桜並木のトンネルも!奈良「唐古・鍵遺跡史跡公園」さくらまつり

桜並木のトンネルも!奈良「唐古・鍵遺跡史跡公園」さくらまつり

更新日:2024/03/07 11:29

モノホシ ダンのプロフィール写真 モノホシ ダン 総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者
奈良県磯城郡田原本町にある「唐古・鍵遺跡史跡公園(からこ・かぎいせきしせきこうえん)」は、県内唯一の弥生時代の史跡公園です。遺跡のシンボルである「復元楼閣」が建つ池の周りは桜並木となっていて、春にはさくらまつりも開かれます。古代の不思議な建物と満開の桜は、他では見られない絶景です。遥か古代のロマンに思いを馳せて、日本の美しい春を満喫してみませんか?

弥生時代の巨大な環濠集落「唐古・鍵遺跡史跡公園」とは

弥生時代の巨大な環濠集落「唐古・鍵遺跡史跡公園」とは

写真:モノホシ ダン

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唐古・鍵遺跡は、いまから約2000年前、弥生時代前期から約700年にわたり存在した巨大な環濠集落跡です。遺跡の面積は、約42万平方メートル(甲子園球場10個分)もあり、近畿地方で最大級の集落でした。

最盛期の人口は約900人で、集落の中には祭殿を思わせるような畳50畳分の広さの大規模な建物、米を貯える高床式倉庫、一般の人々が住んだ竪穴式住居、井戸、石器や青銅器を作る工房などがありました。

弥生時代の巨大な環濠集落「唐古・鍵遺跡史跡公園」とは

写真:モノホシ ダン

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また集落の周囲には幅8メートル、深さ1メートルもある巨大な内濠(環濠)が巡らされていて、この内濠の外側にはさらに5〜8条の外濠があり、まるで砦のようになっていました。

これらの環濠は、集落を洪水や外敵から守るために作られたもので、このため集落は、弥生時代前期(紀元前6世紀)から後期(紀元3世紀)までの長期間、栄えることになったのです。

弥生時代の巨大な環濠集落「唐古・鍵遺跡史跡公園」とは

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公園内の中心にある「唐古池」は、江戸時代後期に造られた農業用のため池です。池の大きさは東西約100メートル、南北約200メートルの長方形で、地域の方によって植えられた桜が池を囲んでいて、春にはとても美しい桜のトンネルが現れます。

唐古・鍵遺跡史跡公園のシンボルタワー「復元楼閣」

唐古・鍵遺跡史跡公園のシンボルタワー「復元楼閣」

写真:モノホシ ダン

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唐古池の周囲は短時間で巡ることができ、ウォーキングにも最適です。池の周りの遊歩道にはベンチもありますので、咲き誇る桜を愛でながらお弁当を広げるのもいいでしょう。

唐古・鍵遺跡史跡公園のシンボルタワー「復元楼閣」

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唐古・鍵遺跡史跡公園のシンボルタワーと言えるのが、高さ約13メートルの「楼閣」です。ここ唐古・鍵遺跡で、出土した紀元前1世紀頃の壺に描かれた絵画をもとに復元されたものです。

復元楼閣は、唐古池のほとりに建ち、凪いだ時には、楼閣と桜が水面に映る幻想的な光景が見られます。

唐古・鍵遺跡史跡公園のシンボルタワー「復元楼閣」

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楼閣は、刻み梯子で登る高床式の建物です。欄干の2階部分には3羽の鳥、屋根にはユニークな渦巻飾りがついているのが特徴です。

宗教的な建物として遺跡内のどこかに建てられていたと推定され、唐古・鍵遺跡のキャラクター「楼閣くん」のモデルにもなっています。

お花見の定番スポット「桜と菜の花」のコラボも楽しい

お花見の定番スポット「桜と菜の花」のコラボも楽しい

写真:モノホシ ダン

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唐古・鍵遺跡史跡公園では、お花見の定番スポット、桜と菜の花のコラボをみることができます。

お花見の定番スポット「桜と菜の花」のコラボも楽しい

写真:モノホシ ダン

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楼閣の近くには、大型建物跡を高さ2メートルの柱で表現し、そのそばには直径5メートルほどの井戸跡も復元されています。

お花見の定番スポット「桜と菜の花」のコラボも楽しい

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変わったものでは、太平洋戦争の遺跡も。写真の八角形のコンクリート構造物は、戦争末期に造られた高角砲の台座です。ここから約2キロメートル東にあった海軍柳本飛行場を守るために、その周辺に置かれた数基の砲台のひとつです。

楼閣が描かれた土器のレプリカがある「遺構展示情報館」

楼閣が描かれた土器のレプリカがある「遺構展示情報館」

写真:モノホシ ダン

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咲き誇る桜を楽しんだら、公園の入口にある「遺構展示情報館」に行ってみましょう。ここでは、遺跡の発掘調査で見つかった大型建物跡の柱穴を形取りして、実寸大に再現した模型を展示しています。

柱穴は19か所で、建物は前述の通り畳50畳分の広さがあり、弥生時代中期では最大級のものです。

楼閣が描かれた土器のレプリカがある「遺構展示情報館」

写真:モノホシ ダン

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遺構展示情報館での必見は、楼閣が描かれた土器のレプリカです。弥生時代の絵画土器として、最も著名なもので、この土器片には渦巻の棟端飾りがついた屋根が上下に2つ描かれているのが分かります。

この建物は、2階建て以上の建物と考えられ、当時としては珍しい重層建築物でした。

楼閣が描かれた土器のレプリカがある「遺構展示情報館」

写真:モノホシ ダン

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「まつりの風景」とタイトルが付けられたジオラマは、弥生時代の人々が神々に自然の恵みを祈る2つの場面を表しています。一つは盾と戈(ほこ)を持つ男性が模擬戦を行い、豊作を願う儀礼の場面。

もう一つは、両手を挙げた女性が稲魂(いなだま)を活性化させ、別の女性が鹿の血をかけた種籾(たねもみ)をみんなに配る場面です。

なお、ジオラマの高床建物の屋根にも、渦巻の棟端飾りがついているのが面白いです。

<遺構展示情報館(公園事務所)の基本情報>
電話番号:0744-34-5500
さくらまつり期間中の開館時間:9:00〜20:00(最終入館19:30)

唐古・鍵遺跡史跡公園の観光拠点「道の駅 レスティ唐古・鍵」

唐古・鍵遺跡史跡公園の観光拠点「道の駅 レスティ唐古・鍵」

写真:モノホシ ダン

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唐古・鍵遺跡史跡公園の近くのランチスポットでは、国道を挟んで向かい側にある「道の駅 レスティ唐古・鍵」が。3階建ての建物で、カフェ、ベーカリー、特産品直売所、展望エリアなどが設けられています。ちなみに“レスティ”とはイタリア語で、遺跡を意味します。

唐古・鍵遺跡史跡公園の観光拠点「道の駅 レスティ唐古・鍵」

写真:モノホシ ダン

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建物の2階には、レストラン「からこカフェ」が入っています。ここでのイチ押しメニューが、国産牛ローストビーフ丼。唐古・鍵遺跡史跡公園がある田原本産のお米を使い、口の中でホロリとトロけ広がる肉汁はたまらない食感です。

ほかには、同じく田原本産のお米を使った、ふわトロ極オムライスも人気です。

唐古・鍵遺跡史跡公園の観光拠点「道の駅 レスティ唐古・鍵」

写真:モノホシ ダン

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3階の展望エリアからは、遺構展示情報館と楼閣を一望できます。桜の花咲く春爛漫の唐古・鍵遺跡史跡公園で、お花見と美食を満喫してください。

<道の駅 レスティ唐古・鍵の基本情報>
住所:奈良県磯城郡田原本町唐古70-1
電話番号:0744-33-9170
営業時間:9:00〜18:00(からこカフェは17:00まで)
アクセス:近鉄橿原線「石見駅」下車、徒歩約20分
車利用の場合は、京奈和自動車道「三宅IC」から約10分 専用駐車場利用

2000年の時を超えて弥生時代を体感できる公園でお花見を!

いかかでしたか。国の史跡にも指定されている「唐古・鍵遺跡史跡公園」は、2000年の時を超えて弥生時代を体感できる公園です。そしてここは、奈良県でも有数のお花見スポットです。さくらまつりの期間中には、唐古池の周りでライトアップも行われます。

公園は、奈良県の主要幹線道路の国道24号線沿いにあり、交通も便利なので、ぜひ訪れてみてはいかかでしょうか。

2024年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2021/03/29 訪問

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