「ツークシュピッツェ」ドイツの最高峰は青と白が広がる絶景ゲレンデ

「ツークシュピッツェ」ドイツの最高峰は青と白が広がる絶景ゲレンデ

更新日:2024/01/08 11:07

浅井 みら野のプロフィール写真 浅井 みら野 総合旅行業務取扱管理者、全国通訳案内士(英語)、世界遺産検定2級、JSBA スノーボード バッジテスト 1級
マッターホルンなどの名山が連ねるアルプス山脈。フランスやイタリアを想像しますが、実はドイツにもまたがっています。しかも、その中の「ツークシュピッツェ(Zugspitze)」は標高2,962mとドイツ最高峰。情緒ある登山電車と近代的なロープウェイで向かう2つの方法があり、山を登ることなく頂から絶景を誰もが望めるのが魅力です。スキー場もあり、青空と雪面に囲まれての滑走は忘れられない思い出になります。

トップ・オブ・ジャーマニーの人気&穴場コース

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写真:浅井 みら野

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1年のうち7カ月は雪が残っていると言われるツークシュピッツェ。標高2,000mから2,720mの間に広がるスキー場はコース数13、リフトは2本に加え、ヨーロッパに多いTバーが3本設けられています。

規模としては大きくないかもしれませんが、木々さえ姿を消す大地には銀白の雪面が広がり、そこを取り囲む急峻な山々、そして宇宙を彷彿させる濃い群青の空という光景は静謐な美しさに溢れています。

トップ・オブ・ジャーマニーの人気&穴場コース

写真:浅井 みら野

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植物などの遮蔽物がないので、コースらしいコースはあってないようなもの。それでも隣接し合う「アスペン ラン(Aspen Run)」と「ゾンネンカー(Sonnenkar)」はスキー場到着してすぐ目の前にある人気のコースです。

トップ・オブ・ジャーマニーの人気&穴場コース

写真:浅井 みら野

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一方、スキー場中央に位置する「バイセス タール ズード(Weisses Tal Sud)」は、長距離のTバーを経て到達するコースなため、人もまばら。永遠に続きそうな直線コースを滑走すれば、そのまま絶景に吸い込まれそうな没入感を味わえます。

最奥は多彩な滑りを堪能できるエリア

最奥は多彩な滑りを堪能できるエリア

写真:浅井 みら野

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スキー場最奥のリフト「ヴェッターヴァンデック(Wetterwandeck)」からは4本のコースに接続でき、多彩な滑りを堪能できます。初級者コースの「ヴェッターヴァンデック」は緩やかな傾斜で、目の前にそびえるツークシュピッツェを望むコースになっています。

最奥は多彩な滑りを堪能できるエリア

写真:浅井 みら野

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右へ左へとコースが曲がりくねる「パノラマアプファルト(Panoramaabfahrt)」は視界が大きく変化するのが特徴。ツークシュピッツェなど周囲の雪嶺を見渡し、その後は遠山が控える山峡へとコースが続きます。

動画:浅井 みら野

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滑走距離も長いので、景色に加えて、滑りごたえも十分。途中、上り坂が連続するウェーブも登場するなど、エンターテインメント性もあるコースです。

オーストリア側、ドイツ側の2つある展望台

オーストリア側、ドイツ側の2つある展望台

写真:浅井 みら野

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冬のツークシュピッツェを訪れるのはスキーヤー、スノーボーダーだけとは限りません。ふもとから出ているロープウェイは一般の観光客も利用でき、一気に山頂へ到達できます。

山頂より低い場所にあるスキー場からもロープウェイが出ていて、スキー場のリフト券で乗車可能。休憩ついでにドイツの最高地点からの眺めを満喫できます。

オーストリア側、ドイツ側の2つある展望台

写真:浅井 みら野

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展望台の屋外スペースからは360°のパノラマ風景がお待ちかね。北側に目を向ければ屹立した山々に挟まれながらも、たくましく暮らすふもとの町並みが見渡せ、ひたむきな雪国の底力が垣間見えます。

オーストリア側、ドイツ側の2つある展望台

写真:浅井 みら野

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反対の南側は平らな土地は一切なく、幾重にも山脈が連なる様子が見られます。すぐ先には、さっきまで自分がいたスキー場も一望でき、改めて自分がいかに雪深い場所にいたのかを再認識するはず。

ツークシュピッツェはドイツとオーストリアの国境にある山で、両国で展望台とロープウェイをそれぞれ設けています。展望台同士はつながっていて、見える景色もさまざま。ぜひ、ぐるりと一周して高峰からの景色を堪能されるのがおすすめです。

スキー客と一般観光客で賑わうレストラン

スキー客と一般観光客で賑わうレストラン

写真:浅井 みら野

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レストランはスキー場に1カ所、そして、展望台に1カ所。スキー場の方はオープンテラスもあり、寒いながらも青空の下で食事を取る人が多いです。

スキー客と一般観光客で賑わうレストラン

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展望台のレストランでは絶景と食事の両方を堪能できるとあって、一般の観光客も多く訪れます。

スキー客と一般観光客で賑わうレストラン

写真:浅井 みら野

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セルフサービス式なので、カウンターで自分が食べたいメニューを注文します。イタリア料理やドイツ料理から選べ、特に牛肉を煮込んだ「グラーシュ(Gulasch)」、ショートパスタの「シュペッツレ(Spatzle)」はこの地方の定番料理です。

ツークシュピッツェの行き方

ツークシュピッツェの行き方

写真:浅井 みら野

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ツークシュピッツェに向かう際、拠点となるのが山麓の町「ガルミッシュ=パルテンキルヒェン(Garmisch-Partenkirchen)」です。冬季オリンピックが開催された歴史があり、ドイツ国内で3番目の規模を誇るミュンヘンからは直通電車で1時間半ほど。

そこの中央駅より200mほど離れた場所から登山鉄道「バイエルン・ツークシュピッツ鉄道(Bayerische Zugspitzbahn)」が出発し、終点「ツークシュピッツプラット(Zugspitzeplatt)」駅までは約80分。乗客の要望次第で、周辺のスキー場や湖に停車することも。

ツークシュピッツェの行き方

写真:浅井 みら野

スキー場のリフト券が乗車券代わりなので、多くのスキーヤーやスノーボーダーも登山鉄道を利用します。スキー板は車体の横に置けるようになっていて、スノーボードは席に持ち込む仕様です。

ツークシュピッツプラット駅はスキー場に直結。そこからロープウェイ「グレッチャーバーン(Gletscherbahn)」に乗り換えることで、山頂の展望台に到着します。グレッチャーバーンの運行は15〜20分間隔ですが、乗客の集まり次第で待ち時間がのびることも。利用する際はゆとりを持って行き来することがおすすめです。

ツークシュピッツェの行き方

写真:浅井 みら野

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登山鉄道の途中駅「アイブゼー(Eibsee)」から徒歩5分ほどの場所に、山頂に直接向かうロープウェイ乗り場もあります。登山鉄道が1時間に1本程度に対し、ロープウェイは15〜20分間隔で運行。スキーヤー、スノーボーダーならリフト券、一般の観光客なら往復乗車券でどちらの乗り物も利用でき、行きはロープウェイ、帰りに登山電車といった使い方も可能です。

1年を通じて多くの人が訪れる「ツークシュピッツェ」ですが、白銀に彩られた景色に加え、その中で颯爽と滑走できるのは冬ならではの醍醐味。ドイツの最高峰にあるスキー場は雪質も景色も抜群です。

ツークシュピッツェの基本情報

住所:82467 Garmisch-Partenkirchen
電話番号:+49-88-217970
スキー営業時間 :2023年12月1日〜2024年5月1日(予定)
アクセス:ガルミッシュ=パルテンキルヒェンから登山鉄道で約80分

2023年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2023/01/31 訪問

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