大人の沖縄旅で行こう 那覇「首里染織館 suikara」

大人の沖縄旅で行こう 那覇「首里染織館 suikara」

更新日:2023/03/31 12:30

万葉 りえのプロフィール写真 万葉 りえ レトロ建築探訪家、地域の魅力伝え人
沖縄で伝えられている沢山の手仕事。経験を積んだ大人だからこそ、それらに接して感想を持てるようになるのかもしれません。そこでお勧めしたいのが首里城近くにオープンした「首里染織館 suikara」です。
「やちむん」の器や琉球ガラス、琉球漆器など数々の伝統工芸がある中で、ここは首里の美しい布たちに会える場所。王府のそばで、磨き、繋いできた技術や美しさ。それを観光客にも開かれたこちらで感じてみませんか。

首里城のおひざ元にできた、染と織の館

首里城のおひざ元にできた、染と織の館

写真:万葉 りえ

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15世紀の初頭まで、北山、中山、南山と3つの勢力に分かれていた琉球の地。やがて中山の王になった尚氏が北山と南山を攻めて統一し、琉球王国が成立していきます。

しかしここは統一される前から各王がそれぞれに海を隔てた各地と貿易を行っていた島。首里城が琉球王府となってからも、さらに貿易で伝えられたものが加わって独自の工芸が育っていきました。

首里城のおひざ元にできた、染と織の館

写真:万葉 りえ

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そんな工芸の中で、染めと織りの技術を伝える「首里染織館 suikara(しゅりそめおりかん すいから)」があるのは、首里城のおひざ元である首里当蔵町。
沖縄都市モノレール(ゆいレール)を利用すれば「首里」駅より徒歩で7分。沖縄旅でレンタカーを利用しない方にも行きやすい場所に建っています。

王族の女性たちも織っていた「首里織」

王族の女性たちも織っていた「首里織」

写真:万葉 りえ

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首里城の周りを散策してみれば、現在も石畳や石塀の路地があり、琉球の風情を感じることができるでしょう。そしてこの町はそういった構造物だけでなく、織物や染物といった文化も伝えてきました。ここはその技術をさらに後世につないでいく大事な施設です。

沖縄各地に織りの技術が伝わりますが、首里では王族や貴族が用いた格調高い色や柄なども伝えられてきました。それらが「首里織」という名称になったのは、1983年に国の伝統的工芸品に指定された際のこと。3階には那覇伝統織物事業協同組合が入り、後継者を育てています。

王族の女性たちも織っていた「首里織」

写真:万葉 りえ

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かつては首里の町の女性だけでなく王族の人々もたしなんでいた機織り。日本やアジアの国々との交易の中で得られた技術がそこに取り入れられ、様々な文様が育っていきました。なかでも王族だけが着用できた花倉織や、王族と貴族が着ていた道屯織などは首里のみで織られた特殊な技法です。

こちらの染色室は、絹糸の精錬や、染料となる植物の抽出などを行ったりする場所。どのような色や文様にするかが決まったら糸を染める作業が行われます。それはまだ工程の始まりの部分で、一つの作品になるまでに、この後幾つもの作業が手仕事で重ねられていきます。

王族の女性たちも織っていた「首里織」

写真:万葉 りえ

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そして、ようやく織りあがった着尺や帯の「洗い張り仕上げ」を行うのがこちらの場所です。反物は長いものだと十数メートルにもなるので、ここにはそれらを広げられる奥行きがしっかり。

なお、ここは東シナ海を一望できるビュースポット。また首里城も望むことができます。

道具作りから始まる紅型(びんがた)制作

道具作りから始まる紅型(びんがた)制作

写真:万葉 りえ

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そして2階には琉球びんがた事業協同組合が入り、紅型のフロアになっています。紅型の作品を作る場合、まず図案から…と想像する方も多いでしょう。しかし、職人の仕事の初めは、使う道具を作るところから。

そこから紅型の制作が始まり、図案から仕上げの水洗いまで、約18もの工程を経て作品が仕上がっていきます。

道具作りから始まる紅型(びんがた)制作

写真:万葉 りえ

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紅型は、琉球王国時代には型染を意味して「カタチキ」などと呼ばれていました。ここでは紅型のすべての作業を行っているのですが、型紙を使わない方法もあります。

それが「筒引き」などと呼ばれる技法。袋に入れた防染糊を絞り出してフリーハンドで柄を描いていき、その後で色をさしていくのです。

道具作りから始まる紅型(びんがた)制作

写真:万葉 りえ

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沖縄では踊りの衣装などで紅型を目にする機会があるかもしれません。そんな大きな柄の紅型は、大変高い技術を使い手間ひまかけて作られた高級品。かつては王族や貴族が着ていたもの。庶民の場合は、小さな柄が入ったものを晴れ着として着ていたようです。

琉球王国がなくなるだけでなく、大きな戦禍に襲われ焦土となった沖縄。作る道具すらなかった状態から、先人たちが苦労重ね、現在はエキゾチックな文様、鮮やかな色彩で、沖縄を訪れる人たちを魅了します。

たくさんの工程を経て生まれた作品が並ぶ1階フロア

たくさんの工程を経て生まれた作品が並ぶ1階フロア

写真:万葉 りえ

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実際に首里織や紅型が生まれていく場所をご紹介しましたが、1階は展示ギャラリーです。こちらで出来上がった着尺や帯などが見られるのはもちろん、映像などを使って首里織や琉球紅型についてさらに知ることもできます。

たくさんの工程を経て生まれた作品が並ぶ1階フロア

写真:万葉 りえ

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その奥には、ポーチやアクセサリー、扇子など小物類が展示されています。同じタイプの物でも、柄の出かたや色合いで随分と印象が変わるもの。ゆっくりと時間をかけて自分へのお土産や大切な人へのプレゼントを選んでみてください。

めでたい柄に込められた想い

めでたい柄に込められた想い

写真:万葉 りえ

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また、一角では制作過程で使われる道具がご覧になれ、左端に写っているのが紅型の型紙です。手の込んだ柄になれば型紙の彫り具合はさらに緻密になり、例えれば、それはため息が出るほど繊細なレース!しかもその型紙はすべて手作業で彫られます。

そのレースのような型紙を掘る際に欠かせないのが、右下に写っている物。ルクジュ―といい、島豆腐を乾燥させて作ったもので、これがあればこそ微細な柄が生まれます。

めでたい柄に込められた想い

写真:万葉 りえ

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さて、建物の入り口に飾られた黄色い着物。入館の際は何気なく目にしただけの方が多いでしょう。

これは那覇市市制100周年事業で再現された琉球王家の衣装で、鳳凰、瑞雲などのめでたい柄が表されています。特に鳳凰の羽一枚一枚の細かさは、紅型の制作過程を知った後は必見です。お帰りの際はゆっくりとご覧になり、琉球工芸の技術の高さを心に留めてください。

ビーチで遊ぶのも楽しいけれど、それとは違う沖縄の魅力も感じたい…そんな大人の旅にぜひ加えていただきたいこちらの施設。再建前でも見所がたくさんある首里城と合わせて訪れませんか。

首里染織館 suikaraの基本情報

住所:沖縄県那覇市首里当蔵町2-16
電話番号:098-917-6030
アクセス:沖縄都市モノレール「首里」駅より 徒歩7分
休館日:火曜日、年末年始、旧盆最終日
開館時間:11:00〜18:00

※機織り体験、紅型体験ができます

2023年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。

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