金沢市の美術館で世界的パティシエ・辻口博啓氏の極上スイーツを味わう

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金沢市の美術館で世界的パティシエ・辻口博啓氏の極上スイーツを味わう

金沢市の美術館で世界的パティシエ・辻口博啓氏の極上スイーツを味わう

更新日:2014/06/27 15:13

松田 橙子のプロフィール写真 松田 橙子 フリーライター

金沢のグルメといえば新鮮な海の幸がまず思い浮かびますが、加賀百万石の豊かな文化の花開いた土地として古くから茶道の盛んな土地。ゆえに和菓子のレベルは全国屈指ですが、人々の審美眼や味覚に鍛えられて洋菓子もおのずとハイレベル。また石川県民はアイスクリームやチョコレートの消費量が毎年全国でもトップ3に入るそう。そんなお菓子には目のない人々から特別な敬意で愛されているパティスリーカフェをご紹介しましょう。

世界に名の轟く天才パティシエ辻口博啓の故郷

世界に名の轟く天才パティシエ辻口博啓の故郷

写真:松田 橙子

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パティシエのワールドカップと呼ばれる「クープ・ド・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー」のあめ細工部門で優勝など、国内外で脚光を浴び続けるパティシエ辻口博啓(つじぐちひろのぶ)氏は石川県出身。
テレビや雑誌などメディアでもよく目にする、あのメガネに金髪の風貌でお馴染みの、今日本でもっとも話題性のあるパティシエの一人ではないでしょうか。

ハイレベルなパティスリーが居並ぶ東京・自由が丘で人気を博している「モンサンクレール」に続いて、2006年に石川県七尾市に「辻口博啓美術館 ル ミュゼ ドゥ アッシュ」を開館させました。
出身地、石川の豊かな食材をふんだんに生かすというコンセプトで、東京の店舗とはまたひと味違った世界観が表現されました。

続いて2008年、満を持して、金沢市の中心街にほど近い石川県立美術館内にも「ル ミュゼ ドゥ アッシュKANAZAWA」をオープン。

美術館という非日常的ロケーション

美術館という非日常的ロケーション

写真:松田 橙子

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ル・ミュゼ・ドゥ・アッシュKANAZAWAは、金沢の観光施設で来訪者数がトップの兼六園、2位の金沢21世紀美術館、3位の金沢城公園の3箇所のいずれからも徒歩圏内に位置し、観光の休憩がてら立ち寄るのにも絶好のロケーションなのです。

とはいえ、休憩がてらというよりも、わざわざそのために足を運ぶ価値が十分にある店。ティータイムは混雑が予想されるので、休日には待ち時間を考慮に入れて訪れるのが賢明です。
午前中は比較的空いていることが多く、また、午前中の透明な太陽の光線が庭園の樹木をいっそうひきたてる時間帯でもあるので、筆者のオススメの時間帯です。

さて、石川県立美術館へ行くには、金沢21世紀美術館を望む「広坂」交差点を美術館とは対岸に横断し、広坂地区の名前の由来にもなっている兼六園の南側にある坂道を、21世紀美術館から離れるようにしてゆるやかに登って行きます。バスの最寄りの停留所は交差点付近の「広坂」になります。
坂を登り始めた直後、交差点の喧騒が嘘のように緑の樹木に囲まれた静謐な空間が現れます。ここが街中であることを忘れてしまいそうな静けさの中、江戸時代には武家屋敷が並んでいたという辺りの歴史の趣を感じつつ、もう少し坂を登れば、石川県立美術館が右手に現れます。

この美術館の建物は、真っ白なレンガを手積みで積んでいったあとに背後にコンクリートを流し込むという、今日では考えられないような贅沢な方法で建築されています。入館するまえにぜひ美術館の建築の風格も味わってみてくださいね。

金沢の美術館といえば、金沢21世紀美術館があまりにも有名ですが、金沢21世紀美術館は現代アートの美術館。
しかし金沢は、京都と江戸との微妙な位置関係によって、古くは室町時代に戦乱からの避難所として洗練された文化が発達し、江戸時代は外様であった加賀藩が、朝廷と幕府との権力のパワーバランスの中で、文化によって主体性を持つという「戦略」として文化を花開かせた、美術においても非常に深い歴史を持つ土地柄です。

この石川県立美術館もじっくりと鑑賞したい数多くの歴史ある美術品を所蔵しています。そんな美術館内というロケーションに店舗を構えるというのは、ケーキそのものが芸術品として鑑賞されうるレベルだという辻口氏の自信が伺い知れますね。

ケーキとともに贅沢な空間を楽しむ

ケーキとともに贅沢な空間を楽しむ

写真:松田 橙子

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さて、「ル ミュゼ ドゥ アッシュKANAZAWA」は、美術館に入るとつきあたりすぐにお目見えします。

パティスリーとはいえ色とりどりのメルヘンな雰囲気ではなく、落ち着いた黒を基調とした店内は、周囲の自然にしっとりと馴染んでいます。
そして店内の庭に面した一面がガラス張りになっており、壮観です。ガラス張りの窓は、燦々と明るいというより、庭園の樹木によって落ち着いた色味の日本画のような味わいを醸し出しています。
ここからは四季を通して刻々とうつろう眺めを訪れるたびに楽しめます。雪国の金沢ならではの雪景色を楽しみに、冬に訪れるのもまた一興でしょうか。

席に着く前に、ショーケースに並ぶケーキを直接見てオーダーします。
色とりどりで繊細な意匠を凝らしたケーキがずらっとケースに並び、美術品を鑑賞するようにひとつひとつに目が釘付けになるはずです。

石川県の食材を贅沢に用いたスイーツにうっとり舌鼓

石川県の食材を贅沢に用いたスイーツにうっとり舌鼓

写真:松田 橙子

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この店のケーキは、自由が丘「モンサンクレール」のスイーツに加えて、石川県でとれたこだわりの食材を使用しています。能登半島でとれた「のとミルク」「能登町産健康卵」などがベースに使われています。
ランチメニューもあり、輪島産の米、能登半島の珠洲で伝統的な揚げ浜塩田方式で精製されている塩も使っているそうで、徹底した郷土の食材へのこわだりが感じられます。

さて、筆者オススメのスイーツは「シェリ」、「ルージェエノワール」と、「辻口シュー」の3つです!
「シェリ」は、鮮やかなピンク色のムースをさっくりとすくうと、中には栗色がのぞきます。その能登でとれた栗とキャラメルのガナッシュと、外側のカシスのムースの酸っぱさの組み合わせが、びっくりするほど合うんです。
「ルージュエノワール」は、ショコラの部分がアールグレーの香りです。チョコと紅茶の両方の芳香が複雑に絡み合ってえもいわれぬ美味しさです。さらにフランボワーズの酸っぱさが絡んで、最後の一口まで幸せに味わえます。
「辻口シュー」は、メイプル味のクロッカンに、能登の素材で作れたカスタードクリームがぎっしりで、こちらは素材のよさが美味しさとなって素直に現れています。

また、「和を持って世界を制す」というコンセプトで活躍をしてきた辻口氏が考案した、宇治の本玉露と一緒にスイーツが味わえる、「コンセプトG」という、とっておきのコースもあります。茶道の盛んな金沢という土地らしいメニューでもありますね。
季節のお茶、本玉露(一煎目)、本玉露(二煎目)、スイーツ二品、熱だし玉露(三煎目)、小菓子、煎りたてほうじ茶と続くコースとのこと(2,430円)。まさにフルコースを味わうように辻口氏の世界観を堪能できるはず。

さて、ケーキに舌鼓を打ったあとは、美術館の展示を鑑賞するもよし、あるいは、カフェの窓から眺めていた庭園を散策することもできます。
カフェのすぐ隣に直接庭に降りられる出入り口があります。
手入れの行き届いた庭園のそこかしこに植えられた素朴な花が季節ごとに目を楽しませてくれますよ。

※ル・ドゥ・ミュゼ・アッシュKANAZAWAの詳細はMEMOの公式HPよりご確認ください。

最後に

アートの街として、グルメの街としても名高い金沢で、その二つを融合させてしまったかのような空間「ル ミュゼ ドゥ アッシュKANAZAWA」、みなさんぜひ一度とはいわず何度でも訪れて、季節の織り成す時間と空間の中で、自分だけが知っているとっておきの瞬間を捉えてみてください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/06/24 訪問

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