徳島「阿波国分寺」珍しい青石を使った庭園は必見!

徳島「阿波国分寺」珍しい青石を使った庭園は必見!

更新日:2022/10/07 16:38

島塚 渓のプロフィール写真 島塚 渓 トラベルライター
「阿波国分寺(あわこくぶんじ)」は、お遍路として有名な四国八十八箇所霊場の1つで、奈良時代に創建された歴史ある寺院です。なかでも珍しい青石を使った庭園は国指定の名勝となっており、他ではなかなか見ることができない貴重な観光地なので、ぜひ実際に足を運んでみてください。

長い歴史を持つ由緒正しい寺院

長い歴史を持つ由緒正しい寺院

写真:島塚 渓

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阿波国分寺は聖武天皇が発した勅命により全国68カ所に建てられた国分寺および国分尼寺の1つです。寺に伝わっている伝承によると、奈良時代の僧侶である行基(ぎょうき)によって創建され、聖武天皇から釈迦如来像と大般若経が奉納されました。さらに聖武天皇の妻である光明皇后の位牌厨子も納められていると伝わっています。

長い歴史を持つ由緒正しい寺院

写真:島塚 渓

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創建の後、弘仁年間(810年から824年)に弘法大師空海の巡教を契機として、真言宗に改宗したと伝わっています。現在でも四国八十八箇所霊場の15番目の霊場として深い関わり合いを持っており、境内には網代傘に白装束を身に着けた遍路修行の人たちが多く訪れています。

庭園と本堂の美しい一体感が見どころ

庭園と本堂の美しい一体感が見どころ

写真:島塚 渓

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16世紀後半の安土桃山時代に築かれたと推定される庭園は、全国的にも珍しい玉澗流(ぎょくかんりゅう)を用いて作庭されています。玉澗流とは中国の南宋時代の画僧である芬玉澗(ふんぎょくかん)の絵に似ていることから命名されました。背後に山が2つ築かれている、山の間に滝の石組が作られている、滝の上部に石橋があるなどの特徴があります。この玉澗流庭園を得意とした茶人の上田宗箇が作庭に関与したのではないかと推察されていますが、いまだ詳しいことは分かっていません。

庭園と本堂の美しい一体感が見どころ

写真:島塚 渓

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戦国時代に戦乱に巻き込まれ焼失した本堂は、江戸時代の文政9年(1826年)頃に再建されました。再建された本堂は庭園のなかの風景の一部のように配置され、庭園の美しさをよりいっそう引き立てています。境内の復興には徳島藩と曹洞宗の僧侶が深くかかわっており、この再興を契機に現在、阿波国分寺は曹洞宗の寺院となっています。

青石を使った石組みが見どころ

青石を使った石組みが見どころ

写真:島塚 渓

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庭園の見どころの1つが「阿波の青石」を豪快に使用した枯山水の滝や橋の石組みです。阿波の青石は学術名を緑泥片岩(りょくでいへんがん)と言い、暗緑色でツヤがあるのが特徴です。また、板状に割れやすい性質があるため、庭石に利用する際に加工しやすいといった利点があります。

阿波国分寺庭園では、この青石を縦に立てて配置されていることが多く、大きいもので高さ4.3メートルにもなります。立石を多用することで庭園全体に躍動感が生まれ、立体的な印象を与えています。

青石を使った石組みが見どころ

写真:島塚 渓

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庭園内には阿波の青石を使用した5つの枯滝石組があり、底に丸石を敷き詰めることで水の流れを表現しています。水を使用しない枯山水庭園では、砂の紋様や石組みによって、雄大な自然の景観を想像させる効果があります。シンプルな造形から、宗教的な願いや哲学的なメッセージが込められることもあるので、砂や石の組み合わせが何を表現しているのか想像しながら鑑賞することも大きな楽しみとなっています。

阿波国分寺の基本情報

住所:徳島県徳島市国府町矢野718-1
拝観料:庭園300円(境内は無料)
駐車場:普通車10台(無料)
アクセス:JR「徳島駅」から徳島バス神山方面行き「国分寺前」下車、徒歩5分

2022年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2022/09/11 訪問

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