写真:佐藤 らなこ
地図を見るまずは「本荘郷土資料館」のお雛様から。
こちらは鈴木家の御殿雛です。京都御所の紫宸殿(ししんでん)を模して作られたもので、正殿、奏楽殿、脇殿と三殿造りで、高廻廊でつながっています。皇室から下賜された品と伝えられ、屋根には菊花の紋章が施されています。
御殿本体は多くのパーツによって構成され、釘は使われていません。制作は江戸時代の末頃とされています。
写真:佐藤 らなこ
地図を見るこちらは第11代本荘藩主・六郷政鑑(まさあきら)の娘・賀子(よしこ)様の結婚祝いに送られた古今雛です。現在は菩提寺である永泉寺に寄贈されています。小ぶりなお雛様は可愛らしさと美しさの両方を兼ね備えています。
写真:佐藤 らなこ
地図を見る圧巻なのは賀子様の雛道具!約50種類約450個という数もですが、精巧な作りはミニチュア好きにはたまらないでしょう。1辺約5cmのお膳やさらに小さなお椀やお皿には、黒漆に金蒔絵が施されています。これらを作った当時の職人の技にも驚きを隠せません。ひとつひとつをどうぞじっくりご覧ください。
<基本情報>
住所:秋田県由利本荘市石脇字弁慶川5
電話番号:0184-24-3570
アクセス:JR羽後本荘駅から車で約10分
入館料:100円
写真:佐藤 らなこ
地図を見るつづいては本荘公園の中にある「修身館」のお雛様。
こちらは修験者であった時岡家の古今雛です。江戸時代の終わり頃から明治時代の初めに制作されたものとされています。清楚な顔立ちが印象的なお雛様です。
写真:佐藤 らなこ
地図を見るこちらは渡邉家の享保雛です。お雛様を収納する桐箱には「天保九年浄雲院様御遺物」と書かれています。「浄雲院様」とは第9代本荘藩主・六郷政恒(まさつね)の奥方鉄姫様のこと。若くしてお亡くなりになり、遺品として本荘に運ばれたものとされています。
享保雛とは江戸中期に流行した雛のこと。面長で能面のような顔立ちと豪華な衣装、そして女雛の袴を大きく膨らませているのが特徴です。
こちらのお雛様の高さは約45cm。段飾りではなく、台に赤い布を敷きお供えなどを並べていたため、人形も大型に作られています。
写真:佐藤 らなこ
地図を見るこちらは本荘藩の上級武士佐々木家の古今雛です。目にガラス玉をはめ込むなど写実的なのが古今雛の特徴で、衣装に金糸を使うなど大変華やかです。現代雛の原型と言われています。
<基本情報>
住所:秋田県由利本荘市尾崎(本荘公園内)
電話番号:0184-28-4722
アクセス:JR羽後本荘駅から車で約5分、または徒歩約20分
入館料:無料
写真:佐藤 らなこ
地図を見る「亀田城佐藤八十八美術館」で展示されているお雛様は約550体。5会場の中で最も多く、見応えがあります。
こちらは早川家の押絵雛です。
秋田県ではこどもが生まれると、その子の身代わりとなるような人形を贈る風習がありました。押し絵はそのひとつで、お雛様の他、天神様や恵比寿、大黒、歌舞伎など様々な題材で制作され、節句の折には一緒に並べたそうです。
写真:佐藤 らなこ
地図を見るこちらは加藤家のお雛様です。
第6代亀田藩主・岩城隆恕(たかのり)の12番目の娘・於豊(おとよ)様の誕生祝いに江戸から持参されました。家老であった加藤家に岩城氏の子どもたちがよく遊びにいっており、その御礼として贈られたものと言われています。
写真:佐藤 らなこ
地図を見るこちらは先ほどとは異なる加藤家のお雛様で、享保雛でもこの地区で最も古いものと言われています。女雛の袖口の形や男雛の腰や肘の形などが他とは異なり、特徴的です。
<基本情報>
住所:秋田県由利本荘市岩城下蛇田字高城4
電話番号:0184-74-2500
アクセス:JR羽後亀田駅から車で約10分、または松ヶ崎亀田ICから車で約5分
入館料:210円
写真:佐藤 らなこ
地図を見るこちらは「出羽伝承館」に展示されている古今雛です。男雛の着物の竜の刺繍がかっこいいですね!優しく気品のあるお顔立ちに心が洗われていく気がします。
こちらは八橋人形のお雛様です。八橋人形とは京都の人形師によって土人形に絵付けしたものが始まりで、江戸時代に秋田市八橋に伝わったものです。比較的手頃な土人形を少しずつ買い足し、飾っていたと言われています。
写真:佐藤 らなこ
地図を見る「出羽伝承館」は5会場の中で最もコンパクトで見やすく、駅や高速道路のICから近いこともあり、見学する時間があまりない方にもおすすめです。
<基本情報>
住所:秋田県由利本荘市岩谷町字西越36
電話番号:0184-62-0505
アクセス:JR羽後岩谷駅から徒歩5分、または大内ICから車で約5分
入館料:無料
「矢島郷土資料館」のある由利本荘市矢島地域は、江戸時代に生駒家が治めた城下町として栄えたところです。
こちらは生駒家の家臣・小野家の古今雛です。制作は江戸後期から明治初期のものと言われています。2023年の「由利本荘ひな街道」のチラシやポスターのメインに掲載されているのがこちらのお雛様です!
写真:佐藤 らなこ
地図を見るこちらは堀内家の古今雛です。
注目していただきたいのは、写真いちばん下の段の人形5体です。道具がなかったため、お茶を飲みながら歓談する女性たちとされてきましたが、手の形より女5人囃子ではないかと言われています。
写真:佐藤 らなこ
地図を見る酒造業を営んでいた須貝家の古今雛です。矢島9代藩主・生駒親章の奥方(寿姫)の実家である喜連川家の二引両紋が施された雛道具も伝わっています。
また、古今雛は目にガラス玉を入れるのが一般的ですが、こちらのお雛様は描かれているのが特徴です。
<基本情報>
住所:秋田県由利本荘市矢島町七日町字羽板64-1
電話番号:0184-56-2203
アクセス:由利高原鉄道鳥海山ろく線矢島駅より徒歩5分
入館料:無料
同じ由利本荘市内でも時代背景や地域の特色により様々な種類のお雛様があることに驚かされます。これまで大切に受け継がれてきたお雛様を通して、歴史を知ることができるのも面白いですね。
ここでご紹介したのは、約1,200体のうちの一部のお雛様です。ぜひ5つの会場すべてに足を運んで、ゆっくりじっくりご覧になってください。そして、あなたのお気に入りのお雛様を見つけてください。
2023年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/12/12更新)
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