ダイナミックな枯山水に圧倒される!和歌山「粉河寺庭園」

ダイナミックな枯山水に圧倒される!和歌山「粉河寺庭園」

更新日:2023/07/13 15:42

島塚 渓のプロフィール写真 島塚 渓 トラベルライター
和歌山県紀の川市にある粉河寺(こかわでら)は、1000年以上の歴史を持つ名刹として今でも多くの参拝者が訪れています。境内の貴重な建物と並んで人々を魅了しているのが、国の名勝に指定されている枯山水庭園です。珍しい石を中心に造園された枯山水は、他ではなかなか見ることができない迫力十分の庭園なので、ぜひ実際に足を運んでみてください。

巨大な境内を有する由緒ある寺院

巨大な境内を有する由緒ある寺院

写真:島塚 渓

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粉河寺は宝亀元年(770年)に創建され、古くから厚い信仰を集めていました。最盛期には寺領4万石を有した大寺院でしたが、天正13年(1585年)に豊臣秀吉の紀州征伐によって境内の建物と宝物の多くが焼失してしまいます。享保5年(1720年)に建てられた本堂をはじめ、現在見ることができる建造物の多くが江戸時代に再建されたもので、3万5千坪の広大な境内には、20を超える堂塔伽藍が建ち並んでいます。

巨大な境内を有する由緒ある寺院

写真:島塚 渓

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境内入り口にあたる大門から本堂までは、石畳の参道が約200メートル続いています。朱色が美しい大門は江戸時代の宝永4年(1707年)に再建され、両側には迫力のある金剛力士像が安置されています。また、本堂の手前にある中門は天保3年(1832年)に完成し、勇壮な四天王が祀られています。

本堂の前に造園された枯山水庭園

本堂の前に造園された枯山水庭園

写真:島塚 渓

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本堂の手前に造園されているのが、国の名勝に指定されている粉河寺の庭園です。本堂とその下の広場との3メートルとの高低差を活かし、階段を挟んだ両側に横方向に広がるように造られています。龍安寺など著名な寺院の枯山水庭園が建物の奥に置かれているのに対し、粉河寺の庭園は本堂の前の崖地を利用して造られた特殊な枯山水です。

詳しい作庭の年代は分かっていませんが、桃山時代から江戸時代初期にかけて活躍した武将で茶人の上田宗箇(うえだそうこ)が作庭に関わっていると考えられています。豪快な石組は上田宗箇が作庭したと伝わる「徳島城表御殿庭園」や「阿波国分寺庭園」と類似しており、桃山時代の力強い雰囲気を感じさせます。

本堂の前に造園された枯山水庭園

写真:島塚 渓

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粉河寺庭園の見所は、複数の岩石を組み合わせ自然の風景や宗教的な世界観を表現した石組にあります。その代表例が滝が落ちる様子を再現した「枯滝石組」で、背後に石を用いて山を表わし、山のあいだから水が流れ落ちる様子をイメージさせています。枯滝石組の上部には石を伏せて表現した橋が架けられ、山水画のような雰囲気を感じさせる情景を生み出しています。

岩石や植物に注目したい庭園

岩石や植物に注目したい庭園

写真:島塚 渓

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粉川寺庭園では、和歌山市で採取された「琴浦の紫石」や紀の川市南部にある竜門山で採れた「竜門石」などの珍しい岩石を多数使用しています。なかでも景勝地として有名な雑賀崎で採れる「青石(緑泥片岩)」は庭内の主要な石材となっています。この石は暗緑色でツヤのある美しさを備えているため、古くから日本を代表する庭石として重宝されてきました。

岩石や植物に注目したい庭園

写真:島塚 渓

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石組みが中心の粉河寺では、ツツジの刈込みが石の隙間を埋めるように配置されています。さら南国らしい雰囲気を感じさせるソテツなどの植物が枯山水庭園のアクセントとして効果的に利用されています。厳しい印象を与える岩石と柔らかさ植物とのコントラストが庭園のひとつの魅力となっています。

粉河寺の基本情報

住所:和歌山県紀の川市粉河2787
拝観料:庭園無料(本堂の内陣拝観は400円)
アクセス:JR和歌山線・粉河駅下車、徒歩15分

2023年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2022/11/27 訪問

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