無数の穴はいったい何?国の天然記念物・和歌山県「高池の虫喰岩」

無数の穴はいったい何?国の天然記念物・和歌山県「高池の虫喰岩」

更新日:2021/09/17 12:05

乾口 達司のプロフィール写真 乾口 達司 著述業/日本近代文学会・昭和文学会・日本文学協会会員
地球が誕生して46億年。気の遠くなるような時間を経て現在にいたった大地は、ときに奇妙な造型を私たちに見せてくれます。和歌山県古座川町の「高池の虫喰岩」もそのうちの一つ。その名の通り、巨大な岩の表面に見られるおびただしい数の穴がさながら虫に喰われたようなグロテスクな様相を呈しており、奇岩の名にふさわしいものとなっています。今回は国の天然記念物である「高池の虫喰岩」をご紹介しましょう。

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国の天然記念物「高池の虫喰岩」

国の天然記念物「高池の虫喰岩」

写真:乾口 達司

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「高池の虫喰岩」は和歌山県東牟婁郡古座川町の山間部に位置しています。幅約80メートル、高さ約30メートルの巨大な岩で、現在は国の天然記念物となっています。

虫喰岩は南紀の地下を20キロメートル以上にわたってのびる「古座川弧状岩脈」の一部で、いまから約1500万年前、流紋岩質のマグマが噴出して地上に現れたもの。表面の多くが欠けているのは、長年の風化によるものです。

国の天然記念物「高池の虫喰岩」

写真:乾口 達司

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写真はさらに近付いて撮影した一枚。風化の具合が異様で圧倒的な存在感を印象付けています。

ご覧のように、風化の度合いは岩体下部の方が著しいため、岩盤の崩壊や落石の起こりやすいオーバーハングの状態となっています。したがって、近くでご覧になるときは、くれぐれも落石にご注意ください。

閲覧注意!無数の「タフォニ」が見られる表面部分

閲覧注意!無数の「タフォニ」が見られる表面部分

写真:乾口 達司

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虫喰岩を特徴づけているのは、岩の表面に形成されている大小さまざまな穴。この穴は「タフォニ」と呼ばれる風穴で、岩体の内部から水分が蒸発した後、水に溶けていた塩類が結晶化し、その結晶圧によって岩体表面部を破壊した痕跡です。

おびただしい数のタフォニが、虫に喰われたような様相を呈していることから、「虫喰岩」と呼ばれるようになったわけですね。

閲覧注意!無数の「タフォニ」が見られる表面部分

写真:乾口 達司

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接近して岩体の表面を見てみましょう。タフォニの数に驚かされます。その様子はあまりにもグロテスクで、気分を害する方もいらっしゃるかも知れませんね。閲覧注意です。

閲覧注意!無数の「タフォニ」が見られる表面部分

写真:乾口 達司

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画面下部をご覧ください。タフォニとタフォニのあいだをつなぐ残存部分にも、小さなタフォニが生じているのが、おわかりいただけるでしょう。風化作用がいかに激しく、繰り返されていたかがわかる部分ですね。

地元民の信仰がいまなお息づく観音堂

地元民の信仰がいまなお息づく観音堂

写真:乾口 達司

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虫喰岩を訪れた際、見落としてならないのは、こちらの祠。

祠は観音堂と呼ばれており、天保年間に起こった大飢饉の折、飢えや疫病に苦しむ地元民の窮状を救うため、ある行者が観音像を彫り、五穀豊穣・無病息災を祈願したことにはじまります。当初は虫喰岩の頂上直下(標高約22メートル)にありましたが、2010年、現在の位置に移されました。

地元民の信仰がいまなお息づく観音堂

写真:乾口 達司

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内部を拝観すると、たくさんの木彫りの仏像が安置されています。

地元民の信仰がいまなお息づく観音堂

写真:乾口 達司

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その脇には、ご覧のような石も吊り下げられています。地元では、穴の開いた小石をお供えして祈願すれば耳の病気が治るとされており、これはその奉納品。

地元民にとって、虫喰岩は単なる奇岩ではなく、信仰の対象でもあったことがわかりますね。

詳しい解説はこちらで!「道の駅 虫喰岩」

詳しい解説はこちらで!「道の駅 虫喰岩」

写真:乾口 達司

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虫喰岩は古座川の沿岸部からさらに山奥に入ったところにあるため、徒歩でのアクセスはいささか不便。目の前に「道の駅 虫喰岩」があり、駐車場も完備しているため、お車で訪れるのが便利でしょう。

詳しい解説はこちらで!「道の駅 虫喰岩」

写真:乾口 達司

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その一角には、古座川町観光協会もあります。もしも、虫喰岩についてさらに詳しい話を聞きたいときは、古座川町観光協会をのぞいてみましょう。

<高池の虫喰岩の基本情報>
住所:和歌山県東牟婁郡古座川町池野山
アクセス:JR紀勢本線「古座駅」より車で約10分

那智勝浦町にある「浦神の虫喰岩」

那智勝浦町にある「浦神の虫喰岩」

写真:乾口 達司

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しかし、虫喰岩は何も「高池の虫喰岩」だけではありません。那智勝浦町浦神地区には「浦神の虫喰岩」(那智勝浦町天然記念物)と呼ばれる岩も存在します。

「浦神の虫喰岩」は国道42号線沿いにあるため、国道42号線が岩屋崎付近をまわり込むとき、車窓から眺めることもできます。

那智勝浦町にある「浦神の虫喰岩」

写真:乾口 達司

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「浦神の虫喰岩」でも、おびただしい数のタフォニが見られます。「高池の虫喰岩」と同様、大地の不思議ないとなみを実感できるスポットゆえ、あわせてご覧ください。

<浦神の虫喰岩の基本情報>
住所:和歌山県東牟婁郡那智勝浦町浦神
アクセス:JR紀勢本線「浦神駅」より徒歩約10分

虫喰岩で不思議な自然のいとなみを実感しよう

「高池の虫喰岩」がいかに不思議で特異な造型であるか、おわかりいただけたでしょうか。自然の無作為の造型がいかに不思議であるかを実感させられるスポットゆえ、「高池の虫喰岩」に圧倒されてください。

2021年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2020/12/28 訪問

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