奇祭「砂かけ祭」も!奈良・廣瀬大社は水神を祀るパワースポット

奇祭「砂かけ祭」も!奈良・廣瀬大社は水神を祀るパワースポット

更新日:2023/02/14 14:34

モノホシ ダンのプロフィール写真 モノホシ ダン 総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者
奈良県北葛城郡河合町にある廣瀬大社は、奈良盆地を流れる河川の合流地点にあり、農耕・治水の神として古くから信仰されてきました。また廣瀬大社で、毎年2月11日に行われる恒例の祭事「砂かけ祭」は、奈良県を代表するお祭りの一つです。水神を祀り、衣食住の守護神である廣瀬大社で、五穀豊穣や家内安全を祈願し、奇祭として知られる砂かけ祭を楽しんでみませんか?

大和の水神を祀る「廣瀬大社」とは

大和の水神を祀る「廣瀬大社」とは

写真:モノホシ ダン

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廣瀬大社は、所在地の河合町の地名通り、高田川、飛鳥川、曽我川など大和盆地を流れる総ての河川が、大和川に一点に合流する重要な地に祀られています。

神社の創建は、今から約2100年前の崇神天皇の時代まで遡ります。ある日、河合の里長に神様からの託宣があり、一夜にして沼地が陸地に変わり、縁起の良い樹木とされる橘が多く生えました。これを伝え聞いた天皇が社殿を建てて祀ったことが由来です。

主祭神は、水神の若宇加能売命(わかうかのめのみこと)で、近くの龍田大社の風神とともに厚く信仰されてきました。

大和の水神を祀る「廣瀬大社」とは

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入口の一の鳥居から二の鳥居までの参道はとても長く、鎮守の森の中を行くような感じです。この間に日吉社、稲荷社、祓戸社などが左右に並んでいます。

写真は「日の丸大明神」と呼ばれる稲荷社。日本国を思わせるような名前で、1805年(文化2年)、京都の伏見稲荷大社より分霊されました。商売繁盛の霊験あらたかな神として篤く信仰されています。

大和の水神を祀る「廣瀬大社」とは

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変わった物では、日露戦争の戦利品である奉納大砲が。ほかに奈良県では、漫画『鬼滅の刃』で、一躍有名になった葛木坐火雷神社(笛吹神社)にもロシア製の奉納大砲があり、第二次世界大戦で供出を免れた貴重な大砲として知られています。

廣瀬大社の社紋である「橘」の由来は

廣瀬大社の社紋である「橘」の由来は

写真:モノホシ ダン

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朱色が鮮やかな二の鳥居は、風神を祀る龍田大社と同じく、風格ある両部鳥居です。ここからは拝殿をのぞむことができます。

廣瀬大社の社紋である「橘」の由来は

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二の鳥居に掲げられている「廣瀬社」の扁額は、大和郡山藩の第3代藩主、柳沢保光(やなぎさわやすみつ)の揮毫によるものです。

廣瀬大社の社紋である「橘」の由来は

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境内にはたくさんの橘の木があります。柑橘類の樹木である橘は、一年を通じて葉が緑色であること、黄色の実が長い間残ることから縁起がいいとされている花木です。

ちなみに、廣瀬大社の社紋が橘であることは、先述の社伝に起因しています。また、拝殿の西側にある小池は沼地が一夜にして陸地と化した水足池(みずたるのいけ)の跡地といわれ、池の淵にはひっそりと水足明神の祠があります。

廣瀬大社で一番古い春日造の「本殿」

廣瀬大社で一番古い春日造の「本殿」

写真:モノホシ ダン

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神社の参拝の楽しみの一つはおみくじです。おみくじは、橘の木の周りに括り付けましょう。その隣には、砂かけ祭を彷彿とさせる大きな砂が盛られています。

廣瀬大社で一番古い春日造の「本殿」

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廣瀬大社の拝殿の前は一面の砂になっています、これは、砂かけ祭によるもので、拝殿前の広場を田圃に見立て、田植の所作を行なう神事です。また拝殿付近では、春は桜、5月は橘、6月は花菖蒲を背景に美しい撮影が楽しめます。

廣瀬大社で一番古い春日造の「本殿」

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廣瀬大社で一番古い建造物が、春日造の本殿(県指定文化財)です。檜皮葺きの本殿は、1711年(正徳元年)に再建されたもので、朱塗極彩色で造営されています。

万全の防砂対策をして見学したい「砂かけ祭」

万全の防砂対策をして見学したい「砂かけ祭」

写真:モノホシ ダン

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祈願絵馬には、砂かけ祭がデザインされています。砂かけ祭は、境内に敷き詰められた砂を雨に見立て、互いに砂をかけあって五穀豊穣を祈願する御田植祭(おたうえさい)で、『日本書紀』には、675年(天武天皇4年)より始まったことが伝えられています。

お祭りは「殿上の儀」が10時30分から。拝殿前の広場で行われる砂をかけあう「庭上の儀」が14時からの2部構成になっています。一般的に知られているのは庭上の儀です。

万全の防砂対策をして見学したい「砂かけ祭」

写真:モノホシ ダン

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庭上の儀は、拝殿前の広場に青竹を4本立てて、注連縄を張り臨時の田圃を作ります。やがて太鼓の合図とともに、田人(お百姓)と木製の牛面をかぶった牛役が出て田作りの所作をします。

その際に、田人・牛役と参拝者とが砂をかけあうことから「砂かけ祭」と呼ばれます。この神事で、暴れ方が激しいほど豊作であるといい、雨になぞらえられた砂は掛け合いが激しくなるほど雨量が多くなると言われています。

写真は、2019年(平成31年)、奈良県各地の伝統行事が楽しめる「大立山まつり 奈良ちとせ祝ぐ寿ぐまつり」で紹介された「砂かけ祭」の様子です。

万全の防砂対策をして見学したい「砂かけ祭」

写真:モノホシ ダン

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さらに砂かけ祭では、河合町のイメージキャラクター「すな丸」もやってきます。すな丸は、砂かけ祭が大好きな子供の姿をした精霊で、頭に牛のお面をのせています。

写真は、2023年(令和5年)、「大立山まつり 奈良ちとせ祝ぐ寿ぐまつり」の「ゆるキャラ大集合」に登場したすな丸くんです。

なお、砂かけ祭の見学の際は、大量の砂を被りますのでカッパやゴーグルなど万全の防砂対策で臨みましょう。

<砂かけ祭の基本情報>
開催日:毎年2月11日(祝)
開催時間:10:30〜15:30頃

廣瀬大社の御朱印とおすすめの授与品は

廣瀬大社の御朱印とおすすめの授与品は

写真:モノホシ ダン

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廣瀬大社の御朱印は、橘の社紋が押され、水神の文字が墨書きされたものです。授与品では、「すな守」「橘まもり」がおすすめです。すな守には、町のイメージキャラクター「すな丸」がついています。橘まもりは、神社の神木である橘の花をツゲの木で作製したものです。

様々な御神徳がいただける廣瀬大社で、お参りと大和の奇祭「砂かけ祭」を満喫してください。

廣瀬大社の基本情報

住所:奈良県北葛城郡河合町川合99
電話番号:0745-56-2065
アクセス:JR関西本線(大和路線)「法隆寺駅」から徒歩約30分
車利用の場合は、西名阪自動車道「法隆寺IC」から約10分、無料駐車場利用

2023年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2019/01/26−2023/02/04 訪問

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