写真:湯川 カオル子
地図を見る草津温泉のランドマーク「湯畑(ゆばたけ)」は、湧き出した温泉が池になり、7本の湯樋(ゆどい)を通って湯滝に落ちる温泉王国のシンボルです。
湯畑からは毎分4,400リットルの温泉が湧き、源泉温度は55.7度。人が入れないほどの高温で、それを水で薄めずに適温に冷ますため湯樋に流します。つまり湯畑は、自然を利用した温泉の冷却装置なんですね。
写真:湯川 カオル子
地図を見る湯樋を通った温泉は滝になって落下します。この滝壺からポンプアップされた温泉が、町の共同浴場や湯畑周辺にある温泉宿に配湯される仕組みです。
ところが、草津の旅館はすべて湯畑のお湯が使われているわけではありません。町に100軒ほどある温泉宿のうち、湯畑に湧く「湯畑源泉」を引くのは50軒ほど。それ以外の宿には別の源泉が引かれます。
そこで、確実に湯畑のお湯に入りたいという方にオススメなのが、無料の共同浴場「千代の湯」です。
写真:湯川 カオル子
地図を見る湯滝から「滝下通り」を1分ほど進むと共同浴場の千代の湯があります。古くはこの通りに湯畑のお湯を通し、左右に建つ宿に配湯していました。写真左の小さな建物が千代の湯です。
写真:湯川 カオル子
地図を見る千代の湯は住民も入りに来る共同浴場です。銭湯ではないので、建物もこじんまりとしています。
こうした共同湯は草津町内に19軒ありますが、観光客に開放されているのは、千代の湯のほか、地蔵の湯(地蔵源泉)と白旗の湯(白旗源泉)の3軒だけ。すべて無料で、泉質が微妙に違うので、ぜひ入りくらべてみてください。
写真:湯川 カオル子
地図を見る建物の外には水飲み場があります。よく湧き水と間違われますが、町の水道水が使われます。とはいえ、草津の水は美味しいので、湯上り後の水分補給に飲んでみてくださいね。
写真:湯川 カオル子
地図を見る建物内には3つのお風呂場があって、右の引き戸が男湯。左奥が女湯。中央奥の扉は、草津の伝統的な入浴法「時間湯」を、誰でも無料で体験できる専用のお風呂場です。
時間湯は、草津特有の熱いお湯を湯もみ板でかき混ぜて冷まし、3分間浸かる独特の入浴法。希少な「熱の湯源泉」が引かれています。
時間湯は1日4回行われます。フェイスタオルとバスタオルを忘れずに持っていきましょう。スタッフに入り方を教えてもらえます。
写真:湯川 カオル子
地図を見る共同湯の脱衣場は、大きめのロッカーが6個。鍵はないので、貴重品などは持ち込まないほうがいいでしょう。ここで服を脱ぎ、フェイスタオルを持ってお風呂場へ!
石鹸やシャンプー、シャワーなどはなく、お風呂に浸かるだけのシンプルな公衆浴場です。でも強酸性のお湯のおかげで、浸かるだけで身体はきれいになりますよ。
写真:湯川 カオル子
地図を見る木造のお風呂場は狭く、ちょっと暗めで、ひなびた湯治場の雰囲気。蒸気がこもらないよう、天井には湯気抜きの窓が設けられています。
湯船は3人が足をのばして入れる大きさ。経験からいって4人がほぼ限界です。
でも狭いお風呂はには大きなメリットがあります。小さな湯船は温泉の入れ替わりが早い分、お湯そのものが新鮮! 特に千代の湯は源泉からの距離が近いこともあって、同じ湯畑源泉を引くお風呂でも、千代の湯の方がお湯がいい!という人もいるほどです。
写真:湯川 カオル子
地図を見る温泉は源泉かけ流し。男湯の温度は43度から46度ほど。女湯は41度から43度ほどと、草津では比較的入りやすいお風呂です。
お風呂場の床は石造り。湯船の縁には木が差し渡され、湯船自体はコンクリートです。温泉に身体を沈めるとドバーッとお湯があふれ出て、床が池のようになるのは気分サイコー!
無色透明の湯畑源泉はpH2.08の強酸性。殺菌作用が強く、いろいろな菌を死滅させるほど強力です。身体に傷があると染みることもありますが、通常刺激はほとんどなく、草津の他の源泉にくらべてまろやかなお湯です。
このほか、古くから皮膚のトラブルに効くとされ、個人差もありますが、しもやけ、切り傷、虫刺され、水虫などに効果あり。乾燥肌やアトピーなどで定期的に通う方もいらっしゃいます。
写真:湯川 カオル子
地図を見る普段は無色透明の湯畑源泉ですが、2カ月に一度、数時間だけ白濁する日があります。それが、湯畑で「湯の花」を採取する日。湯樋にたまった湯の花をすくい取るとき、温泉に混ざって濁ります。
採取の日は決まっていませんが、湯畑源泉を引く宿や足湯もにごり湯になります。もちろんどんどん掛け流されるので、チャンスはわずか数時間だけ。この日に当たれば超ラッキー。湯畑のレア湯を楽しめます!
写真:湯川 カオル子
地図を見る千代の湯をはじめ、草津の共同浴場を利用する場合は、マナーを守って入りましょう。
・お風呂場に入るとき、出るときは、他のお客さんに挨拶を。
・タオルは絶対忘れずに(タオルがないと入れません)。
・湯舟に浸かる前に必ず掛け湯をする。掛け湯の時はお湯が飛び散らないよう座って行う。
・お風呂場から出るときは身体をよく拭いて、脱衣場の床を濡らさないこと。
・湯舟に注がれる温泉は常に出しっぱなし。止めてはいけません。
住所:群馬県吾妻郡草津町草津367-4
電話番号:0279-88-0800 草津温泉観光協会
営業時間:5:00〜23:00
休館日:年中無休(メンテナンスによる休館あり)
駐車場:バスターミナル横の湯畑観光駐車場などをご利用ください。
アクセス:湯畑の湯滝前より徒歩1分
2021年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
この記事を書いたナビゲーター
湯川 カオル子
北は北海道から南は鹿児島まで、温泉地を旅しています。とりわけ泉質は、酸性泉が大好きなので、草津温泉にはプチ湯治をしによく出没します。お勧め温泉情報や、B級グルメ、宿泊施設の紹介などを中心に記事を書きた…
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