写真:雲本 らて
地図を見る羽村市の西部に位置する水田地帯は、昔から「根がらみ前水田」と呼ばれています。最寄り駅はJR青梅線・羽村駅で、駅からなら徒歩20分ほどの場所にあります。
約6ha(ちなみに東京ドームは約4.7ha)もの広大な水田地帯で、チューリップや大賀ハスなど季節ごとに咲く植物が変わり、訪れる人を楽しませてくれます。
また敷地内には「チューリップ公園」と書かれた案内看板があるとおり、4月上旬から下旬にかけてはあたり一面、チューリップが咲き誇り、それにあわせて「チューリップまつり」などの催しも開かれるなど地域の観光名所としても知られています。
写真:雲本 らて
地図を見る「雨乞坂」はそんな根がらみ前水田に隣接して存在しています。坂下の根がらみ前水田から南西側に上る坂道です。坂名については、現地に雨乞坂と書かれた古い案内看板があるだけのため、詳しい由来はわかりません。
ちなみに雨乞街道とは、夏の日照りが続くと、このあたりの住民が裸でこの街道を通り抜け、木製の龍頭を丸山下にある淵に沈めて雨乞いをしたという言い伝えの残る道のことで、現地にも案内看板があります。
写真:雲本 らて
地図を見るまた雨乞坂からは、根がらみ前水田を一望できます。そのため別名で「田んぼ坂」とも呼ばれているそうです。
とにかくこの坂道からならすこし高い位置からの水田風景が楽しめますし、特にチューリップが咲いている時期などはさらに印象的だと思います。根がらみ前水田を訪れたときは雨乞坂のことも思い出してみてください。
<雨乞坂の基本情報>
住所:東京都羽村市羽中4丁目
アクセス:JR青梅線・羽村駅より徒歩17分
写真:雲本 らて
地図を見る「間の坂(あいの坂)」は根がらみ前水田の北側に位置し、水田から北側に上っている坂道です。雨乞坂ほどではないですが、坂道からは根がらみ前水田もみることができます。
坂名については、中世の豪族三田氏と小宮氏が、この坂を領地の境としたところから「あいのさか」と呼ばれるようになったという説が有力です。また坂の石垣からはいつも清水が湧いていて, カニやイモリがいたり, ドジョウものぼってくる沢だったことから別名で「沢の坂」とも呼ばれていたそうです。
なお現地には、坂名の由来が書かれた案内看板もあります。
写真:雲本 らて
地図を見る間の坂の坂上には間坂交差点があり、そこから北側に向かう道には「間坂街道」という名前がつけられています。勾配的にも南から北に向かって上っている坂道になっていて坂道マニアの心をくすぐる道でもあります。
大昔は「間の坂」の一部だったのかもしれませんし、もしかしたら間の坂とはなんの関係もない道かもしれませんが、とにかく微妙に名前の違う道路がつながっているということは興味深いことかもしれません。
ちなみに間の坂は、のちに「まざか」とも呼ばれるようになり、このあたりの間坂集落の地名になったともいわれているので、もしかしたらこの間坂街道はそのことが由来になっているのかもしれないですが、そこのところは想像レベルの話ですので、みなさんのご想像におまかせします。
<間の坂の基本情報>
住所:東京都羽村市羽中4丁目と羽村市羽加美4丁目の間
アクセス:JR青梅線・羽村駅より徒歩20分
写真:雲本 らて
地図を見る根がらみ前水田の南側を多摩川が流れています。ですので時間があれば根がらみ前水田を訪れたついでに多摩川散歩もできます。
ちなみに多摩川と根がらみ前水田の間には「大正土手」という大規模な土手があります。明治末期に2回にわたって洪水でこのあたりが水没したことから、大正2年(1913年)に工事を着手し、大正12年に完成したものです。大正土手という名前は大正時代につくられたということでそう呼ばれています。
なおこの土手は、平成6年(1994年)に新たに改修工事が行われ、桜並木が一新されたため、春になると壮観な桜の景色も楽しめます。
今回は、季節折々の水田風景も楽しめる根がらみ前水田とあわせて歩いてみたい雨乞坂や界隈の史跡などについて取り上げてみました。根がらみ前水田は地元の方が農作業していることもありますが、地域の観光スポットということもあり開かれた雰囲気があり、イベント時以外でものんびりと散策できますし、都内でも珍しい場所だと思います。ぜひ一度足を運んでみてください。
2021年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/12/14更新)
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