安曇野に湧く北アルプスの恵みを「大王わさび農場」で

安曇野に湧く北アルプスの恵みを「大王わさび農場」で

更新日:2023/08/27 16:40

万葉 りえのプロフィール写真 万葉 りえ レトロ建築探訪家、地域の魅力伝え人
北アルプスの麓。田園風景が広がり、道々に道祖神が祀られている安曇野。美術館巡りなど魅力が沢山ありますが、忘れないでいただきたいのが、アルプスの湧水を使って育てられている安曇野の特産品「わさび」です。

ご紹介する「大王わさび農場」は、入場料も駐車料もかからない、日本最大級のわさび田が広がる農場。1200年前の伝説の人物にあやかって名付けられたこのわさびの里で、清々しさに癒されましょう。

北アルプスの伏流水が湧き出す安曇野

北アルプスの伏流水が湧き出す安曇野

写真:万葉 りえ

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北アルプスの麓で、のどかな田園風景が広がる安曇野。点在するギャラリーなどを巡れば、道端などで道祖神(どうそじん)の姿も見かけるでしょう。

北アルプスの伏流水が湧き出す安曇野

写真:万葉 りえ

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道祖神とは外からやってくる災いを遮るために人々が願った神。それが、だんだんと縁結びの神、旅行安全の神、子供の神となったようです。

道祖神は全国に存在したようですが、現在も生活に溶け込んでたくさん残っているのが安曇野です。

北アルプスの伏流水が湧き出す安曇野

写真:万葉 りえ

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そんな懐かしい風景もある安曇野は、北アルプスの雪解け水が地上へと出てくる湧水も有名です。こちらは、ご紹介する「大王わさび農場」のすぐ横を流れている、100%湧水でできた蓼川(たでがわ)。水車があるここでは、黒澤明監督の映画のロケも行われました。

現在も水の清らかさを満喫するために、ボートに乗ろうとする人々が列を作るほどです。そんな美しい湧水を使って育てている安曇野の山葵(わさび)。では、日本最大級のわさび農場をめぐってみましょう。

まずは湧水の清々しさが満喫できる「流水の小道」へ

まずは湧水の清々しさが満喫できる「流水の小道」へ

写真:万葉 りえ

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わさびを栽培するには渓流式、畳石式などがありますが、「大王わさび農場」では平地式で栽培を行っています。

正面入り口から進んでいけば、右に古畑、左に北畑と名付けられたわさび畑が広がります。わさびは冷涼な気候を好むため、暑い時期はこのように暑さ除け(寒冷紗・かんれいしゃ)がされた景色になっているかもしれません。

まずは湧水の清々しさが満喫できる「流水の小道」へ

写真:万葉 りえ

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黒い覆いでわさびが見えない・・・。でもご心配なく。北側にある「流水の小道」と名付けられた場所などでは、足元近くを美しい湧水が流れていき、寒冷紗の下で育っているわさびの姿が見られます。

特に暑い時期はしばらく過ごしていたいと思うほど、ここは清涼感あふれる場所。イスなども少し置かれているので、清々しさを体感してください。

ここでは、定植から収穫まで約18か月かけています。ですから、農場内を巡っていれば、整地をしていたり定植していたり等、様々な状態の畑も見ることができます。

年間とおして13度の水を体感できる「親水広場」

年間とおして13度の水を体感できる「親水広場」

写真:万葉 りえ

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その「流水の小道」の近くには「親水広場」もあります。文字通り、湧き出てくる美しい水に親しめる場所。ここでは水底から湧き出ている様子もよくわかるし、手や足を浸してみることもできます。

このわさび田に湧き出している清水は、水温が年間を通して約13度。そして毎日12万トンもの水が湧き出ています。12万トンと聞いてもピンときませんが、これは23万人が1日に使用している水の量。

年間とおして13度の水を体感できる「親水広場」

写真:万葉 りえ

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季節によっては冷涼な水の中でしか育たない梅花藻(ばいかも)の可憐な花がみられるし、ニジマスなどが泳いでいる姿も見られます。

豊富な湧き水を利用して、ここにわさび田を作ろうと創始者の深沢勇市が思い立ったのは1915(大正4)年のことでした。しかし当時のこの辺りは行政区画が複雑に入り組んでおり、しかも雑木の生い茂る湿地帯。

農機などない時代に、もっこやざる、天秤棒という人力で、寒風が吹きすさぶ中をわらじ履きでの作業を続けること20年。様々な苦難を越えてようやく完成に至ったのでした。

その後もわさび田は拡張され、現在は日本最大級の広さになっています。

伝説から名付けられたわさび農場

伝説から名付けられたわさび農場

写真:万葉 りえ

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では、美しい水に親しんだ後は、もっと奥の区画へと行ってみましょう。「大王畑」と「東畑」の間の小高い場所にあるのが、「大王窟」と「開運洞」です。ここ、本物の古墳の石室ではないかと思うほどですが、実は岩屋のレプリカ。しかも農場内の小高い場所は、わさび田へと開墾した際に取り除いた土を盛って作られています。

さて、平安時代のはじめ、坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ758〜811)という朝廷に仕える武人がいました。この人物、中央集権化を強固なものにしようとしていた桓武天皇の時代に、征夷大将軍として蝦夷(えぞ)討伐を行った人物として知られています。

しかし、元々その土地に住んでいる側にとっては、勝手にやってきて力で押さえつけようとする厄介者。この安曇野にもやってきて、かなりの横暴を働いた朝廷軍。そのため抵抗せざるを得なかったのが、ここを治めていた魏石鬼八面大王という首領でした。

伝説から名付けられたわさび農場

写真:万葉 りえ

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わずかな部下と岩屋にこもって戦いましたが、兵力の差は大きいもの。戦の後、八面大王のなきがらは、朝廷軍によって生き返らないようにバラバラにされたといいます。それは朝廷軍が恐れるほど大王が強かったという事でしょう。その一部が埋められたのがこの辺りで、こちらは大王を祀る神社です。

ここにある、大王サイズという大きなわらじを見れば、いかに大王が強かったかが想像できそうですよね。

わさびグルメも忘れずに!

わさびグルメも忘れずに!

写真:万葉 りえ

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農場内には湧水で炊いたご飯が美味しい名物の「本わさび飯」や、ワサビとよく合う肉料理が味わえる食事処やレストランがあります。血流改善などわさびの効果はいろいろありますが、一番に味わってほしいのがこちらのソフトクリームです。

幾つか種類がありますが、お薦めはだんぜんこの「大王プレミアム・本わさびソフトクリーム」。

わさびがこんなに乗っているので、食べ始める前は正直ちょっと不安かもしれません。ところが、口に含んだとたんに、クリームのまろやかな甘さにわさびが見事にマッチ!さわやかな味わいを楽しんでいるうちに、あっという間に食べきってしまうことでしょう。ただし、お子さんと辛いものが苦手な方は普通のタイプにしておきましょう。

わさびグルメも忘れずに!

写真:万葉 りえ

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そして、おみやげ処では、わさびを使った様々な製品が購入できます。農場オリジナル商品も多数あるし、もちろんここで栽培されたわさびも販売されています。

そんな数ある商品の中で、製造している様子も見られるのが「わさび漬け 極」。手作りされている様もわかるので、お土産候補の上位にお勧めです。

わさびグルメも忘れずに!

写真:万葉 りえ

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ここでは初めにご紹介した蓼川のすぐわきを、一般河川の万水川(よろずいがわ)が流れていて、少し先で合流します。しかし水温の違いなどからしばらくは混じりあいません。水の色が全く違うので、それがよくわかるという珍しい景色も見られる安曇野市穂高。

北アルプスの湧水が育むわさびの里で、さわやかさと、ここだけのおいしさを楽しめる「大王わさび農場」。安曇野の旅を予定したなら、ぜひここも訪問先に加えてください。

大王わさび農場の基本情報

住所:長野県安曇野市穂高3640
電話番号:0263-82-2118
アクセス:長野自動車道・安曇野IC出口から約10分
営業時間:8:00〜17:00 季節により変更あり

※安曇野市観光情報センターには「あずみ野穂高 道祖神めぐりマップ」があります

2023年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。

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