写真:成瀬 康子
地図を見る横尾忠則氏は1936年に兵庫県西脇市で生まれました。デザイナーとして活動を始め、グラフィック・デザイナー、イラストレーターとして注目されていきます。
その後、1980年にニューヨーク近代美術館で大規模なピカソ展を見たのをきっかけに、画家として本格的な活動を開始。コラージュなどの技法を駆使し、自身の体験や自然、伝説、物語など様々な事象をモティーフとした作品を発表していきます。
海外の美術館にも作品が収蔵されるなど国際的にも評価が高く、国内では2012年に横尾忠則現代美術館(兵庫県神戸市)、2013年に豊島横尾館(香川県豊島)が開館しています。
写真は本展覧会の展示風景、〈神話の森へ〉。
写真:成瀬 康子
地図を見るいつから自分が画家になったのか分からない、と話す横尾氏の60年以上にも及ぶ制作活動が、15のコーナーに分けて紹介されています。その中でも特に見所と言えるコーナーをご案内していきましょう!
有名なY字路をモチーフにした作品をまとめた〈Y字路にて〉 、デザイナー時代の作品を紹介する〈越境するグラフィック〉、新作を含むもっとも最近の作品による〈原郷の森〉も見逃せません。
そして写真の赤い絵画の連作〈死者の書〉。横尾氏は、幼い頃より漠然と死への不安、そして興味を持っていました。また、9歳の時空襲で赤く染まった神戸の空を見た体験は、赤い絵画の連作へと繋がっていきます。〈死者の書〉は、特に横尾ワールドを理解するのに欠かせないコーナーと言えるでしょう。
写真:成瀬 康子
地図を見る写真の〈滝のインスタレーション〉は、氏が滝の絵を制作する為に集めた一万枚以上の滝の絵葉書の、なんと〈供養〉として制作された作品。中に入って体感出来ます。
迫力に圧倒されて中に入るのを躊躇するかもしれませんが、宇宙を意識した神秘的な空間は圧巻ですよ!
写真:成瀬 康子
地図を見る〈アーカイヴ〉(写真)には、氏が5歳の時に描いた「宮本武蔵」の挿絵模写、デザイナーへと道を進めるきっかけとなったポスター「織物祭〈西脇市〉」など、普段なかなか目にできない資料が展示されています。ここでは会場で感じた横尾氏とはまた違う、氏の別の一面も垣間見られます。
写真:成瀬 康子
地図を見る〈WITH CORONA(WITHOUT CORONA)〉(写真)は、展覧会会場ではなく、ミュージアムショップ脇のホワイエに展示されているので見逃さないように!
こちらは、自身の作品や写真などにマスクをコラージュした作品群で現在進行形。ネガティブイメージをポジティブに変換する試みでもあります。コロナ禍、という世界を揺るがした状況を経験している私達だからこそ、共有・共感出来るのでは?
ここでは写真撮影が可能です!
写真:成瀬 康子
地図を見る展覧会ショップで購入出来る、その独創的な発想から生まれたオリジナルグッズの数々からも目を離せません!
クリアファイルやマスキングテープは勿論、マスクをした横尾氏のマスコット人形も可愛い!また、横尾氏の作品も収蔵しているニューヨーク近代美術館のポスターをモチーフにした、この「EYE and MOUTH まんじゅう」は、もうまんじゅうではなく作品のよう!もったいなくて食べられないかも。
本展覧会では、横尾氏の幼い頃の作品から現在進行形の作品までもが紹介されているので、この展覧会を観れば横尾忠則の全てが分かる!と言っても過言ではありません。初めて彼の作品を鑑賞する人も、もう何度も観ているという人も、新たな発見と共に楽しめるでしょう。
実際に作品を鑑賞する楽しみを奪わないように、敢えて一部のみご紹介しましたが、コロナ禍でモヤモヤした日々を余儀なくされている今だからこそ、お薦めしたい展覧会です。
東京都現代美術館の情報は、この記事の関連MEMOをご参照ください。
2021年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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