写真:Naoyuki 金井
地図を見る「儀礼的折り紙」と対を成す、鶴などの折り紙は「遊戯的折り紙」と呼ばれ、日本で遊戯的折り紙の原点となったのが、1885(明治18)年、文部省からの折り紙製作の依頼です。
初代文部大臣・森有礼は、欧米に留学した経験を活かして、幼稚園の創始者ドイツ人フレーベルの幼児教育要領を、日本の幼児教育の参考にしました。
フレーベルの幼児教育は「恩物」という積木・裁縫・砂遊びなど20の玩具からなり、その中の一つ「畳折」を具現化したものが「折り紙」です。
そして、この「折り紙」製作の民間への依頼が、「おりがみ会館」の歴史となるのです。
写真:Naoyuki 金井
地図を見る文部省からの製作依頼を受けたのが、当時、この地で「染め紙業」を始め、和紙全般の加工技術を修得した小林幸助です。
その折り紙は、単色で3寸(約3cm角)と5寸(約5cm角)の2種類で、これが日本初の遊戯的折り紙です。これ以降、小林幸助の「染め紙業」も、和紙の老舗「ゆしまの小林」として発展し、後年、この「おりがみ会館」の母体となりました。
そして、遊戯的折り紙は昭和初期の玩具業界で各社独自に色を混ぜた折り紙セットが発売され、世界的普及のスタートとなりました。
1、2階には数々の折り紙がディスプレイされています。
精緻な技巧と優美な造形の折り紙で、クールジャパン「ORIGAMI」を心ゆくまで堪能してください。
写真:Naoyuki 金井
地図を見る1階では、更に折り紙のミニ講習が行われます。
1回約15分くらいの短い時間で、大人も子供もどなたでも手ぶらで参加できます。童心に返ったつもりで折り紙を折るのも、ここでなら恥ずかしくはありませんね。
ミニ講習では物足りない方には、初心者クラスから上級者クラスが選べる折り紙教室が5、6階で開催されていますので、そちらに参加されるのも良いでしょう。
更に、各種イベントも時期ごとに開催されていますので、貴方に合ったスタイルで折り紙を楽しんでください。
※開催日時、内容、料金等はホームページをご確認、又はお問い合わせの上、ご参加下さい。
写真:Naoyuki 金井
地図を見る4階には工房があります。
おりがみ会館では、毎日染め師の方が、一枚一枚手作業で和紙を染めており、和紙、染料、道具、そして染色技法を実際に見ることができます。
デモではなく、実際に使用・販売する為の染色をしていますので、特に団体などではない限り説明はありませんが、簡単な質問などにはお答えいただけ、営業時間内であればどなたでも見学が可能です。
現在の一般的な折り紙は、洋紙で大量生産されていますが、本格的な和紙の折り紙を作成する行程を学べるのは貴重な機会となるはずです。
伝統の職人技を、しっかり目に焼き付けてください。
写真:Naoyuki 金井
地図を見る3階の売場では、和紙や折り紙を購入できます。
折り紙の完成品やキットなどが販売されていますので、記念に購入されるのも良いでしょうが、特に味わっていただきたいのは、和紙の持つ美しさです。
和紙、千代紙、ちぎり絵など江戸情緒の風合いと、京の雅を感じさせる美しさに魅了されること間違いありません。
一般的な折り紙用紙を想像すると、まさにカルチャーショックと言っても過言ではないでしょう。
眺めているだけでも美しい、和紙の世界を味わってください。
日本伝統の、クールジャパン「ORIGAMI」はいかがでしたか。
たかが折り紙、されど折り紙で、改めて折り紙の魅力を感じていただけたでしょう。
留学生研修なども積極的に受け入れ、折り紙を通じて国内外の親善と社会貢献を果たそうとする「おりがみ会館」。運がよければ館長で折り紙の第一人者としても広く知られた小林一夫社長が、折り紙を折って見せてくれる光景に出会えるかもしれません。
見学だけなら入館無料ですから、あなたもお気軽に日本伝統の折り紙の世界に浸ってみてください。
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この記事を書いたナビゲーター
Naoyuki 金井
首都圏の神社を中心に小さな歴史絵巻を集めているジンジャーハンター。パワースポットのみならずサブカルやグルメなど、ニッチでギークな旅を紹介しています。皆様の旅にレアな彩を添えられれば、この上ない喜びです…
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(2025/2/17更新)
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