ブダペスト随一のおしゃれスポット「ユダヤ人街」の廃墟バー

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ブダペスト随一のおしゃれスポット「ユダヤ人街」の廃墟バー

ブダペスト随一のおしゃれスポット「ユダヤ人街」の廃墟バー

更新日:2017/05/26 17:22

小谷 雅緒のプロフィール写真 小谷 雅緒 ツアーコーディネーター&ガイド

一昔前、ハンガリーは東欧と位置づけされていました。首都ブダペストの中でも異質を放つ7区にあるユダヤ人街は、東欧あるいは戦前の雰囲気が残る下町地区です。ゆっくり進む再開発の中で生まれたのが廃墟バー。当初はサブカルチャーの発信地でしたが、今ではポップカルチャーの発信地と言ってもよいでしょう。ブダペストの最先端文化がここにあります。

20世紀初頭の雰囲気が残る下町地区「ユダヤ人街」

20世紀初頭の雰囲気が残る下町地区「ユダヤ人街」

写真:小谷 雅緒

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「ユダヤ人街」という言葉だけで、尻込みしてしまうかもしれません。それでなくても、この写真をご覧になり「わっ、ボロボロ・・・。」と思ったことでしょう。

この写真はシンプラ・ケルト[Szimpla Kert]という、このエリアを代表する廃墟バーの入り口です。

ハンガリーはヨーロッパの中でもユダヤ人が多く、ユダヤ文化が浸透している国です。その名の通り、このエリアにはシナゴーグ(ユダヤ教の礼拝所)やユダヤ人向けサービスのお店(宗教的用具やサービスを提供する店、食料品店、ユダヤ料理店など)があります。そのような店の看板はヘブライ語表記もあるので、アルファベットのハンガリー語との違いはすぐにわかるでしょう。ユダヤ文化については、別の機会にお話しすることにします。

ユダヤ人街(ジドー・ネジェド[Zsidó negyed])は、21世紀に入ると、良い意味で異質になりました。元々地の利の良い下町で、市街地の割りに家賃も安く、若い人、特に芸術意識の高い人が住むようになりました。

映画のワンシーンで見るようなアンダーグラウンドな雰囲気

映画のワンシーンで見るようなアンダーグラウンドな雰囲気

写真:小谷 雅緒

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ただし、激しい戦火を潜り抜けた建物はあまりにもオンボロです。少しずつスクラップ&ビルドが進み、オフィスビルやおしゃれなマンションに生まれ変わるようになりました。土地は確保したけれど、資金的には精一杯、あるいは、ハンガリーは冬が長く、工事ができる期間も限られます。建築がはじまるまで、とりあえずこの空地を駐車場として使っている物件もありますが、空き地に簡単なイスとテーブルを並べ、またはオンボロの建物を一部利用し、取り壊すまでに飲み屋として営業したのが廃墟バー(ロム・コチマ[rom kocsma])です。

* 写真はシンプラ・ケルト店内、まだ明るい時間帯。

映画のワンシーンで見るようなアンダーグラウンドな雰囲気

写真:小谷 雅緒

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写真は夜のシンプラ・ケルト。平日の21時でこのにぎわい!!地上階は座る場所を確保できません。

映画のワンシーンで見るようなアンダーグラウンドな雰囲気

写真:小谷 雅緒

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日本語呼称は「廃墟バー」または「廃屋カフェ」で定着しています。コチマ[kocsma]とは飲み屋のことで、どちらかというと労働者がターゲットの庶民的な低価格店です。本来、ハンガリーの飲み屋は本当に飲み物オンリー(アルコール類がメインであるが、コーヒーからジュースまで何でもある)で、食べ物はせいぜい乾きもの程度しかありませんでしたが、現在、多くの廃墟バーでは温かい料理も提供しています。

写真はシンプラ・ケルトの1階(日本での2階)。ここでは外国人が好む定番ハンガリー料理が提供されます。

注文はシンプル、キャッシュ・オン・デリバリー

注文はシンプル、キャッシュ・オン・デリバリー

写真:小谷 雅緒

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まず、飲み物を求めカウンターに行きましょう。数種類の生ビールにワイン、各種カクテルなどのアルコールから、ジュースやコーヒーまで、種類は豊富。シンプラ・ケルトの場合は巨大施設のため、総合カウンターの他、カクテルやワインに特化したカウンタバーもあります。

セルフサービスなので、チップ不要ですが、50〜100Ft以下の釣銭が発生したら、受け取らないのがスマート。(特に女性連れの場合や、カウンタースタッフが自分より若ければ。)

料理はカウンターで注文する場合と、席に座ってからスタッフに声をかけ注文する場合があります。いずれにしても、料理の種類は多くはありません。

本来ならば下町地区の庶民的な店で、セルフサービスにも関わらず、お値段は気持ち高め。生ビール大が300〜400円(比較的高級ブランドのビールを提供)、これはハンガリーの平均的な時給並みか、それ以上です。そのためか、若い人は意外にも少ないです。この廃墟バーが流行りはじめた時代を支えた「元・若者」がメインの客層です。つまり、30〜40代、大人のお店なのです。また、ブダペスト在住の外国人にも知られ、インターナショナルな雰囲気もあり、ハンガリー語があまり聞こえないときも。もちろん、スタッフは英語バッチリOKです。

永遠の廃墟(定住)となったシンプラ・ケルト[Szimpla Kert]

永遠の廃墟(定住)となったシンプラ・ケルト[Szimpla Kert]

写真:小谷 雅緒

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廃墟バーは多くあるけれど、1軒おすすめするならここ!シンプラ・ケルトはベルリンにも進出した出世株です!このジャンルの老舗と言っても過言ではありません。店の規模、支持、雰囲気、どれをとってもNo.1でしょう。20時過ぎから混み始め、21時過ぎると席が埋まってしまい、立ち飲みになるかもしれません。

Szimpla Kert
住所:Budapest7区, Kazinczy u.14
電話:(06)20-261-8669 予約不可
営業時間:12:00〜2:00(週末は3:00までの場合あり) 無休

*写真はシンプラ・ケルトの2階席。まるで温室のような雰囲気ですが、日暮れ以降はアンダーグラウンドな雰囲気が漂います。

だから夏がベストシーズン、これぞ究極のオープンテラス

だから夏がベストシーズン、これぞ究極のオープンテラス

写真:小谷 雅緒

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廃墟・廃屋のため、屋根・壁がなく、ガーデンカフェ的な、春〜秋のみ営業または雨天時縮小営業の店もあります。特徴はその建物だけではありません。使われているテーブルや椅子をはじめとする店舗什器は、すべてアンティークまたはレトロ。同じ顔のものはひとつしてありません。良質の廃墟バーは、タイムスリップしたような雰囲気です。

写真はクーレヴェシュ[Kőleves]という人気店のひとつ。元はふつうのレストランでしたが、成功してエリア内で引っ越し&廃墟バー部門もオープンしました。ただ、ここは廃墟というより空き地利用ですね。

来年はもうないかもしれない・・・。まるでヨーロッパの短い夏のような存在

本来は一時的な営業でスタートしたので、翌年には閉店する店や、オーナーを変える店もあります。あるいは、成功した店はシンプラ・ケルトのような恒久的な店になることもあります。

それでなくてもこのエリアには、廃墟バーをはじめ、さまざまなジャンルの飲食店が軒を連ねる商業激戦区で、まさに栄枯盛衰!

店舗を含む建物及びそれをつなぐ小道など、変化が激しいエリアのため、最新の地図でも注意が必要です。でも、地元民でも新しい発見があり、ブラブラ迷うのも楽しいエリアです。

すてきな雑貨店やギャラリー、短期滞在アパートメントやプチホテルも多く、どれも個性が光っています。

東にカジンツィ通り[Kazinczy u.]、西にカーロイ環状通り[Károly krt.]、南にドハーニ通り[Dohány u.]、北にキラーイ通り[Király u.]、(u.は「通り」、krt.は「環状通り」の略称)に囲まれたエリアを歩き、ブダペストの今を感じてみてください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/05/18 訪問

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