サンローランの愛したマジョレル庭園は、マラケシュの楽園!(モロッコ)

サンローランの愛したマジョレル庭園は、マラケシュの楽園!(モロッコ)

更新日:2018/06/13 21:16

一番ヶ瀬 絵梨子のプロフィール写真 一番ヶ瀬 絵梨子 コムラード・オブ・チーズ
アフリカ随一の人気観光都市、モロッコ・マラケシュ。
世界遺産にも登録されている旧市街のフナ広場やスークが有名ですが、新市街にあるマジョレル庭園も訪れておきたい見どころのひとつです。
デザイナーのイヴ・サンローランが愛した場所としても知られ、マジョレルブルーと呼ばれる青が印象的な静かな庭園。
長旅に疲れた心身を休めるのにぴったりの場所です。

喧噪から一転、噴水が静かに迎えてくれるエントランス。

喧噪から一転、噴水が静かに迎えてくれるエントランス。

写真:一番ヶ瀬 絵梨子

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1920年代にフランス人画家のジャック・マジョレルが造園したマジョレル庭園。
彼の死後は荒れてしまっていたそうですが、1980年代にイヴ・サンローランとパートナーのピエール・ベルジュが買い取り、別荘として使用するようになったことで有名になりました。

エントランスにある噴水には控えめに水が流れており、庭園の外の喧噪が嘘のような静けさ。
噴水の奥は竹林で日陰になっているせいか、空気も少しひんやりしています。
モロッコの熱気でほてった身体が、徐々にクールダウンされていくのがわかるでしょう。

ラピスラズリのような鮮やかな青、マジョレルブルーに癒される。

ラピスラズリのような鮮やかな青、マジョレルブルーに癒される。

写真:一番ヶ瀬 絵梨子

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この庭園を造ったジャック・マジョレルはアールデコの画家でした。
アールデコの特徴は、ごく簡単に言うと幾何学模様や原色の対比。

この庭園は、ジャック・マジョレルが生み出したマジョレルブルーと呼ばれる青を基調に、黄色、緑、オレンジといった原色の植木鉢やタイルが組み合わされています。
まさにアールデコな場所と言っていいでしょう。

そして、そこに植えられている木々や色とりどりの花々、漏れてくる光、光が作り出す影。
独特の世界観でありながら、なぜか心が落ち着く不思議な庭園です。

青と黄色の対比が見事!直線が印象的なアールデコ風建築。

青と黄色の対比が見事!直線が印象的なアールデコ風建築。

写真:一番ヶ瀬 絵梨子

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庭園というからには見どころは庭なのですが、建物もまた美しくて印象的です。
定規で線を引いたようなデザインのこの建物は、青と黄色がくっきりと目立つ外壁に淡い色で繊細な装飾のポーチが組み合わされ、その絶妙なバランスに見とれてしまいます。

イヴ・サンローランはこの庭園を愛し、晩年をここで過ごしたとのこと。
この場所を終の棲家に選ぶトップデザイナーの美意識、常人には想像がつかない世界です。

庭園内の建物としては、ほかにカフェもあります。
旧市街に比べるとお値段は高めですが、そこで休憩するのも素敵ですね。

幾何学模様の空間を作りだす、大人の背丈より高いサボテン。

幾何学模様の空間を作りだす、大人の背丈より高いサボテン。

写真:一番ヶ瀬 絵梨子

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日本のサボテンは室内用の手軽な観葉植物というイメージですが、マジョレル庭園では大人の背丈よりも高いサボテンがたくさん植えられています。
空に向かって伸びていく大きなサボテン。お天気の良い日であれば、太陽が作り出すサボテンの影がアートな世界を生み出してくれるでしょう。

ちなみにモロッコでは、サボテンの実を食べることもできます。
街中のいたるところに売っていますし、種は多いものの意外とおいしいです。
水分補給にもなりますので、見かけたらぜひ試してみてください。
また、アルガンオイルに続くモロッコの美容アイテムとしてサボテンの種子オイルも注目を集めているそうです。おみやげ用に、こちらも要チェックですね。

庭園の奥にひっそりとたたずむ、イヴ・サンローランのモニュメント。

庭園の奥にひっそりとたたずむ、イヴ・サンローランのモニュメント。

写真:一番ヶ瀬 絵梨子

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21歳という若さでクリスチャン・ディオールの主任デザイナーに抜擢され、「モードの帝王」と呼ばれたイヴ・サンローラン。
成功の裏で孤独と闘い、神経衰弱や薬物依存に苦しんだことでも知られています。
2008年に71歳で没した彼の遺灰は庭園内に撒かれ、モニュメントも建てられました。
ここにマジョレルブルーはなく、緑の木々に囲まれてひときわ静かな空気が漂っています。

意外と好アクセス!フナ広場からタクシーで約10分♪

マラケシュの滞在時間が短い場合は、新市街へ行くのを諦めてしまう方も多いでしょう。
でも、フナ広場からマジョレル庭園まではタクシーで10分ほどなので意外と近いです。
また、お金と時間に余裕があるなら、フナ広場から馬車(クチ)で行くこともできます。
自力で値段交渉しなくてはなりませんし、乗り心地は決して良くはなく、しかもタクシーよりずっと高額という厄介な乗り物ですが、旅の思い出にはなります。

旅人を惹きつけてやまないエネルギッシュな街、マラケシュ。
フナ広場とスークの喧噪に少し疲れたら、ぜひマジョレル庭園へ行ってみてくださいね。

掲載内容は執筆時点のものです。 2012/10/09 訪問

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