「上高地帝国ホテル」で楽しむ 時が重ねた贅沢空間

「上高地帝国ホテル」で楽しむ 時が重ねた贅沢空間

更新日:2023/08/18 09:41

万葉 りえのプロフィール写真 万葉 りえ レトロ建築探訪家、地域の魅力伝え人
アルプスの雄大な風景を眺めたりハイキングを楽しんだり、一度訪れればまた行きたいと思う方が多い人気の上高地。そんな上高地でお勧めしたいのが「上高地帝国ホテル」です。

山のリゾート地で、東京や大阪と変わらないサービスを受けられるというのも魅力。宿泊でも立ち寄りでも、90周年となるホテルへ、年月が醸し出す落ち着きを味わいに訪れてみませんか。

「上高地」は日本の山岳リゾートの始まり

「上高地」は日本の山岳リゾートの始まり

写真:万葉 りえ

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2019年には年間約120万人もの人々が訪れ、日本を代表する山岳リゾートとなった上高地。山岳リゾートと言えば、この清らかな梓川と河童橋付近の風景が浮かぶ方も多いのではないでしょうか。そんな人気の観光地ですが、明治になって英国人宣教師ウェストンが書物で世界に紹介してからリゾート地として知られるようになりました。

登山客や観光客を受け入れるホテル等がいくつもできて、現在の河童橋辺りは多くの人が行き交います。でも、にぎわいを離れて上高地を楽しむのもいいもの。そこでご紹介したいのが「上高地帝国ホテル」です。

品位とアットホームさを併せ持つ「上高地帝国ホテル」

品位とアットホームさを併せ持つ「上高地帝国ホテル」

写真:万葉 りえ

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帝国ホテルというと訪れるほうもどこかかしこまってしまうかもしれませんが、ここはちょっと違います。東京や大阪の帝国ホテルが持つ格調の高さや華やかさも素敵ですが、上高地帝国ホテルが持つのは品位があってアットホームな雰囲気。

ご覧のように建物にはログハウス風に作られた温かみがあり、大きなリュックサックを担いだ登山スタイルでも気兼ねなく入館できます。ですから、宿泊の方はもちろんですが、日帰りで上高地に遊びに来て「どうやって過ごそうか?」と思っている方にもぜひ訪問していただきたいのです。

品位とアットホームさを併せ持つ「上高地帝国ホテル」

写真:万葉 りえ

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エントランスから入っていけば、正面の奥にあるのが館内のシンボルにもなっている大きなマントルピースです。高さは5m以上もあり、日中の気温が低い時期になるとここに火が入ります。火が入っていない時期でも、このマントルピースの存在感は「上高地に来ている」という気持ちを高めてくれるでしょう。

しかもマントルピースのあるロビーラウンジでは、ホテルブレンドのコーヒーやケーキセットなども楽しめます。また、希少な信州産の山ぶどうを使ったジュース「山ぶんど」もお勧め。甘さの中にあるさわやかな酸味が味わえます。

信州産の食材が使われたレストランメニュー

信州産の食材が使われたレストランメニュー

写真:万葉 りえ

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貴重な自然を守るためにマイカー規制が行われている上高地。しかも標高が1500mもある山の中なので食事はあまり期待できないのでは…なんて思っていませんか。

カジュアルレストラン「アルペンローゼ」では、信州産地卵を使用した「信州産地卵のオムライスとハッシュドビーフ」などがランチでもいただけます。これなら散策の途中でも気軽に立ち寄れるでしょう。

そして、宿泊時のディナーでは帝国ホテルならではのフランス料理を味わうことができます。

信州産の食材が使われたレストランメニュー

写真:万葉 りえ

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こちらはフランス料理の「ダイニングルーム」のコース料理の前菜ですが、信州産の食材が取り入れられていて、しかも美味。ここが山の中という事を忘れてしまいそうな充実した内容の食事をいただけます。

また、先程紹介した山ぶんどのジュースもこちらで注文でき、ワインではホテルオリジナルラベルも用意されています。

今も継承される 1933年誕生時の内外装

今も継承される 1933年誕生時の内外装

写真:万葉 りえ

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上高地帝国ホテルは1933年開業で、赤い屋根をシンボルとして、丸太小屋風外観で建設されました。その後1977年に全面改装となっていますが、その際も改装前のイメージを継承させています。ですからご覧のように、廊下の天井には梁(はり)のように木材が多用されています。

これは客室にも施されていて、山小屋の中にいるような雰囲気を醸し出してくれます。天井に勾配がある部屋なら、さらに山小屋感が濃くなる造りです。ベランダが付いた部屋もあるので、予約の際はぜひ好みの部屋をおさえてください。

今も継承される 1933年誕生時の内外装

写真:万葉 りえ

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さて、この上高地という地名。「穂高神社の神が降臨した地」や、「神が祀られている河内(垣内)」等の説があるようですが、いずれにせよ由来は山岳信仰の神につながるありがたい言葉だったようです。

ですから現在の登山とは違って、江戸時代までここに来ていたのは巡礼のために山に登る方々。だからこそこの貴重な自然が守られたのかもしれません。昔と変わらない静かな上高地を味わうなら、人が少ない早朝の散策がお勧めです。

時を重ねなければ生まれない 落ち着きある空間を楽しむ

時を重ねなければ生まれない 落ち着きある空間を楽しむ

写真:万葉 りえ

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食事や館内の様子についてご紹介しましたが、ホテルに滞在して楽しみなものの一つに「ショップをのぞくこと」という方もいらっしゃるのでは。上高地帝国ホテルオリジナルの商品を少し紹介しておきますね。

クッキーやチョコレートはちょっとしたお土産にも大変使いやすい物。中でもお勧めは、ホテルの外観が箱になったクッキーです。アーモンドとココア味が入っていて価格もお手頃。そしてこのお菓子、切手を貼って郵送もできます。

またご覧のマフラータオルは、日本製でやわらかな肌触り。滞在中の朝夕の冷える時間帯やお散歩に便利で、帰宅してからも活用できます。多色展開なので、誰かと色違いで楽しんでみても。

時を重ねなければ生まれない 落ち着きある空間を楽しむ

写真:万葉 りえ

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ご紹介したように1933年に生まれた「上高地帝国ホテル」は、2023年秋に90周年をむかえます。時間とともに変わっていった木の色合いや、手すりの丸み。多くの人がゆったりと過ごしてきた落ち着いた空気などは、新しい建物にはないもの。それは、時を重ねたからこそ生み出せる贅沢な空間です。

せわしない日常を離れて上高地を訪れるなら、このホテルでゆったりとそんな贅沢を味わってみませんか。

90周年の企画も楽しみな「上高地帝国ホテル」

上高地帝国ホテルでは、90周年を記念してさらにオリジナルグッズが展開されます。

例えば、足の裏に記念ロゴがあしらわれたテディベアは、特別製の「90周年記念イヤーベア」。数量限定なので、可愛いものをお探しの方は早めにチェックしてください。そして箱を開けるとホテルの姿が飛び出すようになっているオリジナルチョコレートには、2023年は90周年のロゴマークが入るようになっています。

また期間限定にはなりますが、90周年特別企画として、夏休み期間の星空観賞会やお子様向けのホテル館内でのクイズラリーなども予定されています。

ぜひ上高地での時間を楽しんできてください。

2023年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。

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