写真:Hiroko Oji
地図を見る港そばのハーヴェン広場からハルリンゲンの町を東西に突っ切るように走るメインストリートであるフォール通り沿いにあるのがハネマ邸。正面の最も古い部分は1744年頃に、また、現在の記念碑的なファサードは1825年にさかのぼるほどの歴史的建造物です。
この歴史的建造物に入るのがハルリンゲンの文化歴史博物館「ハネマ邸文化歴史博物館」です。
1746年、シェールド・ハネマが引っ越してきて以来、彼の息子ヤン・ハネマがジン蒸留所を開き、最後の居住者、1889年に設立されたレンデルト・ヤコブス・ハネマ(1964-1957)のショールド・ハネマ社の旧事務所として存続してきたのがこのハネマ邸。彼の死後1964年、博物館としても使用され、 ハルリンゲン市に遺贈されて以来、ハネマ邸は市で運営されてきました。
写真:Hiroko Oji
地図を見る煉瓦造りの白い窓枠が美しい建物内に入ると、そこは書店となっており、各種の本や記念品・お土産品を購入できるスペースが広がります。この中央にあるレジの所で博物館入場チケットを購入しましょう。
写真:Hiroko Oji
地図を見るチケット購入後は、レジ背後にある落ち着いた雰囲気のこの部屋で大きな荷物を預けます。すでにこの部屋でも陶器製タイルの数々に船の模型や絵画などの一部が飾られていて、ここから階段を上って博物館の各展示室に入ることになります。
写真:Hiroko Oji
地図を見る館内ではハルリンゲンの歴史と芸術に関する常設コレクションが見られます。
まずは、この館に代々居住してきた一族やハルリンゲンにゆかりのある一家のエンブレムの数々を見ながら、見学を始めます。
写真:Hiroko Oji
地図を見る独自のギルドがあるハルリンゲンではたくさんの美しい銀器が作られてきました。城門内に80人以上の銀細工師がいた時期もあったほど。
館内のシルバールームでは、結婚式のために作られたシルバーのウェディングボックスや聖書を表現したブランデーボウル、ボウル、細かい細工のカップ、燭台などが展示されています。
写真:Hiroko Oji
地図を見るウィレム・アンスケス・ゼエストラによって1691年に作られた金色のシルバーの結婚式用ゴブレットや1646年作の金色のティーボックスなど目を惹くものが並びます。
写真は1736年に銀細工師シブレンピーターズソネマによって作られた金色の銀のティーボックス。金色をしているのでパッと見では銀器とは思えない一品です。
写真:Hiroko Oji
地図を見る博物館の時計は芸術作品といっても過言ではないものばかりです。文字盤は美しくデザインされた板金彫刻が施され塗装されています。上質なベニヤで覆われたキャビネットには花や鳥のモチーフがちりばめられ、上部にトランペットを吹く天使たちが飾られています。
写真:Hiroko Oji
地図を見る250年以上にわたり、ハルリンゲンの一家ラズマ(ラツマとも綴られた)は「シティベルプレーヤー」として活躍し、ハルリンゲンで毎日のリズムを刻み、時計職人として生計を立てていたのです。複雑な時計を作ることができるほど多くの職人技、洞察力、知識を持っていたため、時間だけでなく、日付、太陽・月・惑星の位置を示すものもありました。
博物館の最大の「時計」は、上部に「プラニスフェリウム」という天の正方形が描かれている円盤があります。屋内でもさらに空に近いところを目指したため、背伸びをしても届かないほど高いところに設置されました。時計の中にはメロディーを奏でるものもあり、定時になれば聞くことができます。
写真:Hiroko Oji
地図を見る精巧な時計ばかりではなく、館内に展示されているミニチュアハウスも見応えのあるもの。木工技術にも長けた面が残されており、1650年〜1900年までのゾイデル海周辺の家の内部を再現した精巧なミニチュアハウスの世界に惹き込まれます。
写真:Hiroko Oji
地図を見るハルリンゲンはフリジア陶器産業の発祥地であり、約1600年以来、ハルリンゲン地域で産出される高品質の粘土から何百万もの一流のタイル、ソーサー、その他多くの陶器が造られてきました。
写真:Hiroko Oji
地図を見る錫釉技術は400年以上にわたってこの地域で受け継がれてきた伝統のあるもの。ハネマ邸では、数世紀にわたってハルリンゲンで作られてきた素晴らしい作品を展示しています。
緩かなカーブのタイルや絵皿だけでなく、港の景色を望む陶器のザル、ティーカップにソーサー、料理用の各種食器など、何世紀にもわたってモチーフとスタイルが変化したためバリエーションは非常に多彩です。
写真:Hiroko Oji
地図を見る絵画の部屋では、ハルリンゲンの町の様子を描いた風景画やハネマ邸に関する人々の肖像画だけでなく、港町ならではの船の絵画も所有者の誇りを反映して多く残されています。
ヘルマヌス・シデリウスは1850年にハルリンゲンの外港を描き、活気のある港でのセーリングから蒸気輸送への移行を伝えています。また、ハルリンゲンのタイル画家ダーク・ジェイコブ・ダンサーも、1750年頃の捕鯨のシーンなどの絵画を制作しました。
写真:Hiroko Oji
地図を見る港町であるハルリンゲンでは装飾としてだけでなく乗組員の指導のためにも、船のミニチュアモデルを幾つも作り、ここに展示されています。
海事コレクションの中には、1825年に捕鯨でグリーンランドに向けて出発した時の日記も残されています。真新しいガレオン船が極地の氷の中でひび割れてしまい、乗組員は恐怖に満ちた日々を乗り越え一年後にハルリンゲンに戻ることができた様子などがつづられています。
写真:Hiroko Oji
地図を見る敷地内の地下にはジン蒸留所も残されています。
博物館に隣接するスペースは一般に「ストーカースティーグ」とも呼ばれ、18世紀〜19世紀にはここにジン蒸留所がありました。改修中に床の下に独特の曲線や側溝があったからこそ見つかった施設で、商人で蒸留酒製造業者のヤン・ハネマは、厳重な秘密のもとで混合され特別なハーブを混ぜたジンドリンクを作り出していたのです。
ここでご紹介した他にも、戦争中の瓦礫と化した町の写真や戦闘員の遺留品の展示室、広々とした緑豊かな庭園なども見応えがあります。小さな町の小さな博物館ですが、なかなか見応えのある展示内容にきっと満足していただけるスポットとなっています。
住所:Voorstraat 56,8861 BM Harlingen
電話番号:+31-517-413-658
開館時間:10:00〜17:00
休館日:月曜日
2023年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/12/3更新)
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