韓国・百済の世界遺産 空想上の神獣が死者を守る公州の武寧王陵

韓国・百済の世界遺産 空想上の神獣が死者を守る公州の武寧王陵

更新日:2023/08/08 10:34

東郷 カオルのプロフィール写真 東郷 カオル 癒されたい系女子旅ライター、ラグジュアリーホテルライター
2015年に登録された韓国の世界遺産「百済歴史遺跡地区」は、8つの構成資産が公州、扶余、益山の3つの地区に点在しています。今回ご紹介する公州(コンジュ)には武寧王陵があり、展示館や国立公州博物館で、王と王妃の石室のレプリカや副葬品、出土品などを目にすることができます。歴史ロマンあふれる見応えのあるエリアで、三国時代の百済への歴史トリップにおすすめです。

かつて百済の都があった公州

かつて百済の都があった公州

写真:東郷 カオル

公州は「百済歴史遺跡地区」の3つの地区、益山・扶余・公州の中で、一番ソウルに近い場所にあります。王陵や博物館を見学するには、KTXよりも高速バス利用が便利。ソウルから高速バスに乗って2時間前後で、公州総合バスターミナルにアクセスできます。

百済は4世紀前半から660年まで古代の朝鮮半島南西部にあった国家です。高句麗との覇権争いで、漢城(ソウル)から公州(当時の熊津)へ遷都し、475年から538年までここに都を置きました。日本で生まれ、百済の「中興の祖」と称される百済第25代王の武寧王(ムリョンワン)もこの時代を生きた王の一人です。

韓国ドラマ『帝王の娘スベクヒャン』では、スベクヒャンの父親がこの武寧王という設定でしたので、韓ドラ好きにも親しみがあるかもしれませんね。

公州武寧王陵と王陵園の展示館

公州武寧王陵と王陵園の展示館

写真:東郷 カオル

地図を見る

宋山里古墳群には、百済が公州を都とした時期の王と王族の墓が約10基あり、中でも1971年に5号と6号古墳の排水工事の際に偶然レンガが見つかったことによって発掘された武寧王陵が最大の見どころ。

公州武寧王陵と王陵園の展示館

写真:東郷 カオル

地図を見る

展示館内部には、発掘された古墳が忠実に再現されていて、中に入ることができます。それぞれに様式が異なるのは、年代が異なることを指すのだとか。

武寧王陵の石室はトンネル状のレンガ造りで、中国の影響を色濃く受けていることがわかります。

三国時代の王陵で唯一被葬者が判明しているのが武寧王陵

三国時代の王陵で唯一被葬者が判明しているのが武寧王陵

写真:東郷 カオル

地図を見る

展示館では王墓発見の感動を疑似体験できます。武寧王陵は盗掘に合わず、誌石(誰の墓かを記したもの)も発見されたため、被葬者が武寧王とその王妃だと判明しました。アーチ型の天井を持つトンネル状の石室に王と王妃が数多の副葬品とともに埋葬されていたのです。三国時代の王陵で被葬者がわかっているのはこの武寧王陵だけです。

展示室のパネルには鎮墓獣(空想上の神獣)が守る石室が描かれていて、歴史好きにとっては発掘の歴史的瞬間を想像するのが楽しい内容です。

三国時代の王陵で唯一被葬者が判明しているのが武寧王陵

写真:東郷 カオル

地図を見る

武寧王陵は残念ながら発掘時に取材陣に踏み荒らされて、王と王妃の頭部と足を固定する木枕や木足座が定位置からバラバラになり、貴重な副葬品の一部も踏まれて破損してしまったといいます。展示館ではその状態も忠実に再現され展示。

王と王妃の木棺には日本のコウヤマキが使われていて、日本と交流があったこともわかっています。

武寧王陵の出土品の宝庫!国立公州博物館

武寧王陵の出土品の宝庫!国立公州博物館

写真:東郷 カオル

地図を見る

展示館のあとは、すぐ近くの国立公州博物館へ。館内には武寧王陵の副葬品の数々、屋外には三国時代から朝鮮時代の石像文化財が展示されています。

武寧王陵の出土品の宝庫!国立公州博物館

写真:東郷 カオル

地図を見る

こちらではレプリカではなく、王陵から見つかった歴史的に貴重な資料を見ることができます。王と王妃の墓誌が刻まれた二枚の石板(誌石)と、死者を守るかのように立つ石造の鎮墓獣がショーケースに入れられて展示されています。

武寧王陵の出土品の宝庫!国立公州博物館

写真:東郷 カオル

地図を見る

先ほどの展示館では、発掘時に踏み荒らされた状態が再現されていましたが、こちらの博物館では副葬品が本来の位置に配された状態で展示されています。展示館と博物館の両方を見学することで比較ができるので、どちらも訪れることをおすすめします。

王と王妃の遺体は日本のコウヤマキでできた木棺に安置されており、日本と交流があったことを物語っています。

1500年前の歴史が目の前に広がる

1500年前の歴史が目の前に広がる

写真:東郷 カオル

地図を見る

王と王妃の木棺の破片の下からは、金製冠飾、金製耳飾、金銀の腰帯、銀製腕輪などが見つかりました。王と王妃の金銅の靴も、1500年の時を超えて目にすることができます。

日本にも多大な影響を与えた百済美術の装飾品の数々をじっくりと楽しみましょう。

2つ目の王都を楽しむ公州の歴史散策

世界遺産に登録されている「百済歴史遺跡地区」。3つのエリアにまたがるので、最低でも2泊3日は欲しいところ。

公州は漢城から遷都した2つ目の王都が置かれた場所です。3つのエリアの中でも一番ソウルに近くバスの本数も多いので、強行突破で日帰りできないこともありません。何度も韓国旅行を楽しんでいる人は、次の旅では公州の歴史散策を楽しんでみてはいかがでしょうか。韓国の歴史ドラマを見るのが楽しくなりますよ!

2023年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2023/07/28 訪問

- PR -

旅行プランをさがそう!

このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!

条件を指定して検索

- PR -

この記事に関するお問い合わせ

- 広告 -