『おぢいさんのランプ』を執筆!安城市「新美南吉の下宿先」

『おぢいさんのランプ』を執筆!安城市「新美南吉の下宿先」

更新日:2021/07/13 15:24

カジヤマ シオリのプロフィール写真 カジヤマ シオリ ヨーロッパ女子ひとり旅専門家、アートライター
童話作家として戦前に活躍し、1943年に29歳の若さで亡くなった新美南吉。出身地は愛知県半田市ですが、女学校の先生をしていた時期は愛知県安城市で下宿していました。南吉が3年半のあいだ暮らした下宿先は、安城市内に今も残っています。当時の雰囲気を残し、のんびりとした時間の流れる場所です。

『おぢいさんのランプ』『花のき村と盗人たち』などが生まれた南吉の下宿先を訪れ、作品に思いを馳せてみませんか。

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暮らしていた当時の面影を残す下宿先

暮らしていた当時の面影を残す下宿先

写真:カジヤマ シオリ

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1913年に半田市に生まれた新美南吉。幼少期から作家になることを夢見て、職を転々としながら創作活動を続けていました。29歳の若さで亡くなったため、数は多くないものの『ごんぎつね』や『てぶくろをかいに』など、作品は現代でも多くの人に親しまれています。

生まれつき病弱なうえ、激務で頻繁に体調を崩していた南吉。恩師の働きかけもあり、1938年4月に安城高等女学校で職を得ました。当初は半田市から安城市へ電車で通っていましたが、1939年には安城市の大見家で下宿生活を始めます。

南吉が安城市にあるこの下宿先で暮らした約3年半は、童話作品を数多く残し、心身ともに充実していた時期だと言われています。安城市は南吉の夢がかなった街として、下宿先をはじめとするゆかりの場所があちこちに残っています。

『おぢいさんのランプ』『花のき村と盗人たち』などの名作が誕生

『おぢいさんのランプ』『花のき村と盗人たち』などの名作が誕生

写真:カジヤマ シオリ

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南吉は下宿していたこの8畳の部屋で、教職のかたわら、作品の構想を練っていました。『おぢいさんのランプ』や『花のき村と盗人たち』などの名作を執筆したのはこの部屋でのこと。

天井や雨戸は南吉が暮らした当時のまま、ゆったりとした時間が流れます。現在も自由に見学でき、写真撮影も可能です。南吉がしていたように縁側に腰掛けたり、窓辺で机に向かったりして、作家になったような気分を過ごせますよ。南吉作品のファンにとってはたまらない、まさに聖地のような場所です。

『おぢいさんのランプ』『花のき村と盗人たち』などの名作が誕生

写真:カジヤマ シオリ

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ふたたび体調を崩し、教職を辞めた南吉がここを去ったあと、下宿先として使われることはありませんでした。一時は農機具小屋や洋間になったこともありましたが、南吉の生誕100年を機に大家さんが改装を決意。床もフローリングから畳張りの状態に戻り、現在は、南吉が暮らしていた当時の姿に近い形に。

『おぢいさんのランプ』『花のき村と盗人たち』などの名作が誕生

写真:カジヤマ シオリ

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庭には南吉も使っていたという井戸やトイレも残されています。トイレと下宿先の距離はほんのわずかですが、夜に用を足しに行くのは怖かったと自身の日記に書き残しています。

日記にも記された下宿先

日記にも記された下宿先

写真:カジヤマ シオリ

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下宿先の目の前には、大家さん家族が暮らす母屋が。南吉は、母屋で暮らす大家さん家族をモデルにした詩を残しています。縁側に腰をかけ、子どもの声を聴きながら構想を練ったのかもしれません。

下宿先の大家さんとは頻繁な交流はなかったものの、お土産を渡しあったり、体調の悪いときはおかゆを差し入れてもらったりして、ちょうどよい距離感を保って暮らしました。

日記にも記された下宿先

写真:カジヤマ シオリ

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また、1941年に南吉が手掛けた伝記小説『良寛物語 手毬と鉢の子』発行の折、南吉自ら印を押した本を大家さんのもとへ手渡ししています。「これでようやく親孝行ができる」と喜んで報告していました。このようなエピソードは、当時の大家さんの孫にあたる大見さんご夫婦から聞くことができます。

きつねの足跡をたどりながら、下宿先へ

きつねの足跡をたどりながら、下宿先へ

写真:カジヤマ シオリ

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南吉の下宿先へ車で向かう際は、すぐそばにある新田ふれあい広場(無料)の駐車場を利用しましょう。広場から下宿先までは、きつねの足跡をたどりながら向かいます。

道路に点々と続く、オレンジ色の足跡。『ごんぎつね』や『てぶくろをかいに』など、南吉の作品にはきつねがよく出てきます。まるで南吉作品のきつねのように、小さくてかわいい足跡です。足跡の先には、南吉の下宿先の看板が立っています。

きつねの足跡をたどりながら、下宿先へ

写真:カジヤマ シオリ

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また、JR安城駅や名鉄南安城駅から歩いてアクセスも可能。下宿先までの道順に案内看板も3カ所設置されているので、見つけながら向かってみてくださいね。

南吉の下宿先の基本情報

住所:愛知県安城市新田町出郷37
電話番号:0566-76-6111(安城市役所アンフォーレ課まちなか連携係)
開館時間:10:00〜15:00
休館日:年末年始
見学料:無料。見学自由ですが、大人数での見学や、大家さんご夫婦から案内や説明を希望する場合は事前に安城市役所アンフォーレ課まちなか連携係へご連絡ください
アクセス:JR安城駅から徒歩15分
あんくるバス東部線「新田」または「東新町」バス停から徒歩8分

2021年7月現在の情報です。最新情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2021/06/20 訪問

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