大吊り橋と鍾乳洞に渓谷美!奈良・天川村「洞川自然研究路」

大吊り橋と鍾乳洞に渓谷美!奈良・天川村「洞川自然研究路」

更新日:2021/09/03 14:04

モノホシ ダンのプロフィール写真 モノホシ ダン 総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者
豊かな自然と歴史・文化を誇る奈良県天川村には、「みたらい遊歩道」と「洞川自然研究路」という2つのハイキングコースがあります。みたらい遊歩道は、関西屈指の渓谷美を楽しめるコース。そして洞川自然研究路は、山上ヶ岳、稲村ヶ岳への登山基地・洞川の町をとり巻くように続くハイキングコースです。関西では珍しい鍾乳洞や由緒ある寺社、天川村で最長の吊り橋など見どころいっぱいの洞川自然研究路を歩いてみませんか?

見どころ満載のハイキングコース「洞川自然研究路」とは

見どころ満載のハイキングコース「洞川自然研究路」とは

写真:モノホシ ダン

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洞川自然研究路は、洞川温泉バス停から大峯(清浄)大橋を結ぶ全長9.6km、所要時間約3時間のコースです。途中には、面不動鍾乳洞、かりがね橋、大原山展望台、河鹿の滝、母公堂などがあり、豊かな自然と史跡の数々をたどるプロムナードとなっています。

写真は、洞川自然研究路への入口となる「洞川八幡宮」。この八幡宮は、667年(天智天皇6年)、役行者(えんのぎょうじゃ)が大峯山入峰にあたり祭祀したと伝えられ、以来、洞川の氏神さまとして宮参りや厄年参りなど長く人々に親しまれています。

<洞川八幡宮の基本情報>
住所: 奈良県吉野郡天川村洞川700-1
アクセス:近鉄「下市口駅」から洞川温泉行きバスで約80分、洞川温泉バス停下車、徒歩約5分
車利用の場合は、洞川温泉内の有料駐車場利用

見どころ満載のハイキングコース「洞川自然研究路」とは

写真:モノホシ ダン

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洞川八幡宮から急坂を約15分上ったところにあるのが「面不動鍾乳洞」です。延長280mの関西最大級の鍾乳洞で、洞内には、天井から鍾乳石が垂れ下がり、地面からは石筍が伸び、何万年もの歳月をかけて形成された自然の芸術を楽しむことができます。

<面不動鍾乳洞の基本情報>
住所:奈良県吉野郡天川村大字洞川673-89
電話番号:0747-64-0352
入洞料:大人450円、小人200円
営業時間:9:00〜17:00(受付は16:30まで)※夏季は変更あり
定休日:不定休(12月31日〜1月6日は休業)
アクセス:洞川温泉バス停から徒歩約20分

見どころ満載のハイキングコース「洞川自然研究路」とは

写真:モノホシ ダン

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面不動鍾乳洞からかりがね橋までの道は、鬱蒼とした森の中を行きます。この森は「龍泉寺裏の自然林」と呼ばれ、針葉樹と広葉樹が混ざった日本の代表的な温帯林として天然記念物になっています。

龍泉寺(写真)は今から約1300年の昔、大峯山の開祖、役行者によって草創された名刹。現在は、全国修験道の根本道場として、信者、登山者の必ず訪れる真言宗修験(当山派)総本山醍醐寺の大本山。

境内には龍の口より湧き出る清水をたたえた大峯山中第一の水行場があります。研究路の分岐点からは、坂道を下って約10分でアクセス出来ますのでぜひお参りしましょう。

<大峯山龍泉寺の基本情報>
住所:奈良県吉野郡天川村洞川494
電話番号:0747-64-0001
拝観料:境内自由
アクセス:洞川温泉バス停から徒歩約10分
車利用の場合は、専用駐車場利用

洞川温泉を一望!天川村で一番長い吊り橋「かりがね橋」

洞川温泉を一望!天川村で一番長い吊り橋「かりがね橋」

写真:モノホシ ダン

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洞川自然研究路の見どころのひとつである「かりがね橋」は、龍泉寺の裏山からその向かい側の大原山に架けられた吊り橋です。1981年(昭和56年)3月の完成で、全長約120m、高さは約50m。天川村では一番長い吊り橋となっています。

洞川温泉を一望!天川村で一番長い吊り橋「かりがね橋」

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吊り橋の名前は、奈良県の天然記念物に指定されている「いわつばめ」のことを、洞川では「かりがね」と呼んでおり、いわつばめの飛ぶ姿に似てスマートなことから名付けられました。

橋の両側は金網に覆われていて、高いところが苦手な方でもそれほどの恐怖感はないものと思われます。しかし吊り橋なので強風時には揺れますし、橋の中央部では床の板がたわむ感じもして、それなりのスリルを味わえます。

洞川温泉を一望!天川村で一番長い吊り橋「かりがね橋」

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橋上からは洞川温泉の街並みを眼下に一望できます。温泉街の中央を流れる川は、清流の山上川です。かりがね橋で、スリルと眺望を満喫してください。

<かりがね橋の基本情報>
住所:奈良県吉野郡天川村洞川
アクセス:洞川温泉バス停から徒歩約45分

洞川自然研究路屈指のビュースポット「大原山展望台」

洞川自然研究路屈指のビュースポット「大原山展望台」

写真:モノホシ ダン

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かりがね橋から自然林の中を少し上ると、研究路随一のビュースポット「大原山展望台」があります。展望台にはベンチがあり、絶景を眺めながら一息入れましょう。

洞川自然研究路屈指のビュースポット「大原山展望台」

写真:モノホシ ダン

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なお、この展望台からも洞川の街並みを一望することができます。大原山は桜の名所で、春にはこんもりとした桜が咲きそろいます。秋は紅葉が見事です。

洞川自然研究路屈指のビュースポット「大原山展望台」

写真:モノホシ ダン

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さらに大原山展望台からは、大峯信仰の根本道場の中心「山上ヶ岳」(標高1719m)を望むこともできます。岩壁の鎖を頼りに登る「鐘掛岩」、絶壁から逆さづりにされる「西の覗」などの修行場が有名です。

山上ヶ岳の頂上付近には修験道の根本道場である「大峯山寺本堂」があり、宗教上の理由から、山上ヶ岳一帯は、今なお女人禁制となっています。

<大原山展望台の基本情報>
住所:奈良県吉野郡天川村洞川
アクセス:洞川温泉バス停から徒歩約50分

マイナスイオンたっぷり!山上川にかかる「河鹿の滝」

マイナスイオンたっぷり!山上川にかかる「河鹿の滝」

写真:モノホシ ダン

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大原山展望台からは研究路は下りとなり、しばらくは車道を歩きます。やがて洞川エコミュージアムからの歩道に合流すると、大峯(清浄)大橋までは、山上川(さんじょうがわ)沿いの道を進みます。

山上川は、修験道の聖地、大峯山の山上ヶ岳を源流とし、下って天ノ川に合流する清流です。エメラルドグリーンの深淵はとても美しく、心が洗われる思いがするでしょう。

マイナスイオンたっぷり!山上川にかかる「河鹿の滝」

写真:モノホシ ダン

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川の向こうに真っ白な石灰岩が見えてくると「蟷螂(とうろう)の岩屋」があります。カルスト地形の洞川には多数の洞穴があり、この洞穴は、役行者が大峯開山の際に「一之行場」として開いた洞窟です。

内部は天井が低く、前進するためには腰をかがめ、自然にかまきり(蟷螂)のような姿になるためこの名が付けられたといわれています。洞内は夏でも10度の涼しさです。体験希望の方は、入洞し修行してみてはいかがでしょうか。

<蟷螂の岩屋の基本情報>
住所:奈良県吉野郡天川村洞川
営業時間:9:00〜17:00
入洞料金:300円
定休日:冬季(11月30日〜4月末)休業
アクセス:洞川温泉バス停から研究路経由で徒歩約1時間20分。車道経由で徒歩約30分

マイナスイオンたっぷり!山上川にかかる「河鹿の滝」

写真:モノホシ ダン

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山上川沿いの研究路の一番の見どころが「河鹿の滝」です。清涼感溢れる滑滝(なめたき)で、岩肌を滑るように豪快に水が流れ落ちます。清流に棲む鳴き声の美しい小さなカエル、カジカガエルから名付けられました。

<河鹿の滝の基本情報>
住所:奈良県吉野郡天川村洞川
アクセス:洞川温泉バス停から研究路経由で徒歩約1時間30分。車道経由で徒歩約30分

大峯山・女人禁制の始まり「母公堂」の歴史

大峯山・女人禁制の始まり「母公堂」の歴史

写真:モノホシ ダン

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研究路の終点、「大峯(清浄)大橋」の遥拝所から霊峰・山上ヶ岳を拝したら車道を歩いて洞川温泉へと戻りましょう。その途中に建つ「母公堂(ははこどう)」は、役行者の母親である白専女(しらとうめ)を祀るお堂です。

役行者の過酷な修行を案じた白専女が住んだ庵で、行者は母を思う心から後を追わないようにと女人入山禁止の「女人結界門」を建てました。これが「女人禁制」の始まりであり、1300年後の現在も守り続けられています。

大峯山・女人禁制の始まり「母公堂」の歴史

写真:モノホシ ダン

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堂内には、本尊である白専女をはじめ、役行者と行者の高弟である前鬼・後鬼、弘法大師などが祀られています。ちなみに後鬼は、役行者の指示で洞川に住みつき、大峯山を守ったと言われています。そのため洞川は「後鬼の里」とも言われています。

<母公堂の基本情報>
住所:奈良県吉野郡天川村洞川
アクセス:洞川温泉バス停から研究路経由で徒歩約1時間40分。車道経由で徒歩約40分

大峯山・女人禁制の始まり「母公堂」の歴史

写真:モノホシ ダン

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洞川温泉は、大峯信仰の修験道の登山基地として栄え、歴史ある純和風木造建築の旅館や土産物店、食事処が軒を連ねています。

写真は、洞川温泉の人気旅館のひとつ「宿 花屋徳兵衛」。洞川自然研究路のハイキングの起点として日帰りだけでなく、レトロな洞川温泉の宿泊もおすすめですよ。

みたらい遊歩道のハイキングとともに訪れるのもいい

いかがでしたか。天川村のハイキングコースというと関西屈指の渓谷美を満喫できる「みたらい遊歩道」があまりにも有名ですが、それに勝るとも劣らないのが今回ご紹介した「洞川自然研究路」です。むしろコースのバラエティーに富んでいるのは洞川自然研究路の方かも知れません。

さらに、洞川自然研究路とみたらい遊歩道の探勝を同時に楽しみたいというアクティブな方は、ラストにご紹介した洞川温泉の宿泊が便利です。

天川村が誇る2つのハイキングコースを様々なアプローチで楽しんでみてはいかがでしょうか。

2021年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2020/09/21−2020/10/17 訪問

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