サンフランシスコから車で約1時間30分で到着するナパ・バレー(ナパ渓谷)は、大小約200軒以上ものワイナリーが集まるアメリカ最大のワイン生産地。そのナパを代表するワイナリーの1つが「オーパスワンワイナリー」です。
1979年、フランス・ボルドーワインで有名なロスチャイルド男爵と、ワイン界の重鎮ロバート・モンタヴィが、夢をかけて作ったワイン「オーパスワン」は、まさに、ヨーロッパとアメリカを融合させた味覚で、世界のワイン品評会で高い評価を受けました。このワイナリーは、革新的でありながらも独自のこだわりを持ったワイン製法を実現させるよう、試行錯誤しながら1991年に建築が完成しました。
モダンなカリフォルニアン・スタイルに格式高いヨーロッパ調を意識して設計されたワイナリーは、心地良いナパの風と一面に広がるぶどう畑に囲まれて、とても気持ちいいワインを作るためのお城のような設計です。オーパスワンとは「音楽用語の作品番号1番」の意味。ネーミングに込められた『一本のワインは交響曲、一杯のグラスワインはメロディのようなものだ』という想いが、気持ちいい風にのって伝わってくるような見事なワイナリーです。
オーパス・ワンでは毎年ナイト・ハーヴェストという収穫製法を実施しています。それは昼と朝晩の寒暖差が激しいナパならではの特別な収穫方法なのです。
夜間の涼しい時間帯では、ブドウの果実の糖度が抑えられ、最高のコンディションの果実を収穫でき、暑い日中に収穫すると、糖度が高すぎ、全体のバランスを崩してしまうからです。
夜露できらめく手摘みで収穫されたブドウはワイナリーへ搬入され、丁寧に100%ブドウの茎を取り除く作業を行い、さらに未熟や腐敗のある果実を一粒ずつ、オプテイカルマシンと人の手により選別していきます。
ワイナリー見学でも、この貴重なブドウの選別を見られるのは、9月末〜10月下旬までの秋だけ。ぜひこの時期に訪れてみてくださいね。
さきほどご紹介したブドウの選別と除梗の作業は、発酵タンクのすぐ真上に位置するワイナリーの中二階で行われています。
その後、ここでは下に落ちる自然の重力だけでブドウをタンクの中に移していく革新的な作業が行われているそうで、その説明にさすがこだわりのワイナリー設計と驚くばかり!
色と風味の抽出を最大限に得るために、アルコール発酵と長期醸しはこの温度調節つきステンレス製タンクで行われるているそうです。
写真のステンレスタンクにある四角いプレートには、オーパスワンのボトルラベルにも使われている、設立者2人の顔のデザインが、控え目なステンレスと同カラーでどのタンクにも丁寧にエッチングされています。
最高の品質を追い求める、オーパススタイルの品格と誇りをいたる所から感じとれ、見学ツアーでしか見られないこだわりに会うたびに、早く飲みたい!と気持ちが昂ることでしょう。
うわー凄い!と思わず見学者たちから感嘆の言葉が溢れるのが、地下にあるガラスで厳重に囲まれた貯蔵庫です。
温度や室温管理はもちろん、振動にまでこだわった貯蔵庫には限られた人数のワイナリーツアー見学者たちしか入れないのです。ですからオーパスワン主催のワイナリー見学ツアーは予約が取り辛いと有名です。
1000個も並ぶ樽の中には、一次発酵が終わった若いワインが熟成させるために詰められています。樽に入れる前の一次発酵中はオーパスの39に区別されるブドウ畑の区画ごとに、一日一度、39種を全てテイスティングし、それぞれのワインの出来と、トラブルがないかをきめ細やかにチェックする作業があるそうです。
そしてこの樽で1年半ほど熟された後、ボトルの中でさらに1年半。3年かけて初めてワインは発売されるのです!
オーパスワンの催行するツアーに参加しないと訪れることができない、地下にある秘密クラブのような特別なテイスティングルームでは、何種類かのビィンテージのオーパスワンをテイスティングできます。
テイスティングルームにも、ワイナリーのたくさんのこだわりが隠されています。例えば、テーブルを彩るキレイな花も、テイスティングをする際に風味の邪魔をしないよう、無臭の蘭を選んで飾っているのだそうです。
ゆっくり座って、どこまでも続く熟成樽を見ながらテイスティングしたり、外に出てワイナリーのテラスからブドウ畑をみながらテイスティングしたりと、ツアー最後は好きな場所でのテイスティングで締めくくられます。
ワイナリーの1階にある、カウンター式のテイスティングルームでは、ここでしか買うことのできない比較的安めなオーパスワンのオリジナルブランド「Overture」や、ヴィンテージワインのテイスティング、購入もできますので、ぜひ大切な旅の思い出として立ち寄られてみてはいかがでしょうか。
このワイナリーを見学する日本語ガイドツアーも見かけますが、申し込みする際に気を付けて欲しいのが、ご紹介したようなワイナリー全ての見学ツアーかどうかという点です。
オーパスワンには様々な見学スタイルがあり、日本語ガイドツアーでは、販売用のパートナーズルームでカウンター式テイスティングとワイナリー屋上や入口に続く庭に行くだけで、ワイナリー内部(セラーなど)には行けない見学プランも多いのが現状です。
今回ご紹介したワイナリー内部施設は全てオーパスワン主催のワイナリー見学ツアーでのみ訪れるものです。英語が解らなくても、充分見るだけで伝わってきますので、ぜひオーパスワン主催のワイナリー見学ツアーに参加してみてください。申込みは、直接電話でもできますが、宿泊ホテルのコンシェルジュに申し込んでもらう方が地元での融通も効きお薦めです。その土地でしか味わえない旅の醍醐味をぜひ満喫してくださいね。
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(2024/10/5更新)
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