韓国・百済の世界遺産 王国の滅亡を迎えた古都・扶余

韓国・百済の世界遺産 王国の滅亡を迎えた古都・扶余

更新日:2023/08/12 15:19

東郷 カオルのプロフィール写真 東郷 カオル 癒されたい系女子旅ライター、ラグジュアリーホテルライター
朝鮮半島で百済・新羅・高句麗が覇権を争った三国時代。2015年に登録された韓国の世界遺産「百済歴史遺跡地区」は、660年に滅亡した百済の8つの資産で構成されています。遺跡は百済の王都変遷に伴い公州、扶余、益山の3つの地区に点在。今回ご紹介する扶余(泗沘)は百済最後の王都で、栄華と王都陥落の2つの側面が見られる魅力的な歴史エリアです。

百済滅亡を見つめた都 扶余

百済滅亡を見つめた都 扶余

写真:東郷 カオル

百済は4世紀前半から滅亡を迎える660年まで、古代朝鮮半島の南西部に存在していた国家です。もともとは漢城(ソウル)を都にしていましたが、高句麗との覇権争いで公州(熊津)へ遷都。そして武寧王の次の王である聖王の時代、538年に最後の王都となる扶余(泗沘)へ都を移しています。扶余には大きな川があり、外敵から国を守りつつ日本や東南アジアとも盛んに交易できる優れた土地でした。

わかりやすく韓国歴史ドラマに置き換えると、「武寧王」は『帝王の娘スベクヒャン』に登場する父(王)で、その次の王「聖王」はスベクヒャンのお相手のミョンノン。滅亡した時の王は『階伯<ケベク>』に登場する「義慈王(ウィジャ)」ということです。

百済伽藍が見られる定林寺址

百済伽藍が見られる定林寺址

写真:東郷 カオル

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大阪の四天王寺では百済の寺院と同様の伽藍配置が見られ、仏教が伝来した百済の影響を大きく受けていることがわかります。この中門、塔、金堂、講堂が一直線に並ぶ様式を百済式伽藍といい、日本では四天王寺式伽藍と呼ばれています。

泗沘都城の中心に位置する定林寺址には、国宝の五層石塔が見られます。塔の向こうにある建物は百済時代に講堂があった場所で、安置されている石仏座像は百済時代のものではなく高麗時代のものだとわかっています。

<定林寺址の基本情報>
住所:254 Dongnam-ri, Buyeo-eup, Buyeo-gun, Chungcheongnam-do
電話番号:+82-41-830-2880
時間:夏季(3月〜10月)9:00〜18:00、冬季(11月〜2月)9:00〜17:00

国立扶余博物館で見逃せない展示品は…

国立扶余博物館で見逃せない展示品は…

写真:東郷 カオル

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定林寺址のすぐ横に国立扶余博物館があります。韓国では博物館は無料のことが多く、こちらの博物館も無料で観覧可能です。

鴟尾(しび・屋根の飾り)や仏像など、百済の卓越した工藝技術・仏教文化を表す展示が充実していますが、中でも必見なのが1993年に出土した「百済金銅大香炉」。また、“百済の微笑み”として名高い「瑞山磨崖三尊仏」のレプリカも興味深い内容です。

どちらも人気のため絶えず人がいますが、中央のホールで映像が流れると一斉にどの展示室も人がいなくなるので、そのタイミングがゆっくりと観覧できるチャンスです。

国立扶余博物館で見逃せない展示品は…

写真:東郷 カオル

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「百済金銅大香炉」は第2展示室に展示されています。扶余の稜山里寺址から1993年に発掘。長い歴史の流れの中では、つい先日(30年前)に発見されたとも言えるお宝です。

香炉は香を焚いて空間を浄化するためのもの。この香炉には頂上に鳳凰、その下には神仙や想像上の動物など、どこか神秘的な装飾が見られます。

国立扶余博物館で見逃せない展示品は…

写真:東郷 カオル

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こちらは「瑞山磨崖三尊仏」のレプリカで、百済時代後期のものと推測されています。本物は瑞山市に現存します。中央が釈迦如来立像で、右側が弥勒半跏思惟像。左側は提華褐羅菩薩像です。悟りを開いた如来は装飾品を身につけていませんが、まだ修行中の菩薩には冠のような装飾品が見られます。

スッとした印象の百済の仏像とは印象が異なり、ふっくらとしたお顔立ちや、厚みのある唇が特徴。また、拝見する方向によって表情が違って見えるのもおもしろいので、ぜひ色んな角度から眺めてみてください。

<国立扶余博物館の基本情報>
住所:5 Geumseong-ro, Buyeo-eup, Buyeo-gun, Chungcheongnam-do
電話番号:+82-41-833-8562
時間:10:00〜18:00

扶余観光のハイライト 扶蘇山城

扶余観光のハイライト 扶蘇山城

写真:東郷 カオル

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扶余観光のハイライトといえば、王都陥落の悲しい逸話が残る扶蘇山城ではないでしょうか。現在は散策路が設けられ、森林浴を楽しみながらお散歩できる絶好のハイキングルートになっています。

扶余観光のハイライト 扶蘇山城

写真:東郷 カオル

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扶余は王都陥落時の都。敵の手から逃れるため、3000人の宮女が崖から身を投げたという逸話が語り継がれています。その姿が花が落ちるようだということから、この崖は「落花岩」と名付けられました。

<扶蘇山城の基本情報>
住所:31 Buso-ro, Buyeo-eup, Buyeo-gun, Chungcheongnam-do
電話番号:+82-41-830-2880
時間:3月〜10月9:00〜18:00、11月〜2月9:00〜17:00

白馬江の水上観光

白馬江の水上観光

写真:東郷 カオル

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落花岩の下を流れる白馬江では遊覧船が運航しているので、川から扶蘇山城の姿を眺めることもできます。

船は扶蘇山城の皐蘭寺遊覧船船着場とクドゥレ船着場を行き来しています。時間の許す人はぜひ体験してみてください。

ソウルから百済最後の都へタイムトリップ

扶余は百済の栄華も滅亡も見つめた最後の王都で、歴史トリップにおすすめです。ソウルからはKTX(韓国版新幹線)よりもバスが便利。2時間半ほどで扶余市外バスターミナルまでアクセスできます。

2023年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2023/08/27 訪問

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