尾崎紅葉執筆の宿!栃木・畑下温泉「清琴楼」で良泉を浴む

尾崎紅葉執筆の宿!栃木・畑下温泉「清琴楼」で良泉を浴む

更新日:2021/09/19 16:00

永澤 康太のプロフィール写真 永澤 康太 温泉旅行ライター
文学として評される作品の中には温泉地から生まれたものも多い。日本各地に文豪・俳人ゆかりの温泉や湯宿が見受けられ、とりわけ栃木県の塩原温泉郷は大勢の文筆家に言葉を綴らせた。尾崎紅葉も塩原で続々金色夜叉を執筆しており、その時に逗留したのが畑下温泉の佐野屋、現「金色夜叉起草旅館 清琴楼」(以下清琴楼)だ。物語にも反映された宿で、質の高い自家源泉が、おこもりにピッタリ!

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名作が生まれた畑下温泉「清琴楼」は建物に風格を宿す

名作が生まれた畑下温泉「清琴楼」は建物に風格を宿す

写真:永澤 康太

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塩原温泉郷は平安時代より続く渓間の古湯で、渓流沿いと山間部に合わせて十一もの温泉が湯煙を上げる。箒川が蛇行して半島の様に突き出た一帯から湧く畑下温泉もその一つであり、風格を帯びた「清琴楼」の建物群が旅人にご挨拶。川に架けられた吊り橋へ回ると分かるが、かなり規模の大きい宿となる。

名作が生まれた畑下温泉「清琴楼」は建物に風格を宿す

写真:永澤 康太

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重ねた月日が趣きを引き立てている本館は、明治元年築の貴重な木造建築。残念ながら宿泊は不可だが、見学は可能なのがポイント。ここの3階で尾形紅葉が原稿と向き合い、宿や塩原の情景を続々金色夜叉に描写した。

名作が生まれた畑下温泉「清琴楼」は建物に風格を宿す

写真:永澤 康太

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大正時代に入って建てられた棟が別館。現在はこちら側の玄関を使用し、山岸荷葉(尾崎紅葉の親友)直筆の屋号「清琴楼別館」を掲げるほか、尾形紅葉の胸像も立つ。高尚な宿に見えて、実は立ち寄り入浴や一人旅、休憩も受け入れるカジュアルさを併せ持ち、とても来館しやすくなっている。

客室は渋さ全開!明治〜現代がギュッと詰まった「清琴楼」

客室は渋さ全開!明治〜現代がギュッと詰まった「清琴楼」

写真:永澤 康太

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「清琴楼」は明治以降の各時代を反映した造りが随所に混在して、独特な空間を築いている。尾形紅葉のモザイク画が置かれたフロントはリフォームされ、レトロな品々と宿にまつわる歴史的資料を展示。加えて近隣の飲食店をまとめた手作り案内、電子レンジもあって、何かと便利だ。

客室は渋さ全開!明治〜現代がギュッと詰まった「清琴楼」

写真:永澤 康太

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宿泊は木造の別館と、昭和に増築された鉄筋の第2別館で承り、いずれの客室も箒川を望む(エアコンなし)。この渋くて時代を偲ばせる和の佇まいが、いかにも文豪方のおこもり先といった感じだ。またフリーWi-Fi、部屋付き冷蔵庫を有し、共同トイレには洗浄便座が設けてある。

続々金色夜叉のモデルにもなった!明治が生きる本館を歩く

続々金色夜叉のモデルにもなった!明治が生きる本館を歩く

写真:永澤 康太

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宿の役割を終えて久しい本館ではあるが、内装は明治期とほぼ変わらぬ木造の姿を留めていて、静かに見学者を待ち受けている。言うまでもなく歴史的価値は高く、見て回れば明治時代の時間軸に迷い込んだ様な不思議な感覚を抱くだろう。

続々金色夜叉のモデルにもなった!明治が生きる本館を歩く

写真:永澤 康太

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本館3階には尾崎紅葉の滞在した客室が「紅葉の間」として、関連資料と共に公開中だ。当時は誰も尾形紅葉だと気づかず、続々金色夜叉が掲載された際に分かった次第で、貫一が泊まった旅館のモデルとなったことにあやかり、佐野屋あらため作中で使われた宿の名「清琴楼」を屋号に据えた。

畑下温泉「清琴楼」は自家源泉!笹濁りの湯も熱めで良質!

畑下温泉「清琴楼」は自家源泉!笹濁りの湯も熱めで良質!

写真:永澤 康太

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続々金色夜叉で貫一が浸かり、作者の尾崎紅葉も入ったであろう畑下温泉の湯は今も健在。館内3つの内湯は湯温が63.4℃と高く加水しているものの、自家源泉が掛け流しで、泉質はナトリウム‐塩化物温泉になる。上記写真「ラッキー風呂」は笹濁りの湯で細かな沈殿物(湯の花)が多く舞い、肌にピリッと来る熱さも踏まえこれぞ良泉といった感じだ。なお、隣に貸切風呂もあって古いタイル造りの湯船を構える。

畑下温泉「清琴楼」は自家源泉!笹濁りの湯も熱めで良質!

写真:永澤 康太

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こちらの「静の湯」は石造りの湯船が何とも情緒的。床面や浴槽の縁が温泉成分によって茶色くコーティングされ、如何に「清琴楼」の持つ自家源泉は濃いかを物語っている。時間帯で「ラッキー風呂」と男女入れ替わるので、おこもりの際は、貸切風呂も含め雰囲気が違う3つの風呂を入り比べてみよう。

酒好きも多かった文豪方に乾杯!一献傾けたい宿の夕餉!

酒好きも多かった文豪方に乾杯!一献傾けたい宿の夕餉!

写真:永澤 康太

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どうせなら食事も宿に頼んで、おこもりスタイルへ身を任せるのも時には良いものだ。「清琴楼」は1日2組限定で2食付きプランを用意。主に栃木県産の物を扱った夕食は、どうにも酒が進みそうな品々で、別注文の地酒と併せて食せば一端の文豪気分が味わえる。

活力を取り戻す旅!畑下温泉「清琴楼」おこもり滞在のススメ

尾崎紅葉が塩原で執筆活動に専念出来たのは、「清琴楼」の良泉が明日への活力や気力を彼に与えていたからかもしれない、そう思わせる力をこの湯は持つ。何かと疲れやすい現代こそ、畑下温泉「清琴楼」へおこもり滞在に出掛け、風呂で一旦全部リセットすることをお勧めしたい。肌へ沁みる自家源泉はヴァイタリティの回復に最適だ。

<泉質、立ち寄り入浴について>
泉質:ナトリウム‐塩化物温泉(加水あり、加温・循環・消毒なし)
立ち寄り入浴:15:00〜18:00
料金:500円、要問合せ
一人旅OK

2021年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2021/04/13−2021/04/14 訪問

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