消え行く車窓風景…吾妻渓谷をローカル電車で旅しよう!〜JR吾妻線乗り撮り歩き

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消え行く車窓風景…吾妻渓谷をローカル電車で旅しよう!〜JR吾妻線乗り撮り歩き

消え行く車窓風景…吾妻渓谷をローカル電車で旅しよう!〜JR吾妻線乗り撮り歩き

更新日:2014/08/14 09:49

もんTのプロフィール写真 もんT チューター、フリーライター

群馬県長野原町に建設中の八ッ場(やんば)ダム。工事に伴って吾妻渓谷周辺の風景は今、大きく変わりつつあります。ダムの完成予定は2020年ですが、一足先に2014年秋からJR吾妻線の約12キロの区間は新線へと切り替え…。そのほとんどはトンネルとなるため、車窓から渓谷の風景を眺められるのも残りあとわずかです!今回は新線に切り替わる吾妻線の岩島駅から長野原草津口駅までの区間を思い出に刻む旅を紹介します。

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渋川から吾妻川に沿って西へ…

渋川から吾妻川に沿って西へ…

写真:もんT

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JR吾妻線は群馬県の渋川駅から、嬬恋村の大前駅までを結ぶ全長61.2kmの路線です。沿線には草津温泉をはじめ、数多くの温泉が点在。地元の生活路線であると同時に、観光路線の性質も帯びています。普通電車は1日14往復ほど、加えて特急草津号が上野駅から平日2往復(休日は3〜4往復)運行されていて、思い立ったら気軽に出かけられるローカル線です。観光シーズン中の週末には「リゾートやまどり」などの観光臨時列車が運転されることも…。列車の時刻や運転日は時刻表などで事前に確認してから出かけましょう。
日中の普通電車はすべて新幹線の高崎駅に発着するので、ローカル電車の旅ならば、高崎駅を起点にするのがベスト。長野原草津口へと向かう場合、おススメの座席は進行方向左側です。駅弁をしっかり買い込んで、さあ出発〜♪
渋川の市街を抜け、祖母島(うばしま)駅を過ぎると、列車は吾妻川を鉄橋で渡り、左手に吾妻川を見ながら西へ、上流へと進んでいきます。

日本一短い!…樽沢トンネルを通過

日本一短い!…樽沢トンネルを通過

写真:もんT

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渋川から約40分、列車は岩島駅に到着。ここからが今回の旅のメインです。駅発車後すぐ、間もなく完成予定の新線が左へと分岐。このあたりからはダム建設に伴い、すでに国道や県道も付け替えが進んでいます。左手にはいよいよ吾妻渓谷が…!木々の間から垣間見える渓谷美に注目です。
ここでもう一つ注目したいのが、岩島駅から4kmほどの場所にある樽沢(たるさわ)トンネル。このトンネル、全長わずか7.2m!鉄道トンネルとしては日本一短いということで有名です。吾妻線のこの区間(当時は長野原線)が開業したのは1946年。なぜわざわざ岩場を残すようにして短いトンネルを掘り抜いたのか、今となっては理由が不明です。吾妻峡の渓谷美を少しでも損なわないように…という当時の建設関係者の心遣いだったのでしょうか…。電車は岩島出発後4分ほどでここを通過するので、ぜひ見落とさないで!
(写真は列車最後尾からガラス越しに撮影。)
この樽沢トンネル周辺はダムの下流側になり、水没からは免れます。列車が走らなくなった後も、徒歩で渓谷の散策を楽しめることでしょう。

温泉街の移転が進む…川原湯温泉駅で途中下車

温泉街の移転が進む…川原湯温泉駅で途中下車

写真:もんT

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吾妻川を鉄橋で渡るとすぐ、列車は川原湯温泉駅に到着。この駅周辺がダム建設に伴って最も大きく変貌中のエリアです。ここでぜひ途中下車して散策してみましょう!
頭上を見上げると、建設中の巨大コンクリート橋が…。ここはダムの上流側にあたり、ダム完成後は完全に湖の底に沈むのがよくわかります。
駅舎を背にして左へ行くと、先ほど車窓から垣間見えた吾妻渓谷の散策路があります。ダム工事の関係で遊歩道は一部閉鎖されていますが、国道の歩道はまだしばらくは歩けるよう…。ダム本体の建設工事が本格化する前に散策しておきたいところです。
一方、駅舎から出て右に進むと、川原湯温泉街へと上っていく坂が…。かつては温泉宿やみやげ物店で賑わった街並は移転が進み、今では本当に鄙びた昔の姿に帰りつつあります。
坂を歩いて上っていくこと15分ほどで、公共浴場玉湯(おうゆ)に辿り着きますが、ここの営業も6月末まで。7月5日からは、ここからさらに20分ほど先の新温泉街にて営業が始まります。
さらに5分ほど上っていくと、右手には新しい川原湯温泉駅が!今年秋の開業に向けて、着々と工事が進行中です。
坂を上りきると真新しい県道375号線に出ますが、このポイントまで駅から約25分。
ここから左へ約1km、トンネルの先には新温泉街の造成地が広がっています。造成地はあちらこちらでまだ工事中…。ダム湖の湖畔にどのような温泉街ができるのか、今後に注目です。温泉のお湯は沈み行く旧温泉街の源泉から配管で引き込むとのこと。新しくオープンする公共浴場「新玉湯会館」でまったりしていきましょう。

不動大橋からの大絶景!ダム湖に沈む八ッ場の原風景を今のうちに…

不動大橋からの大絶景!ダム湖に沈む八ッ場の原風景を今のうちに…

写真:もんT

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先ほどの坂を上りきったポイント、県道375号線に出たところを右折すると、約1kmで左手には「不動の滝」、そしてはるか眼下に八ッ場の谷を見下ろす不動大橋にさしかかります。この橋からはダム湖に沈む吾妻川の渓流やJR吾妻線の線路、そして谷あいの風景が大パノラマで俯瞰できます。ダム完成後はすべてが水没し、湖へと変貌するこの風景…、二度と戻らない原風景を今のうちに心に深く刻んでおきたいものです…。
大橋を渡りきると、「道の駅・八ッ場ふるさと館」があり、食事や休憩がとれます。ここまでは現在の川原湯温泉駅から徒歩で約45分。2014年秋に開業の川原湯温泉新駅からは徒歩で20分ほどの距離です。無料の足湯もあるので、疲れた足をここで癒していきましょう。

渓流に沿ってさらに山奥へ…

渓流に沿ってさらに山奥へ…

写真:もんT

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再び川原湯温泉駅へと戻り、残りの廃線区間の旅を続けます。
川原湯温泉駅を出るとすぐ、列車は再び吾妻川を渡ります。進行方向左手には、先ほど俯瞰した八ッ場の谷あいの田園風景と吾妻川の渓流、そして天高くそびえ立つ真新しい道路橋が…。さらに山深く上っていきトンネルを抜けると、そこは長野原町の市街地。新線の線路が左手に合流してくるとすぐ、列車は長野原草津駅に到着です。
名残を惜しむ電車の旅はここまでですが、吾妻線はこの先さらに15kmほど山奥へと線路が続きます。特に末端の万座・鹿沢口駅と大前駅3.4kmの区間は、普通列車がわずか1日5往復…。ここまで来たら、終着駅を訪ねてみるのもおススメです。

旅のまとめ…

いかがでしたか?吾妻渓谷の風景を車窓から眺められるのも、あとわずか…。吾妻線の旅は今のうちがおススメです。2014年秋に線路の付け替えが終わると、いよいよダム本体の工事も本格的に…。新線切り替え後も2020年のダム完成まではまだ時間があるので、今度は新線に乗って、変わり行く川原湯温泉の姿を見に来たいものです。紅葉や雪景色…、季節を変えてまだしばらくはこの風景を愛でることができるでしょう。ダム湖に沈んでいく川原湯や八ッ場の風景…、皆さんの心に深く刻まれる旅になりますように。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/06/21 訪問

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