日本海に浮かぶストライプの断崖?萩「須佐ホルンフェルス」

日本海に浮かぶストライプの断崖?萩「須佐ホルンフェルス」

更新日:2014/07/02 11:13

村井 マヤのプロフィール写真 村井 マヤ 中国・九州文化的街並探検家
日本海沿岸、山口県萩市須佐に不思議で美しい「須佐ホルンフェルス」と呼ばれる景勝地があるのをご存知でしょうか?日本海の紺碧な海に灰褐色と黒いストライプ模様が見事なコントラストを醸し出す美しい光景です。また、かの吉田松陰が開港を勧めた須佐湾、地元漁師さんの頑張りで、ローカルブランドとして知名度のある「須佐男命いか(すさみこといか)」も有名。景観と冒険と食も楽しめる、三拍子そろった旅のご案内です。

天然記念物!須佐湾と日本地質百選「須佐ホルンフェルス」〜

天然記念物!須佐湾と日本地質百選「須佐ホルンフェルス」〜

写真:村井 マヤ

地図を見る

山口県萩市須佐は、北長門海岸国定公園の北端に位置する小湾です。1928年には、国の天然記念物にも指定された名勝地です。見事なリアス式海岸は、天然の良港で、かの吉田松陰が開港を勧めた港でもありました。古代出雲時代より日本海の重要な寄港地として栄え、出雲、朝鮮への交易の中継港でもありました。また、須佐湾を一望する高山(こうやま)は標高532.8mもある弧峰で、磁石石で有名です。この磁石石は、1936年に「須佐高山の磁石石」として国の天然記念物になりました。

須佐湾は、元はなだらかな平地面でしたが、地表面の沈降などによって現在は、複雑な入り江が見られ、大小70以上の岩礁を海上に見ることが出来ます。「西の松島」とも呼ばれ、美しい景観で訪れた人を楽しませてくれます。

須佐へのアクセス
JR・・山陰本線須佐駅下車、須佐漁港までは徒歩5分。須佐ホルンフェルスまでは駅からタクシー等で10分です。(詳細は下記MEMO須佐観光協会HPを参照)

青い海に映えるストライプ模様〜ホルンフェルスを代表する景観!

青い海に映えるストライプ模様〜ホルンフェルスを代表する景観!

写真:村井 マヤ

地図を見る

ホルンフェルスとは、変成岩の一種で熱によって変成された接触変成岩のことです。ドイツ語のHorn(角)とFelsen(崖、岩石)で、ホルンフェルスです。意味は「固い岩石」と言うそうです。ホルンフェルスとは広い意味でこの辺り一帯を指し、写真の縞模様は畳石と言います。

1400万年前に灰白色層の砂岩と黒色層が頁岩の互層が斑れい岩マグマの熱によって再結晶化して生じたものです。畳岩の北方に種々のホルンフェルスを見ることが出来るそうです。この縞模様付近の岩の上面は約20度の勾配(こうばい)を保ち平坦で、千畳敷(せんじょうじき)と呼ばれています。畳が千枚敷ける広さという意味でこの名前が付いています。この畳岩までは、ホルンフェルスの駐車場にもなっている「つわぶきの館」から歩いて行けますよ。歩いて見に行くだけの価値はあります!それはもう本当に美しいストライプなのですから・・。

海神の住む須佐湾!〜海から美しさを堪能する〜

海神の住む須佐湾!〜海から美しさを堪能する〜

写真:村井 マヤ

須佐湾に来られたら利用していただきたいのが、須佐湾遊覧船です。漁師さんが操縦するイカ釣り漁船や瀬渡し船で日本海遊覧します。須佐湾で唯一陸から行けない名勝地「屏風岩」を海から見ることが可能です。屏風岩は、海蝕により約100メートルに達する海に立てた大屏風(だいびょうぶ)のような断崖のことです。その迫力を海から見ましょう!

遊覧船は、お一人でも楽しめる定期運航と、5人以上の予約で楽しめる予約運航があります。遊覧船の運航期間は、ゴールデンウイーク開始から10/31までです(詳細は下記MEMOを参照にしてください)。定期運航は、夏休みいっぱいの土日と祝日に運航します。天候によって中止になることもあります。発着は須佐漁港から、所要時間60分です。青い海と奇岩やホルンフェルスの景観を海からお楽しみ下さい。

〜須佐男命いか〜活きイカにこだわる地元漁師の粋!

〜須佐男命いか〜活きイカにこだわる地元漁師の粋!

写真:村井 マヤ

地図を見る

「須佐男命いか」は、2006年に商標登録された剣先イカのローカルブランドです。一貫して「活き」にこだわって、その価値や味を伝えるために、地元漁師さんの頑張りでマスコミにも取り上げられ、地域活性化にもつながっています。認定店6店舗で食することができます。その中でも、広島、山口、クチコミグルメ等で人気の行列の出来る有名店「口福の馳走屋 梅乃葉」(詳しくは下記MEMO公式サイトで確認)は、駅に近くて便利です。ぜひお出かけ下さい。
また、須佐漁港では、7月から9月までイカの直売市をしていますので、近辺にお住まいの方は、お出かけになってもいいでしょう。

古代から神にささげる赤米やイカスミのアイス!

古代から神にささげる赤米やイカスミのアイス!

写真:村井 マヤ

地図を見る

「須佐男命いか」で有名な須佐ですが、その須佐ならではのスイーツもあります。それが、「赤米アイス」と「イカ墨アイス」です。特にイカ墨アイスは3%しかイカ墨が使われていませんが甘くて美味しいです。ホルンフェルス見物をした後で「つわぶきの館」などで購入してください。また、「赤米」自体も売っています。白米に少し入れて炊くだけですし、ほんのりピンク色に染まったごはんは、きれいですよね。その他「須佐産 生ひじき」などもヘルシー志向の方へのお土産にいいでしょう。

つわぶきの館については、(下記MEMO「つわぶきの館」参照)

大自然の造形美は、言葉もいらない素晴らしさ!

須佐のホルンフェルスのストライプを実際に見ると、自然の織り成す美のすごさを実感します。また、日本海の美しい青色に心打たれます。また、この他にも萩市には自然の素晴らしい造形美を見ることが出来る場所があります。「畳ヶ淵」です。

畳ヶ淵には、亀甲状の岩石が敷石のように整然と並び、河岸には垂直に伸びた六角柱(柱状節理)がそそり立っています。その亀甲状敷石の間を深い緑の美しい清流が流れる様は見事です。ホルンフェルスと合わせて足を運んでくださいね。

*畳ヶ淵*(詳しくは下記MEMO参照)
住所:萩市須佐弥富下藤木
須佐駅から車で20分。渓流沿い。駐車場も完備。

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/07/11 訪問

- PR -

条件を指定して検索

- PR -

この記事に関するお問い合わせ

- 広告 -