中将姫ゆかりの石光寺と不思議な傘堂!奈良・當麻の里を歩く

中将姫ゆかりの石光寺と不思議な傘堂!奈良・當麻の里を歩く

更新日:2023/05/01 11:46

モノホシ ダンのプロフィール写真 モノホシ ダン 総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者
奈良県葛城市染野にある古刹「石光寺(せっこうじ)」は、中将姫伝説で有名な當麻の里にある寺院で、関西花の寺二十五霊場の札所でもあります。境内には、中将姫が蓮糸で織った曼荼羅を染めた井戸があり、また牡丹と寒牡丹・芍薬の名所として知られ、開花期には多くの花見客で賑わいます。

さらに近くにある「傘堂(かさどう)」は一本足の不思議な建物です。春の當麻の里で美しい芍薬とユニークな建造物を訪ねてみませんか?

中将姫ゆかりの“染の井”が残る「石光寺」とは

中将姫ゆかりの“染の井”が残る「石光寺」とは

写真:モノホシ ダン

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石光寺は、670年頃、天智天皇の勅願により堂宇を建立し、役行者が開山となって弥勒如来を本尊として祀ったのがはじまりです。寺号標には、「日本最古 白鳳弥勒石仏の寺」「中将姫旧跡」と大きく刻まれています。

中将姫ゆかりの“染の井”が残る「石光寺」とは

写真:モノホシ ダン

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正門をくぐって直ぐ、美しく盛られた白砂が目を引きます。「想観の沙(そうかんのすな)」といい、砂を「沙」と書くのは、お釈迦様が沐浴されたガンジス河の沙に例えているからです。

手前の方形は「執着の世界」、後方の円形は「覚りの世界」を表しています。

中将姫ゆかりの“染の井”が残る「石光寺」とは

写真:モノホシ ダン

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想観の沙から植え込みを挟んだ並びには「中将姫像」と「染の井」および「糸掛け桜」が。石光寺は、當麻寺と同様に中将姫ゆかりの寺としても知られています。

これは、中将姫が當麻寺の御本尊の當麻曼荼羅を織る際に、蓮の茎を集めて糸を採り、この寺の井戸に浸したところ五色に染まったという伝説の場所だからです。寺の別名「染寺」もこの故事に由来しています。

その井戸を染の井といい、蓮糸を掛けて干した桜の木が、ガラスケースに入った糸掛け桜です。姫は五色に染まった蓮糸を當麻寺に持ち帰り、わずか一晩で當麻曼荼羅を織り上げました。

関西花の寺 第二十番札所で咲き誇る「芍薬(しゃくやく)」

関西花の寺 第二十番札所で咲き誇る「芍薬(しゃくやく)」

写真:モノホシ ダン

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冒頭でもご紹介しましたが、石光寺は、関西花の寺霊場の第二十番札所です。冬の寒牡丹、春の牡丹と芍薬(しゃくやく)が有名です。

春は當麻寺とともに「當麻の里ぼたん祭り」が開催され、牡丹の時期が過ぎると芍薬が見頃を迎えます。石光寺の芍薬は、牡丹と芍薬を交配した「ハイブリッドアメリカ芍薬」で、約1000株150種類が植えられています。

関西花の寺 第二十番札所で咲き誇る「芍薬(しゃくやく)」

写真:モノホシ ダン

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アメリカ芍薬は、日本芍薬にないスケールの大きな花容や、非常にシャープな色合いに、珍しい黄色種の花などが楽しめます。期間は例年5月初旬から5月中旬までです。

ちなみに牡丹との違いは、牡丹は木であるのに対し、芍薬は草であるということです。また、牡丹の葉はギザギザとしてツヤが無いのに対し、芍薬の葉はツヤがあり、先に向かってほっそりとした形です。

関西花の寺 第二十番札所で咲き誇る「芍薬(しゃくやく)」

写真:モノホシ ダン

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石光寺は、花の寺霊場の札所になっているだけに、境内にはたくさんのお花が植えられています。写真は石楠花です。ほかにアヤメなども咲いていて、さながら花の浄土といった感じです。

日本最古の石仏を拝観できる「弥勒堂」

日本最古の石仏を拝観できる「弥勒堂」

写真:モノホシ ダン

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また、1月と春の1ヶ月間だけご開帳される「弥勒堂」では、“日本最古”と言われている高さ2mを超す石仏が拝めます。石光寺の開山当時のご本尊(現在は阿弥陀如来)で、飛鳥時代と天平時代の間の白鳳時代のものです。

ほかに必見なのが、舟を漕ぐ観音様「船乗観音像」。観音様ご自身が舟を漕いでいるというお姿で、航海の安全や人生の長い旅路を見守る観音様とされています。合わせて拝んでご利益をいただいてください。

<弥勒堂ご開帳の基本情報>
ご開帳期間:毎年4月20日〜5月20日

日本最古の石仏を拝観できる「弥勒堂」

写真:モノホシ ダン

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境内でお花を観賞したあとは、入口のすぐ近くにある休憩所にも立ち寄ってください。開祖の役行者像が祀られた建物の中はとても厳かでレトロな雰囲気。

休憩所の天井には、シャンデリア風の照明とシーリングファン、提灯の照明があって、室内の薄暗さと相まってなぜかホッとさせられます。

日本最古の石仏を拝観できる「弥勒堂」

写真:モノホシ ダン

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石光寺の御朱印は、牡丹・芍薬シーズンの期間限定の御朱印(右)がおすすめです。また、石光寺が法要を行っている近くの「傘堂」の御朱印もいただくことができます。

<石光寺の基本情報>
住所:奈良県葛城市染野387
電話番号:0745-48-2031
拝観時間:9:00〜16:30
拝観料:大人400円(中学生以上)小学生200円
アクセス:近鉄南大阪線「二上神社口駅」から徒歩約15分
車利用の場合は、専用駐車場利用

“からかさ小僧”を思わせるユニークな「傘堂」

“からかさ小僧”を思わせるユニークな「傘堂」

写真:モノホシ ダン

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石光寺から徒歩で約15分のところのある「傘堂(かさどう)」は、日本の妖怪“からかさ小僧”を思わせるユニークなお堂です。伝説的な彫刻職人、左甚五郎の作とも謂われ、県指定有形民俗文化財になっています。

傘堂の高さは約5m、総欅造りで屋根は宝形造りの瓦屋根です。屋根を支えているのは、一辺が約40cmの四角い一本柱と、脇柱のみ。その全体的な形が唐傘に似ていることから唐傘堂とも呼ばれています。

“からかさ小僧”を思わせるユニークな「傘堂」

写真:モノホシ ダン

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傘堂は、1674年(延宝2年)に、水飢饉に苦しむ農民のために大池(おいけ)を築造した郡山藩主本多政勝の菩提を弔うため、郡奉行の吉弘統家(よしひろのりいえ)がその供養塔として建立したものです。

お堂の近くには、傘堂を建てた吉弘統家と、大池造営に携わった藤懸玄達の墓碑があります。

“からかさ小僧”を思わせるユニークな「傘堂」

写真:モノホシ ダン

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また傘堂には、かつて梵鐘が吊り下げられていました。現在、葛城市の明円寺にあるその鐘には、藩主の本多公が造った大池(写真)に対する感謝の言葉、「恋王の私情に勝えず」「一恩永伝」等の言葉が刻み込まれています。

“恋王”という独特のワードから、いかに本多政勝が人々に慕われていた名君だったかということが伺われますね。

<傘堂の基本情報>
住所:奈良県葛城市染野577
アクセス:近鉄南大阪線「当麻寺駅」から徒歩約30分

當麻名物の「釜めし」と「中将餅」を味わおう

當麻名物の「釜めし」と「中将餅」を味わおう

写真:モノホシ ダン

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當麻の里のおすすめのランチスポットでは、メディアでもよく紹介される「釜めし玉や」が。登録有形文化財に指定されている築160余年の元旅籠をリノベーションした“釜めし”の専門店です。

當麻名物の「釜めし」と「中将餅」を味わおう

写真:モノホシ ダン

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釜飯は、ヤマトポーク角煮の釜飯(写真)や、大和肉鶏の釜めしなど5つの具材から選べます。なお炊き上がるまで約30分ほどかかりますので、予約の際に到着時間を伝えておくと待つこと無く頂くことができます。

<釜めし玉やの基本情報>
住所:奈良県葛城市當麻1242
電話番号:0745-48-5470
営業時間:11:00〜15:00
定休日:月曜日(祝日の場合は営業)
アクセス:近鉄南大阪線「当麻寺駅」から徒歩約15分

當麻名物の「釜めし」と「中将餅」を味わおう

写真:モノホシ ダン

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スイーツでは「中将堂本舗」が。近鉄当麻寺駅前にある和菓子屋さんで、名物の中将餅は中将姫伝説にちなんだもの。よもぎ餅にこしあんをのせた草餅で、牡丹の花びらをかたどっています。

中将餅2個と煎茶のセットは店内で味わえます。お土産に持ち帰りもあります。

<中将堂本舗の基本情報>
住所:奈良県葛城市當麻55-1
電話番号:0745-48-3211
営業時間:9:00〜18:00
アクセス:近鉄南大阪線「当麻寺駅」からすぐ。
車利用の場合は、専用駐車場利用

中将姫ゆかりの當麻の里で春の花と美食を満喫!

いかがでしたか。美しい山容の二上山(にじょうざん)を間近に望む當麻の里は、春は牡丹や芍薬が咲き誇り、秋は紅葉に彩られる田園地帯が展開する閑静なスポットです。

當麻の里をのんびりと歩いて、當麻寺や石光寺などの中将姫ゆかりの寺院や史跡めぐりとともに、四季の花々の観賞や食べ歩きを楽しんでみてはいかがでしょうか。

2023年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2021/12/13−2023/04/17 訪問

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