沖縄「勝連城」観光がさらに充実!新施設「あまわりパーク」誕生

沖縄「勝連城」観光がさらに充実!新施設「あまわりパーク」誕生

更新日:2023/01/20 14:54

万葉 りえのプロフィール写真 万葉 りえ レトロ建築探訪家、地域の魅力伝え人
丘陵の上に琉球石灰岩と自然の岩を利用して作り上げられた「勝連城」。「首里城」や「今帰仁城」等とともに世界遺産になっており、勝連城で一番高い場所にある曲輪へと登れば360度の景色ものぞめます。

そんな勝連城跡に、さらに広い駐車場と歴史文化施設「あまわりパーク」がオープン!発掘品はもちろん、ここは映像等でも“魅せる”施設で、観光の充実度もグーンとアップしています。スマホがあればさらに楽しめます。

勝連城の丘のふもとにできた新施設

勝連城の丘のふもとにできた新施設

写真:万葉 りえ

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沖縄の中部。勝連半島と沖にある島々をつなぐ道「海中道路」は観光客に人気のドライブコースです。その半島側にある勝連城は、首里城や今帰仁城などとともに世界文化遺産のひとつ。その城がある丘陵の整備が進み、広い駐車場と歴史文化施設「あまわりパーク」がオープンしています。

「あまわり?」「それって地名?」いいえ、あまわりとはこの地に生きた人物の名。漢字で「阿麻和利」と記します。

勝連城の丘のふもとにできた新施設

写真:万葉 りえ

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大きな窓から光が差し込むその施設内に入れば、あまわりが迎えてくれます。

「DYNAMIC KATHUR…」と書かれたオレンジ色の丸い部分の手前。二人の人物の姿が見えますよね。青い着物が勝連城の第10代目城主あまわり。そして白い着物が百度踏揚(ももとふみあがり)という名のあまわりの妻。琉球王朝の国王の娘で、絶世の美女と言われた人物です。

勝連城の丘のふもとにできた新施設

写真:万葉 りえ

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では、勝連城に入っていくのと同じように、右回りで常設展示室へと入っていきましょう。

勝連城がどんなものなのか。彼らが生きた時代がどのようなものだったか、そして彼ら自身がどんな人生を送ったのか。それらがわかるのはもちろん、ここではお城の見所もしっかりチェックできます。

映像で「魅せる」勝連城

映像で「魅せる」勝連城

写真:万葉 りえ

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展示室は一つの大きな空間で、ここに勝連城の素晴らしさがギュッと詰め込まれています。

沖縄の世界遺産の中で、勝連城は最古の城(ぐすく)。ですから様々なものが発掘されており、それらの一部が入って右側の壁沿いに展示されています。

そこには発掘品についての説明もあるのですが、特に興味を持ったものについてはこちらのタブレットが活躍。何処で出てきたのか、どんな使われ方をしていたのか等、発掘品にまつわる情報がこの中にいっぱい。ぜひ知りたいことをタッチしてみてください。

映像で「魅せる」勝連城

写真:万葉 りえ

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ここでは土日祝にライブが行われるのですが、場所はこの展示室の中心部。スクリーンの前でパフォーマーたちが紹介する勝連城の物語は、迫力も魅力です。

平日だって大丈夫。映像コンテンツも充実していて、あまわりについてや、琉球王国と勝連城の関係についてなどが物語仕立てのアニメでご覧いただけます。

しかも映像は数種あって、どれも長さは7〜8分程度。これを見れば、それまであまり知らなかった勝連城のことがよくわかります。座って見ることもできるので大型スクリーンで楽しみましょう。

自分のスマホでも見られる勝連城の人々

自分のスマホでも見られる勝連城の人々

写真:万葉 りえ

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沖縄の万葉集ともいわれている「おもろそうし」では、あまわりのことを“貴高い人”“名高き人”と表現しています。ライブや映像であまわりの名を覚えたら、勝連に繁栄をもたらしたその第10代目城主あまわりについての展示も見てみましょう。

勝連半島は太平洋の方へ突き出しており、海外貿易の拠点の一つになっていました。発掘では、遠いローマ帝国のコインも出てきています。また、出土したコインや人骨、鬼瓦などが3D復元されてます。自分のスマホで見られるのでQRコードを見つけたらぜひ試してみましょう!

自分のスマホでも見られる勝連城の人々

写真:万葉 りえ

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スクリーンの手前には、15世紀ごろの勝連城が模型で再現されています。それぞれの曲輪の様子や、城の中心へ至る経路などは大きなジオラマだからこそよくわかるはず。

そして、この模型でさらに注目していただきたいのが、いろいろな場所でいろいろなことをしている人物です。

自分のスマホでも見られる勝連城の人々

写真:万葉 りえ

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働いていたり、遊んでいたりと、模型の中たくさんの人物が配されています。そんな人々についても模型の周りに説明があるのですが、それだけではありません。ここでもスマートフォンを取り出して。

画面横のQRコードを読み込んだら、あなたのスマホの中で動いてくれます。

あまわりパークからカートで行ける城跡

あまわりパークからカートで行ける城跡

写真:万葉 りえ

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先史時代からの歴史もあり、美味しい海産物も採れるうるま市。市の説明なども見たら、実際の勝連城へ行ってみましょう。

城跡へは歩いて行けますが、あまわりパークのチケットがあれば、ご覧のカートに乗って行くこともできます。これだと歩きに自信がない方でも四の曲輪近くまで行けるので、城跡をバックに写真も撮れます。もちろん、帰りも利用OKです。

あまわりパークからカートで行ける城跡

写真:万葉 りえ

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この城があるのは標高約98メートルの小高い丘の上。東西に細長く、5つの曲輪で構成されています。

沖縄にはたくさんの神がいて、数百とも数千ともいわれるほど祈りの場があります。勝連城にも神が祀られている御嶽(うたき)がいくつも存在します。主要な場所には説明もあるので、そんな神聖な場所を確かめながら城を登っていきましょう。

技術や文化は貿易品とともに

技術や文化は貿易品とともに

写真:万葉 りえ

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按司(あじ・地域の権力者)の守り神を祀った御嶽は一の曲輪に残っています。その手前にあるのがこちらの石段です。

ちょっと見ただけではわかりにくいのですが、上へ行くほど石段が高くなり、階段の幅が狭くなっています。これで大勢の敵が一度に踏み込むのを防いでいるのです。石垣の作りもよくわかりますよね。

技術や文化は貿易品とともに

写真:万葉 りえ

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堅牢な石垣で守られた一の曲輪まで登ったら、見えるのは360度の景色です。東には島へとつながる海中道路ものぞめます。

山城の作り方が大きく変化したといわれているのが、織田信長の小牧山城です。それまでの土塁に替わって石垣が使われるようになり、1563年に築かれました。しかしこの勝連城の築城時期は、それをさかのぼる12〜13世紀のこと。かつてこの海にやってきた貿易船は、品々とともにこのような技術ももたらしていったのです。

技術や文化は貿易品とともに

写真:万葉 りえ

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さて、他の地域が早春や晩秋の頃でも沖縄ではかなりの暑さになる日があります。さらに城跡には日よけもあまりありません。城跡へと登っていく前に、水分の準備をしておきましょう。忘れた方にはあまわりパークの観光案内所がおすすめです。小さいけれど地元の特産品が置かれており、ご覧の水なども購入できます。

あまわりパークがオープンしてさらに充実した勝連城。歩きやすい靴で、ぜひ琉球史の重要舞台の一つに立ってみてください。

勝連城跡「あまわりパーク」の基本情報

住所:沖縄県うるま市勝連南風原3807番地2
電話番号:098-978-2033
アクセス:那覇空港から沖縄自動車道経由で約60分
所要時間の目安:あまわりパーク歴史文化施設と勝連城跡の観覧と登城で1時間30分程度

※施設が新しいためレンタカーのナビに表示されない場合がありますが、勝連城跡を目指し、以前作られていた駐車場を目印にしてください

2023年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。

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