御朱印にはあじさいの絵柄があしらわれます。
なお、定番の御朱印は直書きしていただけますが、季節の御朱印など書置きのみのものもあります。また、状況により、通常は直書きの御朱印も書置きの対応となることもあります。
2021年2月より切り絵御朱印の頒布も始まりました。毎月「8」のつく日(8日・18日・28日)のみの頒布となり、数量も限定です。そしてあじさいの季節には、あじさいの切り絵御朱印が登場! 2021年5月18日から6月中の「8」のつく日の頒布です。こちらも数に限りがあり、無くなり次第終了となります。
なお、2021年6月28日は本堂前工事のため受付不可となり、6月26日の頒布に変更予定です。御朱印についての情報は公式Twitterにて告知されますので、御朱印を希望される方はそちらを確認の上でご参拝ください。
曹源寺は、その起源を1187年に建立された六角堂にさかのぼる古刹です。現在は本堂である「さざえ堂」は、実はかつては観音堂で、本堂は別にありました。しかし1852年に本堂が焼失。それ以降は「さざえ堂」が本堂となっています。
「さざえ堂」とはどのようなものでしょうか? その呼び名は、貝のさざえの体内のようならせん構造をしているからとも、三匝堂(さんそうどう)という名称が転じたからとも言われています。
写真:やた 香歩里
地図を見る3階建ての建物の内部はらせん状に回廊がめぐらされており、1階から3階まで登り降りする間、一度も後戻りをしない一方通行で、元のところに戻ることができる構造となっています。昇っている途中に降りてくる人と通路を譲りあうこともなく、スムーズにお参りができます。
この個性的な建築様式は、江戸時代後期の1700年代の終わりごろから主に関東・東北においてみられるようになりました。曹源寺のさざえ堂も1798年頃の建立と伝わっており、手掛けた棟梁・町田兵部栄清は関東の大工の祖といわれる名のある大工です。
写真:やた 香歩里
地図を見る現存するさざえ堂は全国に6棟で、そのうちこの曹源寺さざえ堂と、福島県会津若松市の旧正宗寺円通三匝堂、埼玉県本庄市の成身院百体観音堂は「日本三さざえ堂」と呼ばれており、なかでも曹源寺のさざえ堂は現存する中で最大規模を誇ります。
写真:やた 香歩里
地図を見るさざえ堂内には、ご本尊である魚藍観世音菩薩をはじめ、1階に秩父三十四観音、2階に坂東三十三観音、3階に西国三十三観音の、合わせて百の札所(お寺)の観世音菩薩を模した観音像が奉安されています。
秩父三十四札所はその名の通り埼玉県秩父市に札所がありますが、坂東三十三札所は関東一都六県に広く点在しており、西国三十三札所に至っては関西二府四県はもちろん岐阜にもあるので、すべてを巡礼するのは現在でも至難の業。この回廊を一巡することで、これらの百の札所にお参りしたのと同じ功徳が得られるといわれています。
写真:やた 香歩里
地図を見る各々の観音様の上には、絵が掲げられています。これは、観音様が奉安されているお寺の風景画であり、ここには御詠歌(信者が巡礼の際にその御仏をたたえて詠んだ歌)も記載されています。
一つ一つの観音様に目を止めていくと、自分がご縁のあった、あるいは知っていたり参拝してみたいと思っていたりしたお寺の観音様がみつかるかもしれませんね。観音様に手を合わせ、風景画を眺めて、その場所に思いを馳せると、心だけでもそこに飛んでいけそうです。
写真:やた 香歩里
地図を見る境内には他にも注目スポットがあります。山門からさざえ堂に続く御砂踏参道の下には、西国坂東秩父の百観音霊場からいただいた御砂が納められており、この参道を踏むことでも、百観音を巡礼したのと同じ功徳をいただけると言われています。もしもさざえ堂を3階まで上がるのが辛い…ということであれば、この御砂踏参道を歩き、さざえ堂の前で手を合わせましょう。
また、鐘楼にある梵鐘は、参拝者が自由に打つことができる「願いの鐘」。叶えたい願い事がある方は、「合掌一打鐘又合掌」の作法にしたがって、鐘を打ってみてはいかがでしょう。
写真:やた 香歩里
地図を見る国の重要文化財である「さざえ堂」で歴史や建築の妙に触れ、百体観音像にお参りして各地に思いを馳せながら功徳をいただく。そして参拝の証には個性的な御朱印を。
曹源寺はそんな豊かな時間を過ごせるお寺です。鮮やかなあじさいに彩られる梅雨どきはまさにベストシーズン。曇りがちな空の下でも、穏やかで充ち足りた時間を過ごしてみてはいかがでしょう。
住所:群馬県太田市東今泉町165番地
電話番号:0276-25-1343
拝観時間:10時〜12時、13時〜15時
※拝観時間は変更されることがあります。また、お休みは不定休です。情報は公式Twitterでご確認ください。
拝観料:大人300円
アクセス:
北関東自動車道 太田桐生ICより車で約3分
東武伊勢崎線 太田駅からタクシーで約10分
東武伊勢崎線 韮川駅から徒歩約30分
2021年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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