琵琶湖を見渡す絶景!高島「リトル比良」縦走登山を楽しもう

琵琶湖を見渡す絶景!高島「リトル比良」縦走登山を楽しもう

更新日:2021/09/14 13:14

土庄 雄平のプロフィール写真 土庄 雄平 山岳自転車旅ライター・フォトグラファー
滋賀と京都を隔てるように位置する比良山地。標高1000mを超える峰々で形成されていますが、その北側に「リトル比良」と呼ばれるエリアが存在します。これは比良山地より小さな峰々(標高700m前後)をつなぐ縦走ルート。高島山岳協会によって整備されている登山道です。標高は低いものの、登り応えがあり、みるみる変わる景色が魅力。琵琶湖を見渡す展望ポイントも充実しています。地元ハイカーが愛する名コースをご紹介。

楊梅の滝を目指してリトル比良の稜線へ

楊梅の滝を目指してリトル比良の稜線へ

写真:土庄 雄平

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リトル比良は湖西(琵琶湖の西側)にある小さな山脈を歩くコース。ここにはJR湖西線が通っており、往路は登山をして、復路は電車でスタート地点に戻ってくるのが一般的です。

今回は北小松→近江高島の順序で紹介します。

まずJR北小松駅から比良げんき村を通過し、楊梅の滝を目指しましょう。標準タイムは徒歩40分ほど。滋賀県内では1位とされる総合落差76mの滝は圧巻です!

楊梅の滝を目指してリトル比良の稜線へ

写真:土庄 雄平

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楊梅の滝を過ぎたら、いよいよ本格的な登山道の始まりです。涼峠・寒風峠という2つの峠を目指して歩いていきます。滝から涼峠まで約20分、寒風峠までさらに約30分ほどみておくと良いでしょう。

基本的に展望は開けていませんが、奥にそびえるヤケオ山の山容が見事。寒風峠の直前にある湿地帯も、まるで日本庭園のような趣があります。

楊梅の滝を目指してリトル比良の稜線へ

写真:土庄 雄平

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寒風峠まで来ると、いよいよリトル比良のメインである稜線へ。まずは一つ目のピークである「滝山」を目指して歩きましょう。そこから鵜川越えから岩阿闍梨山(いわあじゃりやま)、オウム岩へと繋いでいきます。

稜線は小刻みのアップダウンに富んだ歩き応えのあるコース。相変わらず展望はありませんが、手つかずの自然をゆく風情が味わえます。

なかなか応える登山道を満喫し鵜川越えへ

なかなか応える登山道を満喫し鵜川越えへ

写真:土庄 雄平

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年間を通じて多くのハイカーが訪れる「リトル比良」ですが、中でも人気が高いのが秋です。その理由は、この紅葉のトンネル。落ち葉を踏みしめながら、色鮮やかな原生林に目を奪われる。11月上旬だけ満喫できる至福の時間です。

そして寒風峠から約30分ほどで「滝山」へ到着。リトル比良で最も高い、標高703mの峰になります。

なかなか応える登山道を満喫し鵜川越えへ

写真:土庄 雄平

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滝山を越えてからも、深い自然を歩く稜線が続いていきます。

リトル比良は高島山岳協会に整備されている登山道。目印もしっかり設置されていますが、この標識を見つけたら、思わずびっくりしてしまうはず!

「こ、ここまで来て、まだ5時間も!?」

標高こそ低いものの、アップダウンが連続するため、歩きごたえのあるルートになっているのです。先を急がず、きつくないペースを維持するのが重要です。

なかなか応える登山道を満喫し鵜川越えへ

写真:土庄 雄平

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滝山を過ぎると、少しルート迷いしやすい区間。そのため、ピンクリボンをしっかりトレースするようにしてください。途中の鵜川越えでは、かなり標高を下げていきます。

ここまで来れば、ようやく半分というところ。一度林道に出て、岩阿闍梨山への登り返しが始まります。ここが一番の関門になるはず!

滝山から鵜川越えまでは約1時間10分、鵜川越えから岩阿闍梨山までは約50分ほど見ておきましょう。

吸い込まれる絶景広がる「岩阿闍梨山」

吸い込まれる絶景広がる「岩阿闍梨山」

写真:土庄 雄平

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一番きつい登り返しを過ぎると、標高686mの「岩阿闍梨山(いわあじゃりやま)」へ。山頂には展望岩があり、そこからは息を呑むような絶景が展開しています。

右手には大スケールの琵琶湖、左手には緑の深い山麓を走る鯖街道。自然と地形、歴史が織りなすパノラマが素晴らしいです。

正面に見えるのは、関西百名山にも選ばれている「蛇谷ヶ峰(じゃたにがみね、標高901m)」。琵琶湖へ向かって、たおやかな山容を誇ります。

吸い込まれる絶景広がる「岩阿闍梨山」

写真:土庄 雄平

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これから続いていく「リトル比良」の稜線。標高1000m以下の低山で形成されているとは考えられないスケールです。

「あぁ、あの先を歩いていくのか…」まだまだ先は長いですが、冒険心を刺激されるはず。

なお11月上旬にはパッチワークのように、山肌を紅葉が彩ります。吸い込まれる高低差も、スリル抜群!ここで一息つきましょう。

吸い込まれる絶景広がる「岩阿闍梨山」

写真:土庄 雄平

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それではリトル比良・主要部のラストにあたる「オウム岩」を目指して歩いていきます。岩阿闍梨山から約1時間の道のりです。

少しアップダウンは落ち着きますが、後半にさしかかり、疲労が蓄積してくるころ。息が上がったら小休止を挟むようにしましょう。

登山道の途中に、巨岩が現れ始めたら山頂が近いという合図です。

リトル比良が誇るパノラマ展望台「オウム岩」へ

リトル比良が誇るパノラマ展望台「オウム岩」へ

写真:土庄 雄平

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稜線を進み、パノラマが開ける展望ポイントへ。ここは「オウム岩」と呼ばれる、リトル比良のハイライト。

巨大な奇岩の先に、琵琶湖の西岸が大スケールで広がります。手前の峰が平面的な景色のアクセントに!実は、これから歩いていくリトル比良のラスト区間でもあります。

琵琶湖を中心とする、滋賀の地形を物語る絶景。何時間もかけて歩いたことが、報われる瞬間です。

リトル比良が誇るパノラマ展望台「オウム岩」へ

写真:土庄 雄平

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オウム岩からすぐ。岳山をつないで、白坂・大炊神社方面へと下山します。標高は低いですが、これが意外と長く、最後まで休まることのないルート。

しかし、樹林の稜線、奇岩と白砂が織りなす山肌、とりおき覗く琵琶湖など、景色変化に富んでいます。

途中には、これまで進んできた稜線を振り返れるポイントもあり、達成感を感じられるはず!

リトル比良が誇るパノラマ展望台「オウム岩」へ

写真:土庄 雄平

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そしてオウム岩から2時間弱で、町へと戻ってきます。

途中、琵琶湖を背景に、灯籠が現れたら下山口が近い証拠。下山したら住宅街のなかを20分ほど歩いて、JR近江高島駅を目指してください。

電車でアクセスしている方は、これにて終わり。車の方は、JR北小松へ戻って、ゴールとなります。長い山行、お疲れ様でした!

<登山ルート/標準時間>
JR北小松駅→40分→楊梅の滝→20分→涼峠→30分→寒風峠→30分→滝山→1時間10分→鵜川越え→40分→岩阿闍梨山→50分→オウム岩→1時間50分→JR近江高島駅

計6時間30分

リトル比良の基本情報

住所:滋賀県大津市北小松〜高島市音羽
アクセス:JR北小松駅から登山口まで徒歩約15分。入山後、楊梅の滝から滝山、鵜川越えから岩阿闍梨山、オウム岩を経由してJR近江高島駅まで徒歩約6時間半

※備考
・トレッキングシューズや運動用のスニーカー、歩きやすい服装でのぞんでください。
・あらかじめYAMAPなどの登山アプリで地図をダウンロードしておくと良いでしょう。

2021年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2020/11/14 訪問

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