写真:菊池 模糊
地図を見るオフリドの中心街から徒歩で行けるスヴェーティ・ヨヴァン・カネオ聖堂(聖ヨハネ・カネヨ教会)は、オフリド湖に突き出した岬に立つ小さな箱庭のような教会。あまりにも美しく忘れられない景観ですので、オフリド湖に来たら、まずここに行ってみましょう。
立地が素晴らしく絵になる聖堂として有名で映画『ビフォア・ザ・レイン』の舞台でもあります。
写真:菊池 模糊
地図を見るとてもフォトジェニックな聖堂なので、いろいろ工夫して写真を撮ってみてください。特におすすめは、聖堂の後ろの小高い丘に登って聖堂を見下ろす景観。オフリド湖の対岸まで見渡せ、ここに来て良かったなあと感動の瞬間を味わえます。
この聖堂は13世紀に建造されたものでアルメニアの建築様式の影響が見られ、現在ではマケドニア正教会に属します。
写真:菊池 模糊
地図を見るカネオ聖堂の内部は簡素で、オスマン帝国時代にモスクとして使用されたため、内部のイコンなどが塗りつぶされたり削られたりしています。しかし、その荒れ果てた感が、本当の苦難の歴史の重みを感じさせます。
行きはオフリドの町から山側の景観を楽しみながら聖堂まで向かい、帰りは海側に降りて町まで海岸沿いの道を歩くのがおすすめです。
<カネオ聖堂の基本情報>
住所:Kocho Racin, Ohrid 6000
電話番号:+389-46-230-455
アクセス:オフリド港から徒歩約20分
写真:菊池 模糊
地図を見るスヴェータ・ソフィア大聖堂はオフリドでは規模の大きい教会で町の西端に目立っています。11世紀初、第一次ブルガリア帝国の首都がここオフリドに置かれた際、主教座教会として造営されたもの。いわば東方キリスト教世界の中心的な場所だったわけです。
写真:菊池 模糊
地図を見る大聖堂の入口手前横から地下が覗けるようになっており、お賽銭がばらまかれています。これは古代東ローマ(ビザンティン)時代の遺跡です。この大聖堂内部に入ると写真撮影が禁止されているので、地下遺跡だけでも外から撮れるのは貴重。
入場するとフレスコ画が見られますが、破損箇所が多く雑然とした感じは否めません。それでも聖堂天井画は濃い青色が映える見事なものでビザンティン美術の大傑作。ここもオスマン帝国時代にはモスクとして使用され、内部のフレスコ画は塗りつぶされました。1950年代以降に復旧作業が行われており、徐々に過去の姿が甦りつつあります。
<スヴェータ・ソフィア大聖堂の基本情報>
住所:Ohrid 6000
電話番号:+389-46-267-403
アクセス:オフリド港から徒歩約7分
写真:菊池 模糊
地図を見る聖クリメント教会はオフリドでは重要で、もとは生神女マリヤ教会でしたが、この地に聖クリメントの遺骸が葬られたことから改名されました。イコン博物館も併設され、内部のフレスコ画も結構見ごたえがあります。
聖クリメントとはキリル文字を最初に発案した聖キリルの弟子で、実質上この地でキリル文字を完成した人物と考えられ、スラブ世界の発展に大きく貢献した聖人。オフリドの中心広場には聖クリメントの像が立っており、マケドニア地方には聖クリメントの名を冠する教会がいくつもあります。
聖クリメント教会はオフリド港から徒歩約10分、スヴェータ・ソフィア大聖堂から少し山手へ上ったところにあります。
<聖クリメント教会の基本情報>
住所:Clement’s University, Ohrid 6000
アクセス:オフリド港から徒歩約10分
写真:菊池 模糊
地図を見る町の北の山手住宅地にオフリド古代劇場があります。半円形の劇場跡で、さほど巨大ではないものの古代的情緒があり、現在でも夏のシーズンには各種イベントに使われています。高台の住宅地に囲まれており、入場無料で写真撮影や見学も自由です。
<オフリド古代劇場の基本情報>
住所;Ilindenska, Ohrid 6000
アクセス:オフリド港から徒歩約15分
写真:菊池 模糊
地図を見るオフリド古代劇場の山手を上ると、巨大な城壁サミュエル要塞に至ります。
10世紀末から11世紀前半ごろ、ブルガリア帝国の皇帝サミュエルがここオフリドを首都として君臨し城を造営したことからサミュエル要塞と呼ばれます。現在は城壁が残っているだけですが、見晴らしが良く、北マケドニアの国旗がはためいているのが印象的。
<サミュエル要塞の基本情報>
住所:4Q7R+XCW, Kuzman Kapidan, Ohrid 6000
アクセス:オフリド港より徒歩約25分
写真:菊池 模糊
地図を見る山手の見どころを回ったら、オフリド湖の港に面した町の中心部に戻りましょう。カモメたちが舞う港はとても良い雰囲気。小型船から大きな観光船まで各種ありますので、時間や人数などに応じてオフリド湖の遊覧クルージングをぜひ体験してみてください。
<オフリド港の基本情報>
住所:Port of Ohrid Ohrid MK
電話番号:+389-75-420-401
アクセス:オフリドのバスターミナルから港へは南西へ徒歩で約20分
写真:菊池 模糊
地図を見る遊覧クルージングは湖上に出ますので景色が良く広々とした景観を楽しめます。オフリドの市街は赤っぽい屋根が並んでおり、山上湖版ドブロブニクといった雰囲気です。
オフリド湖はバルカン半島で最も深い湖で水深288m、透明度も高く、マケドニア側が56kmアルバニア側が32kmある国境の山上湖。美しいことから湖畔リゾート地としてバカンスシーズンは観光客でにぎわいます。
写真:菊池 模糊
地図を見る湖上遊覧のハイライトは、最初に紹介したカネオ聖堂です。船から見ると湖上に突き出た聖堂と岩場が見事で、まさに絵葉書のような美しい景色です。観光客の皆さんはここで沢山写真を撮ります。
写真:菊池 模糊
地図を見る湖を沖合に出るとはるか遠くに冠雪した綺麗な山が見えてきます。これはアルバニアと北マケドニアの国境にそびえるコラブ山(2,764m)などの高峰山群です。オフリド湖は、こうした2000mをこえる山々に囲まれた高原盆地にあることがよく分かります。なお、オフリド湖から流れた水は、ドリン川となってアルバニアとモンテネグロの国境を流れ、アドリア海に注ぎます。
写真:菊池 模糊
地図を見るひととおり観光したらあとは町歩きを楽しみましょう。オフリドは歴史あるリゾート観光地なので各種の土産物屋やレストランなどがあり、小物を買ったりウィンドウショッピングして散策するだけでも心が弾みます。ここの住民の方は長い観光地の歴史に裏打ちされたホスピタリティーにあふれており、遠方から来た我々旅人に優しく接してくれます。
繁華街はオフリド港から徒歩5分ほどです。
写真:菊池 模糊
地図を見るオフリド名物として知る人ぞ知る貴重な土産がオフリド・パール。エリザベス女王もその美しさを褒め愛用したことで有名な淡水真珠で、オフリド湖に生息する小型の魚プラシツァ(和名シログチの近縁種)の鱗を加工して作られます。その技法は秘伝でしたが近年では地域振興の産業として注目されています。
オフリドの中心市街にはこのオフリド・パールの装飾品を販売する店が軒を並べています。雰囲気は上品なので日本人にぴったり。値段的にも割とリーズナブルなので、真珠系の装飾品がお好きな方はぜひ購入を御検討ください。
写真:菊池 模糊
地図を見るオフリド市街の昼食レストランまたはオフリド湖畔の宿の夕食として体験していただきたいのがオフリド湖産の鱒料理。ここの鱒はブラウン・トラウトの一種でアドリアティック・トラウトと呼ばれ名物になっています。
オフリドは北マケドニアでは唯一の世界遺産で、風光明媚な歴史あるリゾート地なので非常に人気があります。歴史と自然が素晴らしく、花鳥風月を愛する日本人には最適の観光地なので自信をもっておすすめします。
なお、オフリドへは北マケドニアの首都スコピエのバスターミナルから直通バスで約3時間30分。北マケドニアの首都スコピエへは日本から直行便がないので、イスタンブール(トルコ航空)かドーハ(カタール航空)またはドバイ(エミレーツ航空)乗り換えで、約12時間〜20時間でアクセスします。
2023年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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