写真：万葉 りえ
地図を見る土手に並ぶ河津桜に、城跡の石垣を彩るソメイヨシノ。たくさんの桜が咲いている風景といえば、同じ品種が咲いている景色がうかぶ方が多いでしょう。
しかし今回ご紹介する桜の名所は、240種、3000本が植えられている桜の園。敷地もゆったりで、「桜の花を訪ね歩いて観賞する」という意味の「桜狩り」という言葉が似合う公園です。
写真のように、違った色合いの桜が重なり合う様も見られます。それが「桜華園」と名付けられた桜の山です。
写真：万葉 りえ
地図を見る看板の「桜」の文字が桜の花で隠れていますが、桜華園があるのは兵庫県神河（かみかわ）町にある山。15ヘクタールもの広さを使って、太陽光がたくさん当たるようにと余裕をもって植えられ、桜がのびのび育っています。
ここでは9月末から桜が開き始め、翌年の5月まで様々な品種が咲いていきます。その中には、たくさんの花びらをつけるだけでなく、秋に花を付けた後に4月にも花をつけるという、あまり目にすることがない品種も植えられています。
写真：万葉 りえ
地図を見る皇后陛下雅子様にあやかって命名された「プリンセス雅」は、花の色がめずらしい紫がかった紅色。
そしてこちらは、アメリカ・ワシントンのポトマック河畔に植えられているソメイヨシノの子孫と考えられている桜です。「アメリカ」と名付けられていて、花はソメイヨシノより大きく、色も薄紅色。日本産の桜だけでもたくさんあるのですが、このように逆輸入になった桜も見られます。
写真：万葉 りえ
地図を見るさらに個人が記念に植樹した桜もあります。まだ小さい桜もありますが、きっと日当たりのよい環境で世話をされ、年々大きく見ごたえのある木に育っていくはずです。
園内では、メインになる遊歩道の間に、少し細めの路が幾すじも作られています。どこにどんな桜があるのか、また、咲く時期はいつなのか。入り口で解説や地図が入ったパンフレットをもらえます。それを参考に、お目当てに向かうもよし、気ままにゆったり進むもよし。
ただし、遊歩道には高低差もあります。体力や脚力に合わせて巡りましょう。
写真：万葉 りえ
地図を見る山の上の方にはあづまやが建てられています。これはその近くから「桜の広場」と名付けられた辺りを写したもの。訪れた人々がベンチに座ったり、敷物を広げたりしてお弁当などを味わっている様子が見られます。
上の方に行く場合も、細道を登るだけでなく、広めの遊歩道を使ってなだらかに上がっていくこともできます。脚力に自信がある方は上からの桜も楽しんでみてください。
また、こちらでは4月中旬ごろから斜面でわらびの姿を見つけることができます。片手では持ちきれないほど収穫する方もいるので、時期が合えば山里のめぐみも探してみてください。
写真：万葉 りえ
地図を見る世界遺産の姫路城がある姫路市から北に向かって延びる播但連絡道路。この道は山陽自動車道や中国自動車道とも便利につながっています。「桜華園」があるのはその播但道を神崎南ランプで降りたらすぐの場所。ですから、姫路城の観光等と合わせることも可能です。
もし、どこかでお弁当を調達して行きたい方は、道の駅「銀の馬車道･神河」へ寄ってみましょう。ここには地元産の美味しい巻き寿司やいなり寿司があり、そして「お弁当お惣菜大賞」で賞をとった大河ドラマのロケ弁もテイクアウトできます。
神河町には「平清盛」や「軍師官兵衛」などのドラマや、映画「ノルウェイの森」の撮影地となった砥峰高原や峰山高原があり、少し北に行けば日本の近代化を支えた生野銀山の見学もできます。ぜひ好みの場所と合わせて、「桜華園」でゆったりと桜狩りを楽しんでください。
住所：兵庫県神崎郡神河町東柏尾146番地
電話番号：0790-32-2299 （オフシーズン・神河町地域振興課0790-34-0971）
アクセス：山陽自動車道「姫路東IC」経由、中国自動車道「福崎IC」経由、播但連絡道路「神崎南R」下車すぐ
開園機関：3月春分の日〜5月上旬
駐車場：あり
桜華園の入り口は神社の参道と重なっており、総合案内所の奥に古墳と神社が一つになった笠森稲荷神社があります。こちらは皮膚の病によく効く力をお持ちと伝わっています。
2023年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください
この記事を書いたナビゲーター
万葉 りえ
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