写真:万葉 りえ
地図を見るローヌ川とソーヌ川にはさまれ、半島のように見えることから「プレスキル(フランス語で半島の意)地区」と呼ばれるリヨンの中心部。そこにあるのが、ごらんの駅、TGVリヨン・ペラーシュ駅です。
その駅よりの柵に飾られた古いモノクロ写真。小ぶりの機関車が昔の町中を通っている様子もあるこれらの写真、よく見てもらえば同じ建物が写されているのに気づくでしょう。それが、ご紹介するホテル「メルキュール リヨン サントル シャトー ペラーシュ」です。
写真:万葉 りえ
地図を見る同じ場所から振り返れば見えるのがこちらの景色。そう、お分かりのように、ここはペラーシュ駅のすぐ傍で時を重ねてきたホテルなのです。
写真の真ん中あたりに、壁にはめ込まれた赤い小さなプレートがわかるでしょうか。これはホテルの星が入ったマーク。このクラシックな外観のホテルが四つ星であることを表示しています。
写真:万葉 りえ
地図を見る駅側から来れば、すぐにこちらのホテルフロントがある場所へと入ってきます。外観も窓枠などに手がかかった装飾がされていましたが、内部はこのように絵画や柱の装飾があるもっと素敵な空間。
ここはアールヌーボーを伝える様式のビルとして、街を象徴する貴重な建物。史跡として指定も受けているホテルなのです。
写真:万葉 りえ
地図を見る街がさらに繫栄していくにしたがって、19世紀ごろの狭い道では対応できなくなったリヨンの中心部。そこでホテルの北側には大きな道路ができました。そちら側から見た外観がこちら。フロントがあるフロアより一つ下の階に入口が設けられています。こちらの入り口の上に取り付けられているのが、貝殻の形のような優雅な庇(ひさし)です。
フランスの東部にナンシーという都市があり、アールヌーボーの芸術が花開いた街として知られています。中でも有名なのがナンシー商工会議所の扉部分で、そこにあるのもこれと似た庇。
この外観だからこそ、実用一辺倒ではない大変優美な曲線が良く似合います。
写真:万葉 りえ
地図を見るさらに、先程の入り口から入った様子がこちらです。入り口から奥まで幾重にもアーチが重なり、見上げれば、天井には漆喰(しっくい)で細かい装飾がほどこされているという大変凝ったもの。
写真:万葉 りえ
地図を見るそして上のフロアへと上がっていく階段も、このように曲線を描きながらいざないます。写真には写っていませんがエレベーターもあるのでご心配なく。
さて、「アールヌーボー」というのは、19世紀末頃からフランスを中心に流行った芸術のスタイルです。フランス語で「新しい芸術」を意味し、ご紹介してきたような流れるような曲線と植物の模様などが特徴。また、絵画だけでなく身の回りのものすべてに影響を与えた総合芸術で、鉄やガラスなどを使った作品も多くなっています。
代表的人物としてエミール・ガレ、アルフォンス・ミュシャなどが挙げられますが、あのサグラダ・ファミリアの設計者アントニオ・ガウディもそうだといわれています。
写真:万葉 りえ
地図を見るそして、こちらの各扉の上にまで絵画がはめ込まれた凝った造りの部屋が、朝食会場になります。窓際の席に座れば、木々の間から車道を挟んだ向かいの古いビルも見られます。
写真:万葉 りえ
地図を見る朝食はビュッフェスタイルで提供されます。地元の食材を使ったホット&コールドのメニューが並ぶ部屋には、天井近くに見事な漆喰の装飾。コテなどを使って職人が創りあげたと思うと、これはすごい技術ですよね。
アールヌーボーの意匠を凝らした部屋での朝食のひと時。食事だけでなく部屋も楽しんでください。
写真:万葉 りえ
地図を見るそれでは客室をご案内しましょう。もし上層の階の部屋になったら、こんな廊下を通ります。まるで古い映画で見た、パリのアパルトマンの屋根裏部屋へと行くような感じもあって素敵だと思いませんか。
窓からながめれば、古い建物の裏側の雰囲気もしっかり。さらに映画の世界に入れます。
写真:万葉 りえ
地図を見るそんな廊下を通ってくるので部屋は狭いかも…と思われたかもしれません。客室は大きなトランクが広げられる十分なスペースがとられ、内装もぐっと現代風に変わります。しかも、この部屋のタイプは洗面所とトイレとバスタブがそれぞれ独立していて、使いやすく滞在できます。
写真:万葉 りえ
地図を見るもう一つこの部屋で紹介しておきたいのが、ベッドの枕元にかけられている絵画です。手のように見えますが、よーく見ると地図。二つの川に挟まれたリヨンのプレスキル地区が描かれ、真ん中には「PERRACHE(ペラーシュ)」と書かれたこちらのホテル。
有名な教会や公園もわかりやすく描かれているので、観光へ出かける際のヒントにもなるでしょう。
写真:万葉 りえ
地図を見るアールヌーボー華やかなりし時代には、エミール・ガレやルネ・ラリックなどガラス工芸家の作品も人々を魅了していました。こちらのホテルのラウンジバーでも、このような素晴らしい装飾が見られます。
写真:万葉 りえ
地図を見るルネ・ラリックがガラス工芸で好んで使ったのが「オパルセント・グラス(オパールセント・ガラス)」というガラスでした。このガラスは、乳白色、または乳白色と色が混ざったマーブル模様が特徴的です。
ガラスを通して柔らかな光が届く、アールヌーボーの意匠につつまれたようなこの空間。ここでワイングラスを傾けてみるのは如何でしょう。
写真:万葉 りえ
地図を見るフランス第三の都市なのでビジネスで利用される方もいらっしゃるでしょう。最後に紹介したいのは、商談やちょっとした展示などができる部屋もあることです。しかもここはTGVの駅のそば。ビジネスチャンスにも役立てられそうですね。
近郊に、絹織物、自動車、チョコレートなどいくつものミュージアムがあるリヨンの街。その都会の真ん中で、今もアールヌーボーの優美さを伝えるホテル「メルキュール リヨン サントル シャトー ペラーシュ」。
地下鉄やトラムの駅、バス停も200m圏内です。ここをベースにミュージアムも多いこの街を楽しんでください。
2023年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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