古代遺産が鮮やかに残る!南イタリアの古都「ベネヴェント」

古代遺産が鮮やかに残る!南イタリアの古都「ベネヴェント」

更新日:2021/08/25 15:53

橘 凛のプロフィール写真 橘 凛 ライター、エッセイスト
イタリア南部のカンパニア州には、州都であるナポリをはじめ、ポンペイ、カプリ島やアマルフィなど世界的に有名な観光地が集まっています。ナポリの北東約70キロに、ローマ帝国時代以前からの長い歴史を持つ「ベネヴェント」という古都があります。アッピア街道の分岐点としての地の利を生かし、古来から繁栄してきたベネヴェント。古代からの遺産が街の至る所に見られる魅力的なこの小都市をご紹介します!

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アッピア街道の歴史を物語る「トラヤヌスの凱旋門」

アッピア街道の歴史を物語る「トラヤヌスの凱旋門」

写真:橘 凛

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ベネヴェントは、アッピア街道と呼ばれる、古代ローマ時代に建設された、ローマから南イタリアに至る街道沿いの重要都市として栄えてきました。ベネヴェントの中心地にあるのが、「トラヤヌスの凱旋門(Arco di Traiano)」です。西暦114年に建てられたという威風堂々たる凱旋門です。

ローマ帝国を絶頂の繁栄に導き、「至高の皇帝」と呼ばれたトラヤヌス帝の名を冠しているのは、その街道を建設したトラヤヌス帝を讃えるためです。アッピア街道のうちトラヤヌス街道の開通を記念しています。カンパニア地方で最も保存状態の良い状態で残されているローマ時代の建築物のひとつとされています。

アッピア街道の歴史を物語る「トラヤヌスの凱旋門」

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紀元前のベネヴェントは、サムニウム人と呼ばれる部族の中心都市として発展しており、「マレウェントゥム(Maleventum)」という名で呼ばれていました。その後、サムニウム人はローマ人と戦争を経て敗北。マレウェントゥムはローマ帝国の都市となります。

しかしイタリア語には、マーレ(male)という言葉に「悪い」という意味があるので、逆に「良い」という意味を持つベーネ(bene)に改め、「ベネウェントゥム(Beneventum)」と呼ばれるようになったということです。
凱旋門は夜間はライトアップし、周囲の飲食店に集まる人々が賑やかに過ごす、憩いの場となっています。

アッピア街道の歴史を物語る「トラヤヌスの凱旋門」

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<トラヤヌスの凱旋門の基本情報>
住所:Via Traiano, 82100 Benevento BN
アクセス:ベネヴェント駅(写真参照)から徒歩約20分

当時の雰囲気をそのまま残す「ローマ劇場」

当時の雰囲気をそのまま残す「ローマ劇場」

写真:橘 凛

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街の西側にあるローマ円形劇場(Teatro romano di Benevento)は、ローマ帝国時代の影響を色濃く残す建築物として、非常に見応えがあります。2世紀前後にハドリアヌス帝が建設・その後カラカラ帝により修復されたと言われています。

この劇場の形は、ローマ帝国時代の典型的なモデルを表しており、劇場は3階建てで、直径100メートル近くあり、最大2万人も収容できるキャパシティがありました。

当時の雰囲気をそのまま残す「ローマ劇場」

写真:橘 凛

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劇場の保存状態は良く、現在でも夏場の野外劇場としてコンサートやオペラなどが時折開催されています。2千年近く前から現存する劇場で、今も同じように楽しめるなんてとても贅沢ですね。

街の中心地から歩いて行った場合、Via Teatro Romanoの方に行ってしまいますが、劇場への入り口はVia Port’Arsa/Piazzale Ponzio Telesino側になりますので、ご注意ください。

当時の雰囲気をそのまま残す「ローマ劇場」

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<ローマ円形劇場の基本情報>
住所:Piazza Ponzio Telesino, 82100 Benevento BN
電話番号:+39-082-447213
アクセス:
ベネヴェント駅から徒歩約20分
ベネヴェント・アッピア(Benevento Appia)駅から徒歩約7分

研究が進む考古学遺跡「サクラメント門」

研究が進む考古学遺跡「サクラメント門」

写真:橘 凛

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ローマ劇場の近くに、2世紀前後建築のサクラメント門(Arco del Sacramento)と周辺の考古学地区(Area archeologica del Sacramento)があります。

ローマには、コロッセオのそばに「フォロ・ロマーナ」という遺跡がありますが、こちらもサクラメント門を入ったところに、古代ローマ時代のフォロの一部が残っています。フォロとは、当時の都市の中心にあった、人々が集う大きな広場を意味します。

研究が進む考古学遺跡「サクラメント門」

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周囲は住宅地が広がっており、まさにその中にそのまま遺跡があるという風情です。遺跡内は整備されたスロープが通っているので、中に入って全体を見て回ることができます。

研究が進む考古学遺跡「サクラメント門」

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<サクラメント門の基本情報>
住所:Via Carlo Torre, 13, 82100 Benevento BN
アクセス:ベネヴェント駅から徒歩約20分

大理石が美しい「ベネヴェント大聖堂」

大理石が美しい「ベネヴェント大聖堂」

写真:橘 凛

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ベネヴェントの主要な礼拝所である「ベネヴェント大聖堂(Cattedrale metropolitana di Santa Maria de Episcopio)」の起源は7世紀初頭です。大聖堂は大司教の宮殿と一体になって広場を見下ろし、圧倒的な存在感を放っています。

大理石が美しい「ベネヴェント大聖堂」

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長い歴史において、地震などの被害もあり、改築を繰り返されてきたので、大聖堂の内外に統一された様式はありません。が、830年頃に造られたとされる特徴的な柱は、第二次世界大戦下、連合国による爆撃によってほぼ全壊するまで、そのままの姿を留めていました。大聖堂は戦後、見事に再建されています。

大理石が美しい「ベネヴェント大聖堂」

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<ベネヴェント大聖堂の基本情報>
住所:Corso Garibaldi, 211, 82100 Benevento BN
電話番号:+39-082-4323345
アクセス:ベネヴェント駅から徒歩約15分

ベネヴェントで人気のピッツェリアをご紹介!

ベネヴェントで人気のピッツェリアをご紹介!

写真:橘 凛

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最後に、ベネヴェントを訪れたからには行っていただきたい、おすすめレストランをご紹介しましょう。トラヤヌスの凱旋門からも近い「ラ・パンパニーニ(La Pampanini)」は、地元っ子にも大人気のピッツェリアです。

ベネヴェントで人気のピッツェリアをご紹介!

写真:橘 凛

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まずは、形が小さなオレンジに似ていることから「アランチーニ」(イタリア語で「小さなオレンジ」)と呼ばれる、この地方ならではのライスコロッケをアンティパスト(前菜)にいかが?日本人の口にもぴったり合う、トマトソースやチーズが絡みあう絶妙な美味しさです。

ベネヴェントで人気のピッツェリアをご紹介!

写真:橘 凛

写真は、南イタリア特産の辛いサラミであるンドゥヤや、黄色いトマトをトッピングした名物ピッツァです。ドルチェ(デザート)には、ナポリ名産のババをぜひ御賞味あれ!

<ラ・パンパニーニの基本情報>
住所:Via S. Pasquale, 8, 82100 Benevento BN
電話番号:+39-082-447967
アクセス:ベネヴェント駅から徒歩約20分

ナポリからベネヴェントへ日帰り旅行してみませんか?

他にも、世界遺産に含まれるサンタ・ソフィア教会や、街にまつわる魔女伝説など、ベネヴェントの魅力はまだまだあります。アクセスは、ナポリ中央駅から各駅停車のRegionare(R)に乗車し、ベネヴェント駅まで約2時間で到着します。車では、A16/E842経由で約1時間15分です。ナポリからは日帰り可能なので、南イタリアを訪れた際はぜひご検討ください!

2021年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2021/07/29 訪問

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