写真:万葉 りえ
地図を見る東西20km南北40kmにも広がるカッパドキアの見所。トルコに詳しくなくても、この奇岩の写真などはどこかで目にしたことがあるのでは。
カッパドキアの景観の始まりは6000万年前の山脈の隆起から。それによって長期にわたって降り積もった火山灰が、長い年月を経てやわらかい凝灰岩(ぎょうかいがん)となります。その後雨や風雪が岩を削っていきました。
こちらは撮影ポイントとしても人気の「三人娘の岩」で、カッパドキアの風景も一望できます。
写真:万葉 りえ
地図を見る特にギョレメ国立公園内は奇岩が多い地域。この岩もあの動物に似てますよね。
しかし、地上にある奇岩や岩山の住居跡だけがカッパドキアの見所ではありません。ここにはいくつもの地下都市も残ります。その一つ「カイマルク地下都市」は、深さ55m。8つの層からなり、各層で200人程が暮らしていたと考えられています。
地下都市に隠れ住んでいたのは、多神教だったローマ帝国からの迫害を恐れたキリスト教信仰の人々。ですから居室だけでなく、台所や教会、墓地、家畜部屋など一つの町になっており、空気を循環させる技術ももっていました。秘密の抜け穴やニセの通路もあります。
写真:万葉 りえ
地図を見るそして、この辺り一帯のキリスト教の中心地だった所は、ギョレメ屋外博物館となっています。30ほども残る、岩をくりぬいて作られた教会や修道院。このように当時の人々が使っていたテーブルとイスも岩を掘ったもの。教会内の鮮やかなフレスコ画も見応えあります。
<基本情報>
住所:Goreme/Nevsehir Merkez/Nevsehir
撮影:教会内部は不可
トルコの地中海沿岸にはたくさんの古代遺跡がありますが、どれか一つだけを見るとするなら、答えは「エフェス/エフェソス」です。スケール、建物の多さ、華麗さなども素晴らしいこの遺跡。にぎわった港湾都市の様子が今も濃く残っています。
こちらは勝利の女神・ニケです。そう、この女神にあやかって付けられたのがあのスポーツ用品の企業名。かつて町の中心道路に立っていた凱旋門(ヘラクレスの門)の装飾だったもので、時を経ても女神の美しさは変わりません。
浴場や神殿、裕福な家庭の住居など、沢山の遺跡が残っているエフェス。その中にはエジプトの女王だったクレオパトラの実妹・アルシノエの墓と考えられているものも残っています。
そしてこちらは2世紀にハドリアヌス帝に捧げられたハドリアヌス神殿。神々や皇帝のレリーフがよく残り、その威厳は今も健在です。
ヘラクレスの門から数々の遺跡を見ながら坂を下れば、一番の見所となっている「ケルススの図書館」が建っています。アジア州総督だったケルススのために、135年にケルススの墓所の上に息子が建てた図書館。最盛期はアレキサンドリアやベルガモンに次ぐ規模で、今も正面に残るレリーフや像が往時の華やかさを伝えます。
また、クレオパトラとアントニウスも滞在していたこの街には、幾つも逸話が伝わります。そんな話とともに遺跡散策を楽しんでください。
<基本情報>
住所:Acarlar, Efes Harabeleri, 35920 Selcuk/Izmi
写真:万葉 りえ
地図を見る幾つも重なった石灰棚を水が流れていく…。石灰を含んだ温泉水が長い年月をかけて創りだしたパムッカレの景色もトルコの旅で見ておきたいものです。青空が広がる日なら、さらに空が水面に写りこんで青さが増します。
この石灰棚へは見学のみで立ち入ることはできませんが、足湯のように温泉を体感できる場所があります。
写真:万葉 りえ
地図を見るパムッカレは自然遺産だけでなく、古代都市ヒエラポリスの遺構が残っていて文化的な価値もあり、世界遺産の中では複合遺産となっています。
神殿や浴場跡などいくつも遺跡がありますが、ローマ時代の面影が一番残っているのがこちらの野外劇場跡です。観客数は約1万人。丘の斜面を利用して2世紀のハドリアヌス帝の時代に作られたものです。
写真:万葉 りえ
地図を見るさらにここで面白いのは、温泉を利用したプールです。しかもただの温泉プールではなく、底にギリシャ・ローマ時代の円柱などがしずむプール。古代遺跡の上で遊泳できます。
<基本情報>
住所:20190 Pamukkale/Denizli
遺跡プール:有料。更衣室あり
トルコの中核をなすアナトリア半島。この大地に人類が最初の足跡を刻んだのは紀元前10万年頃。紀元前8000年頃には集落が形成されだします。それらと比べるとハットゥシャ遺跡はかなり新しい時代のものと言えるでしょう。
それでも古ヒッタイト帝国が始まったのは紀元前1650年頃という古さ。ここは世界史の中で「初めて鉄製武器使った」として知られている国の首都でした。
長大な城塞都市の、皇帝たちの住まいだったのがブユックカレ(大城塞)です。これは再建されたものですが、ここの図書館跡から多量の楔形文字の粘土板が出てきており、祈りの間や会議室などもありました。
こちらは上市の西にある獅子門で、城塞の中に悪霊が入るのを防いでいたと考えられています。
他にもスフィンクス門や王の門などが残っており、広大な大神殿の基礎なども見学できます。
そしてこちらはヒッタイト人の祈祷所ヤズルカヤ遺跡。ここでは岩に彫られた浮彫をたくさん見られます。
<基本情報>
住所:Hisar, 19310 Bogazkale/Corum
所要時間:徒歩でざっとまわって2〜3時間
写真:万葉 りえ
地図を見るボスフォラス海峡を挟んでヨーロッパサイトとアジアサイトに分かれる大都会イスタンブール。そのヨーロッパ側の旧市街に並ぶように建つのが有名な3つの世界遺産です。
その一つがこの「スルタン・アフメット・ジャーミー」。通称ブルーモスク。オスマン帝国14代スルタンのアフメット1世が7年かけて建設させたこの建物は、世界一美しいモスクと称されます。
青を基調としたイズニックタイルの美しさ。そして、ステンドグラスやミフラーブの装飾も見事です。
<基本情報>
住所:Binbirdirek, At Meydanı Cd No:10, 34122 Fatih/Istanbul
写真:万葉 りえ
地図を見るその北東側に建つアヤソフィアは、現在建っているもので3代目。それでも建設は537年で、ビザンティン(東ローマ)帝国のユスティニアヌス帝が建立しました。
ビザンティン帝国が1453年にオスマン帝国に破れた後、ここはキリスト教大聖堂からイスラム教モスクへと変わります。そして1923年にトルコ共和国が誕生すると、今度はモスクから博物館へ。そして2020年にまたモスクへ。
1453年の変更時にキリスト教を表す絵画が漆喰で覆われ、それらが20世紀の博物館変更時に漆喰の下から見つかりました。21世紀になってまたモスクに戻りましたが、それらの貴重な絵画は維持されています。ただ、宗教施設になり、礼拝時間は見学ができないのでご注意ください。
<基本情報>
住所:Ayasofya Meydanı No:1, 34122 Fatih/Istanbul
写真:万葉 りえ
地図を見るそしてこちらが、アヤソフィアに並んで立つオスマン帝国のトプカプ宮殿です。宝物館と合わせて、ハレムもぜひ見てきてください。
<基本情報>
住所:Cankurtaran, 34122 Fatih/Istanbul
例えば、敵対していたヒッタイト帝国の首都ハットゥシャに助けを求めたのは、エジプト王・ツタンカーメンの妻だったアンケセナーメンでした。またトプカプ宮殿のハレムでは、奴隷の身分からスルタンの母親という最高権力をつかんだ女性や、オスマンの掟に従わされた幼い王子たちの悲しい話も伝わります。
カッパドキアではワインも有名で、エフェス辺りでは羊の肉を串刺しにしたチョップシンが有名です。世界三大料理の一つトルコ料理もしっかり楽しみましょう。
下記関連MEMOで案内している記事では、それぞれの場所をもっと詳しく紹介しています。ブルーモスクを建てたスルタンがどんな人物だったかなど、そんな逸話も楽しみながらトルコを満喫してきてください。
2023年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイト等でご確認ください。
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