写真:乾口 達司
地図を見る「経ヶ岬灯台(きょうがみさきとうだい)」は、京都府京丹後市にある灯台。その名のとおり、丹後半島の最北端に位置する経ヶ岬にあります。起工は1896年(明治29)で、初点灯は1898年(明治31)12月25日。日本海側に設置された灯台の代表格として、いまも日本海を航行する船舶の安全を見守っています。
経ヶ岬灯台は日本海を照らす白亜の灯台として知られており、1986年(昭和61)に公開された日本映画『新・喜びも悲しみも幾歳月』(監督・木下惠介)の舞台となったほか、「日本の灯台50選」にも選ばれています。2022年(令和4)には、その歴史的な価値が認められ、国の重要文化財となりました。
写真:乾口 達司
地図を見る灯台本体の姿は、こちら。灯塔・官舎・事務所の3つの建造物から構成されています。
現在の灯台の多くはコンクリート製ですが、経ヶ岬灯台は白色の石造りで、もとになった石材は灯台下の海岸などから切り出されたものです。
写真:乾口 達司
地図を見る円筒状の灯塔の高さは、約12メートル。周囲をぐるりととりかこむようにしつらえられている下部の意匠もオシャレですね。
写真:乾口 達司
地図を見る経ヶ岬灯台で注目していただきたいのが、上部にすえつけられた巨大なレンズ!その高さは約2.8メートル、重量約5トンで、我が国最大級の第1等フレネルレンズを使用しています。
第1等フレネルレンズを導入している第1等灯台は、経ヶ岬灯台のほかに犬吠埼灯台、出雲日御碕灯台、角島灯台、室戸岬灯台と、全国でわずか5ケ所。ここからも、経ヶ岬灯台が灯台としていかに大きな役割を担っているか、おわかりいただけるでしょう。
ちなみに、普段は内部に立ち入ることはできませんが、11月1日の「灯台記念日」にちなみ、その前後で内部の一般公開も行われています。
写真:乾口 達司
地図を見る付属をする施設の入口上部には、初灯火の日付である「明治三十一年十二月」と記したプレートが掲示されています。
写真:乾口 達司
地図を見る灯台の裏手にも回ってみましょう。転落防止も兼ねて外壁がしつらえられていますが、日本海からの波風を受けて経年劣化しているとはいえ、いまもしっかり灯台を守っていることがわかります。
写真:乾口 達司
地図を見る構内には、灯台以外に2つの施設があります。
こちらはレーマークビーコン。レーマークビーコンとは、レーダーを搭載した船舶に信号を送る無線方位信号所のこと。レーマークビーコンはGPS測定機器の普及によって現在では使われていませんが、その遺構が残されています。
写真:乾口 達司
地図を見るもうひとつは、気象庁が設置しているレーダー式沿岸波浪計。経ヶ岬の波浪を観測するための施設です。
写真:乾口 達司
地図を見る経ヶ岬灯台を訪れたら、眼下に広がる日本海も眺めましょう。
経ヶ岬は海食崖となっており、各所に安山岩による柱状節理(柱状の割れ目の形をした地質構造)を見ることができます。その様子がさながら経巻を立てたように見えることから、「経ヶ岬」と呼ばれるようになりました。
眼下にある岩礁でも、柱状節理の様子がうかがえますよ。
写真:乾口 達司
地図を見る丹後半島が断崖絶壁の連続であること、ここからもうかがえますね。
ちなみに、はるか遠くに見えているのは、冠島です。
写真:乾口 達司
地図を見るもちろん、日本海を航行する船舶を眺めることもできます。こういった船舶の安全をはかるため、経ヶ岬灯台は現在も活躍しているのです。
経ヶ岬灯台がいかに貴重な灯台であるか、おわかりいただけたでしょうか。第1等フレネルレンズを有する日本屈指の灯台は必見。経ヶ岬灯台を訪れ、その白亜の灯台の雄姿をご堪能ください。
住所:京都府京丹後市丹後町袖志
アクセス:袖志園地(経ヶ岬駐車場)より徒歩約20分
2023年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/10/15更新)
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