石垣島「米原ヤエヤマヤシ群落」でディープな魅力にはまってみよう!

石垣島「米原ヤエヤマヤシ群落」でディープな魅力にはまってみよう!

更新日:2021/08/05 15:22

菊池 模糊のプロフィール写真 菊池 模糊 旅ライター、旅ブロガー、写真家
亜熱帯のジャングルを歩いててみたいと思いませんか? そんなワクワクした探検気分を安全かつ手軽に味わえる場所が石垣島にあります。それが米原ヤエヤマヤシ群落。きわめて珍しい1属1種の天然記念物の美しい椰子が林立し、板状の根が発達したギランイヌビワという奇妙な大木にも出会えます。せっかく南の果ての石垣島に行くのなら、ここでしか見られないディープな世界を体験してみましょう!

昨今の状況により、施設等の営業日や営業時間などに変更が生じている場合があります。各種報道機関の発表、施設や各自治体のホームページなどで最新情報をご確認ください。また、Go To トラベルキャンペーンについては全国で一時停止となっています。お出かけの際はしっかりと新型コロナウイルスの感染予防および拡大防止対策をして行動しましょう。(トラベルjp)

ヤエヤマヤシ群落の入り口

ヤエヤマヤシ群落の入り口

写真:菊池 模糊

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石垣島の北西海岸米原地区に天然記念物ヤエヤマヤシ群落があります。園芸植物大事典によれば「世界でもっとも美しいヤシ」と呼ばれているとのことで、独特の観光スポットになっています。

写真のように79号線道路に大きな看板が掲げられて分かりやすく、安全な探勝ルートが整備されており、老若男女誰でも簡単にディープなジャングル探検気分を味わえるのです。一部の定期観光バスのコースにも含まれていますので、ぜひ訪問してください。

ヤエヤマヤシ群落の入り口

写真:菊池 模糊

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ヤエヤマヤシ群落の入り口には、中央に駐車場、右側にトイレ、左側に米原海塩をはじめとする名物を提供している売店があります。この店では、かき氷、さとうきびジュース、マンゴージュース、スナックパイン、ドラゴンフルーツなどの野趣あふれるスイーツも充実していますので、ぜひ味わってください。

ヤエヤマヤシ群落の入り口

写真:菊池 模糊

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ヤエヤマヤシ探勝コースは入場無料で、写真のような石畳のルートをゆっくりと10分ほど周遊します。貴重な天然記念物ヤエヤマヤシが保護されている場所ですので、コース以外はジャングルの中に入らないようにしてください。もちろん天然記念物指定であり西表石垣国立公園の特別保護地区でもあることから、一切持ち帰ることはできません。

ヤエヤマヤシ探勝コース

ヤエヤマヤシ探勝コース

写真:菊池 模糊

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ヤエヤマヤシは石垣島と西表島だけに棲息する固有種で、1属1種の貴重な植物です。羽状複葉の大きな葉をつけ、樹高は25mにも達する大型ヤシで、まっすぐ佇立する鑑賞価値も高いもの。日本で三ヶ所しかない自生地ではすべて国の天然記念物に指定されています。

探勝コースの奥はヤエヤマヤシのジャングルになっています。ヤエヤマヤシの若木は、写真のように赤っぽい根が籠のように幹を包む独特の形をしており、探勝コースの奥下部で詳しく観察できます。

ヤエヤマヤシ探勝コース

写真:菊池 模糊

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さらに進むと大きなヤエヤマヤシの巨木が見えてきます。その真っすぐに天に向かうフォルムは美しく、天辺近くに90対以上の小葉からなる大きな羽状複葉が見えます。空をバックに逆光気味になるので写真を撮る際にはプラス側に露出補正をしてください。

ヤエヤマヤシ探勝コース

写真:菊池 模糊

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探勝コースの終点では、真上にヤエヤマヤシが聳え立っています。大きな木は確かに25mほどありそう。振り仰ぐと首が痛くなるような気分。非常に高い所に手を広げたような椰子の葉がズラリと並んでおり、まるで椰子の木のジャングルワールドに迷い込んだようです。

ギランイヌビワの不思議な生態

ギランイヌビワの不思議な生態

写真:菊池 模糊

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ヤエヤマヤシのジャングルを探勝すると、他の珍しい植物にも出会います。そのひとつがギランイヌビワ(宜蘭犬枇杷)。巨大な板根が発達し、太い幹の巨木を支えています。

ギランイヌビワは、八重山から東南アジアに分布するクワ科イチジク属の高木です。イチジク(無花果)類は花が咲かず果実の内部に花嚢を持ち、各イチジク種に専門のコバチ(小蜂)を共生させており、その専用コバチに果実内で受粉させ実ります。植物と昆虫の驚異の共進化の関係が見られます。

ギランイヌビワの不思議な生態

写真:菊池 模糊

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ギランイヌビワの実は、太い幹から直接垂れ下がり異様な雰囲気に驚かされます。また、この太い幹や板根には、緑の苔類がまだらに覆っており、たまにキノボリトカゲが這い回り、全体的に不思議な雰囲気を漂わせる大きな木です。

ギランイヌビワの不思議な生態

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ギランイヌビワの実は周辺にたくさん落ちており、詳しく観察することができます。割れている実を見ると確かにイチジクそっくりで、美味しそうです。

この実は、植物食でフルーツバットの一種ヤエヤマオオコモリの大好物です。ギランイヌビワは、オオコモリに食べてもらい、種子を散布し分布を広げているわけですね。コウモリ類は暗くなってから活動するので、なかなか遭遇確率は低いですが、運が良ければヤエヤマオオコモリを見ることもできます。

外側からヤエヤマヤシ群落を観察

外側からヤエヤマヤシ群落を観察

写真:菊池 模糊

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ヤエヤマヤシのジャングル探勝コースから戻り、駐車場右側にあるサタケ八重山ヤシ記念館への道を歩きます。群落を少し離れると、パイナップル畑が広がり、その後方に遠景のヤシ林が見えます。

外側からヤエヤマヤシ群落を観察

写真:菊池 模糊

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このあたりは、横側から斜面に直立するヤエヤマヤシもよく見え、その生態を観察できる場所です。立地が不安定で普通の常緑樹が生えにくい場所だからこそ、高く伸び大きな葉で天辺を覆うヤエヤマヤシの樹林が成立したようです。

ヤシは現生の単子葉植物としては珍しく大木になり、茎は木質化し高く成長するものが多く、南国的風景に趣をもたらすとともに、葉や実が利用される実用的な植物です。ヤエヤマヤシは、茎の頂部に葉が集まり、成長すると下部の古い葉が落ちていくので、真っすぐ幹がそびえるのです。それがよく分かる景観です。

外側からヤエヤマヤシ群落を観察

写真:菊池 模糊

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後方には山がそびえ、中腹付近にヤエヤマヤシが集中して繁茂していることが分かります。ほぼヤエヤマヤシの純林になっており、こういう椰子だけの原生林の広大な風景が見られるのは、日本ではここだけだと思われます。

周辺のスポット

周辺のスポット

写真:菊池 模糊

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近くにヤエヤマヤシのミュージアム「サタケ八重山ヤシ記念館」がありますので余裕がある方はぜひ見学してください。ヤエヤマヤシの新種登録エピソードを展示する「サタケンチャゾーン」が面白く、ヤエヤマヤシ独特の茎葉の現物模型もあり分かりやすい博物館になっています。

なお、サタケンチャとはヤエヤマヤシが新種であることを発見したヤシ研究の権威 佐竹利彦氏にちなんだもので、ヤエヤマヤシの学名 Satakentia liukiuensis(サタケンチャ リュウキュウエンシス)からきています。

<サタケ八重山ヤシ記念館の基本情報>
住所:沖縄県石垣市字桴海554番地
電話番号:0980-84-4568
開館時間:9時〜17時
入館料:300円(小学生以下無料)

周辺のスポット

写真:菊池 模糊

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ヤシ記念館の下側周辺は植物園のような公園になっており、興味深いものです。ヤエヤマヤシのみならず、パパイヤ(写真参照)やセンダンなどの亜熱帯らしい樹木が植えられており、詳しく観察できます。

周辺のスポット

写真:菊池 模糊

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この付近はやや開けた自然公園ともいえ、野鳥や蝶などが多く見られます。写真はズグロミゾゴイ(Gorsachius melanolophus)の若鳥で、日本では石垣島、西表島、黒島の三島でしか繁殖しない南方系の鳥です。ゆっくりとした動作なので、写真撮影も可能です。

このようにヤエヤマヤシ群落周辺は、亜熱帯らしい種々の動植物が観察できますので、時間の許すかぎり存分に楽しみましょう。海側には青の洞窟というシュノーケリング&ダイビング"スポットがあり、グラスボートが人気の川平湾からも割と近いので、いろいろ工夫して観光してください。

米原ヤエヤマヤシ群落の基本情報

住所:沖縄県石垣市桴海546
アクセス:
(レンタカーまたはタクシー)
新石垣空港からで約25分
市内中心部から約30分
(バス)
市内中心部のバスターミナルから約50分
※本数が少ないので注意して計画利用してください。バス1日フリーパス(1,000円)を購入し川平湾観光などと組み合わせて利用するのがお得です。
入場無料、無料駐車場、トイレあり

2021年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2020/12/25−2020/12/26 訪問

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