富津公園へは、JR内房線の青堀駅が最寄り駅。東京駅からの場合、電車で約1時間50分、高速バスは約1時間20分です。駅からは富津公園行きの路線バスに乗り換え、10分ほどで到着です。お車の場合、東京湾アクアラインから館山自動車道の木更津南ICを利用し、約20分で到着します。富津公園バス停の正面にある富津公園第1駐車場には、「富津岬 戦争遺構ガイド」の看板が立てられています。
緑豊かな公園には、お堀に囲まれた「中の島」があります。ここは「富津元洲堡塁砲台」の跡地で、8か所の砲座跡があります。明治時代には陸軍の歩兵中隊400名以上が配置されていました。その後、軍事技術が進むにつれて砲台は最新の設備ではなくなり、大正時代以降、この一帯は大砲や射撃の試射場となりました。
写真:カノオミツヒサ
地図を見る中の島の東部にあるのが弾薬庫跡です。レンガが積まれた小さな部屋の中に、武器弾薬が保管されていました。また、内部には伝声管(金属管などを用いた通話装置)があり、各部署と連絡をとっていたと考えられています。電話や無線などがまだ未発達だったころ、兵士たちはどんな会話をしていたのでしょうか。
中の島からお堀をはさんだ南側には、「監的所(かんてきじょ)」があります。砲台から放たれた火砲の命中試験の際には、この「監的所」の観測窓から着弾の様子を確認し、命中精度を測っていました。ほとんど当時のままの姿で残されており、全国的にも珍しい貴重な遺構です。
写真:カノオミツヒサ
地図を見るこちらは富津公園ジャンボプール近くにある監的所。さきほどのものとは違い、地中に潜り込むようになっています。『機動戦士ガンダム』に登場するモビルスーツのような外観です。砲弾の爆風を受けていた施設ですが、その役目を終えた今ではすっかり木々に囲まれてしまっており、まるで時が止まってしまったかのようです。
写真:カノオミツヒサ
地図を見る監的塀は、左右一対になっている鉄筋コンクリート製の防弾壁です。ここから50メートル先にある射入窖(しゃにゅうこう)に向けて、水中弾などを試射し、中央の観測窓から速度や威力を確認していました。
トンネルのような形をしている射入窖。内部の壁の厚さが約130cmあり、鉄板の貫通試験など、監的塀から放たれる弾丸の威力を測っていました。公園内はとても静かで、聞こえるのは鳥の声くらいですが、当時は試射の轟音が響いていたことでしょう。
ジャンボプールや潮干狩りで遊べるほか、キャンプ場もある富津公園。ヘリテージングツアーはそこに新たな魅力を加えています。遺産のひとつひとつは、公園を歩いているだけでは少し見つけにくい場所にあります。しかしその分だけ、発見した時の感動があります。毎日新聞社のヘリテージング100選に選ばれた富津公園で、宝探しをするように、公園内を探索してみてください。
また、富津公園管理事務所に事前予約をすれば、ガイド付きツアー(5名様以上、おひとり様350円〜)に参加できます。詳しい説明を聞きながら、巡ってみてはいかがでしょうか?
みなさまもぜひ、富津公園で数々の遺産を発見してみてください。
住所:千葉県富津市富津2280(富津公園管理事務所)
電話番号:0439-87-8887(富津公園管理事務所)
アクセス:JR内房線・青堀駅から路線バス約10分
2021年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
この記事の関連MEMO
この記事を書いたナビゲーター
カノオミツヒサ
はじめまして。カノオです。普段は自家製キャラクターのペンギンたちを引き連れて、都内各所のエリアガイドを作成しています私のテーマは「安・近・短」です。東京近郊の、安くて楽しめるスポットをご紹介します。遠…
トラベルjpで250社の旅行をまとめて比較!
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索